本記事はアフィリエイト広告(PR)を含みます。介護保険法・施行令・施行規則、厚生労働省の資料と通知、神戸市・江戸川区、国税庁、リショップナビの表示は2026年10月13日に各公式サイトで確認したものです。制度は改正や自治体ごとの違いがあるため、最新の内容は各公式サイトと市区町村の窓口でご確認ください。

介護保険の負担割合は、本人の合計所得金額と、年金収入などの合計で決まる。単身で年金収入だけなら、280万円以上で2割、340万円以上で3割

介護保険のサービスを使ったときの自己負担は、1割・2割・3割のどれかで、毎年8月から翌年7月までの割合が、市区町村から届く負担割合証に書かれています。この記事では、判定の流れ、年金収入ごとの早見表、負担割合証が届く時期、高額介護サービス費、住宅改修の自己負担への影響、2割負担の対象拡大の検討状況を、介護保険法施行令と厚生労働省の資料、自治体の案内で確かめた範囲でまとめました。

負担割合は、どんな順番で1割・2割・3割に決まるのか

介護保険法第49条の2は、一定以上の所得がある第一号被保険者(65歳以上)について、介護給付の「百分の九十」(1割負担)を「百分の八十」(2割負担)、さらに高い所得では「百分の七十」(3割負担)にすると定めています。「一定以上」の線は政令で決まり、介護保険法施行令第22条の2は次のように定めています。見るのは2つで、本人の合計所得金額と、年金収入+その他の合計所得金額(単身か、65歳以上が2人以上の世帯か)です。

本人の合計所得金額年金収入+その他の合計所得金額
(単身 / 2人以上の世帯)
負担割合
160万円未満問わない1割
160万円以上220万円未満280万円以上 / 346万円以上2割
280万円未満 / 346万円未満1割
220万円以上340万円以上 / 463万円以上3割
340万円未満 / 463万円未満左の2割の行で判定(280万円・346万円以上なら2割、未満なら1割)
  • 合計所得金額:収入から公的年金等控除や給与所得控除、必要経費を引いたあとで、基礎控除や人的控除などを引く前の所得金額です(厚生労働省の資料の注)。年金収入そのものではありません。
  • 年金収入+その他の合計所得金額:施行令は、公的年金等の収入金額と、合計所得金額から公的年金等の雑所得を除いた額を足した額としています。年金収入に、給与や不動産などの所得を足したイメージです。
  • 2人以上の世帯:同じ世帯の65歳以上の人(本人を含む)全員の分を合計します。世帯に65歳以上が本人だけなら、単身の基準です。
  • 1割になる人:40歳から64歳の第2号被保険者、市町村民税を課されていない人、生活保護を受けている人は、上の判定にかかわらず1割です。

出典:介護保険法第49条の2、介護保険法施行令第22条の2(e-Gov法令検索)、厚生労働省 社会保障審議会介護保険部会 参考資料2(令和5年7月10日)、2026年10月13日確認。

年金収入がいくらなら、何割になるのか

上の線を、65歳以上で、課税される年金収入だけがあり、ほかの所得がない場合に当てはめた早見表です。年金の合計所得金額は、国税庁の速算表(65歳以上、収入が110万円超330万円未満なら収入−110万円、330万円以上410万円未満なら収入×0.75−27万5千円)で出しています。厚生労働省が公表した早見表ではなく、施行令の基準と国税庁の速算表から計算した値です。

単身の場合(同じ世帯に65歳以上が本人だけ)

年金収入(年額)負担割合線の理由
270万円未満1割合計所得金額が160万円に届かない
270万円以上280万円未満1割合計所得金額は160万円以上でも、年金収入+その他が280万円に届かない
280万円以上340万円未満2割年金収入+その他が280万円以上。340万円に届かないので3割にならない
340万円以上3割合計所得金額が220万円以上(340万円のとき227.5万円)、かつ年金収入+その他が340万円以上

夫婦の場合(2人とも65歳以上で、年金収入だけ)

判定は1人ずつ行います。夫婦の年金収入の合計と、その人自身の年金収入の両方を見ます。

夫婦の年金収入の合計その人の年金収入負担割合
346万円未満いくらでも1割
346万円以上463万円未満270万円未満1割
270万円以上2割
463万円以上270万円未満1割
270万円以上330万円未満2割
330万円以上3割

たとえば、夫の年金が300万円、妻の年金が100万円なら、合計は400万円です。夫は270万円以上なので2割、妻は270万円に届かないので1割になり、同じ家でも割合が分かれます。夫が350万円、妻が130万円なら、合計は480万円で、夫は3割、妻は1割です。

給与・事業・不動産・配当などの所得がある場合や、年金以外の収入が多い場合は、この表のとおりになりません。実際の割合は、市区町村から届く負担割合証で確かめます(裏面に判定基準が載っている自治体もあります)。

出典:介護保険法施行令第22条の2(e-Gov法令検索)、国税庁 No.1600「公的年金等の課税関係」(令和8年4月1日現在法令等)、神戸市「介護保険負担割合証のよくある質問と回答」、2026年10月13日確認。表の数字は当サイトの計算です。

負担割合証は、いつ届くのか

介護保険法施行規則第28条の2は、市町村が、要介護・要支援の被保険者に、利用者負担の割合を書いた負担割合証を、有効期限を決めて交付すると定めています。日付は自治体が決めており、確認できた2つの自治体は次のとおりです。

自治体発送の時期有効期限
神戸市毎年7月中旬頃8月1日から翌年7月31日まで
江戸川区毎年7月中から下旬8月1日から翌年7月31日まで
  • 誰に届くか:要介護・要支援の認定を受けている人と、事業対象者です(神戸市)。認定を受けていない人には届きません。
  • どの年の所得で決まるか:基準日は毎年8月1日で、前年の所得で判定します。神戸市は「2026年度の負担割合は2026年8月の介護サービス利用分から適用されますが、判定は2025年1月1日から2025年12月31日までの所得に基づいて決定」と書いています。施行令も、サービスを使った月が1月から7月なら、前々年の所得を見ると定めています。
  • 使い方:介護保険の被保険者証と一緒に保管し、介護サービスを使うときは事業者に見せます。事業者は負担割合証で請求額を計算します(神戸市)。
  • 年の途中で変わる場合:世帯員の状況の変化(65歳になった、転居、離別・死別など)や、確定申告・修正申告で、途中から、または遡って変わることがあります(神戸市)。

判定は前年の所得で行うので、収入が減った年の分が負担割合に反映されるのは、翌年の8月からの割合です。窓口や日付は市区町村ごとに違うので、住んでいる市区町村の案内で確かめます。

出典:介護保険法施行規則第28条の2・介護保険法施行令第22条の2(e-Gov法令検索)、神戸市「介護保険負担割合証のよくある質問と回答」(最終更新2026年6月19日)、江戸川区「利用者負担」、2026年10月13日確認。

自己負担が大きくなったとき、高額介護サービス費はいくらから戻るのか

介護保険法第51条の高額介護サービス費は、1か月の自己負担(1割・2割・3割の分)が世帯の上限額を超えたとき、超えた分が申請により払い戻される制度です。上限は、負担割合ではなく世帯の所得の区分で決まります。厚生労働省が令和8年7月31日に出した通知は、次の区分を示しています。

世帯の区分1か月の上限額
課税所得が690万円以上の人がいる世帯140,100円(世帯)
課税所得が380万円以上690万円未満の人がいる世帯93,000円(世帯)
課税世帯で、課税所得が380万円未満44,400円(世帯)
世帯全員が住民税非課税24,600円(世帯)
世帯全員が住民税非課税で、公的年金等収入金額+その他の合計所得金額が82.65万円以下、または老齢福祉年金を受けている24,600円(世帯)、個人では15,000円
生活保護を受けている15,000円(個人)

たとえば、課税世帯で課税所得が380万円未満の1人世帯で、2割負担の人の1か月の自己負担が6万円なら、上限の44,400円を超えた15,600円が、申請により払い戻されます(上の区分で計算した例です)。上限は、負担割合が1割でも2割でも同じ区分の額です。

出典:介護保険法第51条・介護保険法施行令第22条の2の2(e-Gov法令検索)、厚生労働省 介護保険最新情報 Vol.1532(令和8年7月31日)、同部会 参考資料2、2026年10月13日確認。

住宅改修の自己負担は、1割・2割・3割でいくら変わるのか

手すりの取付けなどの介護保険の住宅改修は、支給の上限が20万円で、負担割合によって変わるのは、そのうち支給される割合です。介護保険法第49条の2は、2割負担の人は住宅改修費の「百分の九十」を「百分の八十」に、3割負担の人は「百分の七十」に読み替えると定めています。

負担割合20万円の工事:支給(最大)20万円の工事:自己負担25万円の工事:自己負担
1割18万円2万円7万円
2割16万円4万円9万円
3割14万円6万円11万円

20万円を超えた部分は全額が自己負担なので、25万円の工事なら、支給額は20万円の分だけで、残りは自己負担に上乗せされます。対象になる工事、事前申請の流れ、20万円を使ったあとにもう一度使える場合は、介護保険の住宅改修とは?手すり・段差・トイレ・風呂の補助にまとめています。

出典:介護保険法第49条の2(e-Gov法令検索)、厚生労働省通知(老企第42号)、名古屋市「住宅改修費の支給」(2026年9月1日更新)、2026年10月4日確認(老企第42号・名古屋市)。表の自己負担は、上の支給額から当サイトが計算した値です。

2割負担の対象は、広がるのか

この記事の基準は、2026年10月1日に施行されている施行令のものです。2割負担の対象を広げるかどうかは、厚生労働省の審議会で検討が続いています。確認できた範囲は次のとおりです。

  • 2025年12月25日(社会保障審議会介護保険部会の意見):「現在の2割負担対象者以外にも、相対的に負担能力があり、負担が可能と考えられる方に、2割負担の対象範囲を拡げることが考えられる」と書き、年金収入+その他の合計所得金額の線を260万円から230万円まで(夫婦は326万円から296万円まで)下げる選択肢を示して議論したとしています。あわせて、負担増の上限(月7,000円)や、預貯金が一定額以下なら申請で1割に戻す配慮措置を議論したとも書いています。
  • 2026年7月21日(閣議決定の「経済財政運営と改革の基本方針2026」):「介護保険制度では、2割負担の判断基準の見直しについて2026年度中に結論を得る」としています。
  • 2026年9月18日(第136回介護保険部会):この閣議決定の文と、令和7年12月の意見の内容を載せた資料が出されています。

上の資料では、線を下げるかどうか、いつから実施するかは、確認できた範囲では決まっていません。決まった場合は、施行令の数字(280万円・346万円など)が変わります。この記事に載せた基準は、今の施行令のものです。

出典:厚生労働省 社会保障審議会介護保険部会「介護保険制度の見直しに関する意見」(令和7年12月25日)、第136回介護保険部会 資料2(令和8年9月18日)、2026年10月13日確認。

負担割合の人数は、どれくらいか

厚生労働省の審議会の意見は、令和7年3月現在のサービス利用者の人数を次のように示しています。

負担割合人数サービス利用者に占める割合
2割234,062人約4.3%
3割206,341人約3.9%
サービス利用者の合計5,406,760人―

2割と3割を合わせても約8%で、残りの利用者は1割負担です。

出典:厚生労働省 社会保障審議会介護保険部会「介護保険制度の見直しに関する意見」(令和7年12月25日)、2026年10月13日確認。

よくある質問

Q. 夫婦で、負担割合が違うことはありますか?

A. 神戸市は「負担割合の判定は個人毎に行うため、夫婦でも負担割合が異なることがあります」としています。判定は本人の合計所得金額と、同じ世帯の65歳以上の人の年金収入などを合わせた額で行うため、年金額が違う夫婦では、1人が2割、もう1人が1割になる場合があります。

Q. 40歳から64歳(第2号被保険者)でも、2割・3割になりますか?

A. 厚生労働省の判定フロー図は、第2号被保険者、市町村民税非課税者、生活保護受給者の場合は、フローにかかわらず1割負担と書いています。2割・3割の判定は、65歳以上の第1号被保険者が対象です。

Q. 年金だけで暮らしていて、住民税が非課税なら、負担割合はどうなりますか?

A. 介護保険法施行令第22条の2第4項は、市町村民税を課されていない第一号被保険者には、2割にする規定(第3項)を適用しないと定めています。1割負担です。実際の割合は、負担割合証の記載で確かめます。

Q. 負担割合証が届かないときは、どうすればよいですか?

A. 神戸市は、宛先不明などで届いていない可能性があるとして、区役所・支所に確認するよう案内しています。そもそも、要介護・要支援認定を受けていない人には、負担割合証は送られません。認定を受けているのに届かないときは、住んでいる市区町村の介護保険の窓口に聞きます。

Q. 負担割合は、年の途中で変わることがありますか?

A. 神戸市は、有効期限内でも、世帯員の状況(65歳到達・転居・離死別など)によって途中から変わることがあり、確定申告や修正申告で遡って変わる場合もあるとしています。変わったときは、新しい負担割合証が交付されます(江戸川区の案内)。

参考・出典