本記事はアフィリエイト広告(PR)を含みます。法令・自治体・省庁の情報は2026年10月3日に公式サイトで確認したものです。最新の内容は各公式サイトをご確認ください。

墓じまいの費用は、遺骨の行き先が決まるまで見積もれない

墓じまいの費用は、古いお墓の撤去、お寺へのお礼、新しい納骨先、手続きの4つに分かれます。このうち撤去の金額は、石材店の見積もりを取らないと分かりません。当サイトが確認した範囲では、墓じまい全体の費用を調べた国や業界団体の統計は見つかりませんでした。そのため総額の相場は書かず、公表されている補助の上限額と、見積もりの取り方を書きます。

墓じまいは、お墓をなくすだけの手続きなのか

神戸市の公式ページは、墓じまいを「現在お墓に収められている焼骨を、別のお墓や納骨堂に移したうえで(改葬といいます)、従前のお墓を撤去すること」と説明しています。お墓を壊す工事と、遺骨を移す手続きが、ひとまとまりになっているということです。

遺骨を移す手続きは、墓地、埋葬等に関する法律で決まっています。同法第5条は、改葬を行おうとする者は市町村長の許可を受けなければならないと定めています。許可を出すのは、遺骨が今ある場所の市町村長です(同条第2項)。

この手続きを使う人は増えています。総務省東北管区行政評価局の資料(2026年1月30日)によると、改葬の件数は平成26年度の約8万4千件から、令和6年度には約17万6千件に倍増しています(厚生労働省の衛生行政報告例にもとづく)。

古いお墓を撤去する工事は、石材店に頼みます。神戸市は公式ページで「お墓の撤去は行いません。使用者ご自身で石材業者などへ依頼してください」と案内しています。

費用は何に分かれるのか

墓じまいで払う相手は、石材店、お寺、新しい納骨先、市区町村に分かれます。相手ごとに、金額の決まり方が違います。

項目払う相手金額の決まり方
墓石の撤去・整地石材店見積もり(墓所の広さ・場所・作業のしやすさで変わる)
閉眼供養のお礼お寺・僧侶宗教や宗派によって、必要かどうかも変わる
離檀料お寺明確な基準はない(次の章)
新しい納骨先霊園・寺院・納骨堂納骨先ごとの料金表
改葬許可の申請市区町村市区町村のページで確認

総務省東北管区行政評価局の資料(2026年1月30日)にも「宗教や宗派により、閉眼供養や開眼供養などの儀式が必要となる場合あり」と書かれています。同じ資料には、管内の有識者から「寺院によって墓じまいに係る費用が大きく異なり、一般に高額」という意見があったことも記されています。

金額が見積もりやお寺との話し合いで決まる項目が多いので、総額を先に知る方法はありません。先に決められるのは、遺骨の行き先と、石材店に頼む範囲です。

なお、葬儀そのものの費用は、この記事の範囲ではありません。葬儀費用の計算は別に用意しています。

改葬許可は、どこで何を出せば受けられるのか

申請先は、今のお墓がある市区町村です。引っ越した先の役所ではありません。神戸市の公式ページも「神戸市外にお墓がある場合は、所在地の市区町村の墓地担当課にお問い合わせください」と案内しています。

申請書に書く項目は、墓地、埋葬等に関する法律施行規則第2条第1項に定められています。亡くなった人の本籍・住所・氏名・性別、死亡年月日、埋葬または火葬の場所と年月日、改葬の理由、改葬の場所、申請者の住所・氏名・続柄などです。

申請書に付ける書類は、同条第2項に定められています。

  • 埋蔵や収蔵を証明する書面:今の墓地や納骨堂の管理者が作ります。
  • 名義人の承諾書:申請する人が墓地使用者(名義人)でない場合に必要です。
  • その他、市町村長が必要と認める書類:市区町村によって求める書類が違うことがあります。

総務省の資料にある一般的な流れは、次の順です。墓地の管理者に相談する → 改葬先を決めて受け入れの許可証などを入手する → 改葬許可申請書と埋蔵証明書を添えて申請する → 改葬許可証を受け取る → 遺骨を取り出す → 新しい納骨先へ納める → 墓石を撤去して墓地を返還する。改葬先を決めるのが、申請より先です。

神戸市は、改葬許可申請書は遺骨1体ごとに1通必要と案内しています。複数の遺骨を移すときは、枚数が増えます。

管理者が証明書を出してくれないとき

施行規則第2条第2項第1号の括弧書きは、管理者の証明書によりがたい特別の事情がある場合は、市町村長が必要と認めるこれに準ずる書面でよいと定めています。総務省の資料によれば、墓地の管理者が証明を拒んだ場合、市町村は管理者に出すよう指導したうえで、それでも拒まれたときは代わりの書面で取り扱って差し支えないとされています。2026年1月には、厚生労働省が代わりの書面の例(墳墓の写真、証明書を出せない経緯を書いた申述書など)を示すQ&Aを、自治体に周知しています。

どの書面で足りるかは市区町村が判断します。証明書を断られたら、あきらめる前に、お墓のある市区町村の墓地担当課へ相談してください。

お寺から離檀料を求められたらどうするか

消費者庁が見守り情報として出したお知らせ(塙町の公式サイトに掲載されたもの)には、墓じまいの際に高額な離檀料を求められたという相談が紹介されています。そのうえで、離檀料に明確な基準はなく、金額に納得がいかない場合は基本的に寺などと話し合うことになると助言しています。国民生活センターの「墓・葬儀サービス」のページにも、同じ種類の相談事例が載っています。

同じお知らせは、墓じまいには寺などが発行する埋葬(埋蔵)証明書が必要で、家族や親族を交えてよく話し合うよう呼びかけています。分からないことは、お住まいの自治体の消費生活センター(消費者ホットライン188)に相談できます。

金額の話し合いに入る前に、前の章の書類のことを頭に入れておくと、話し合いの進め方が変わります。証明書を出してもらえない場合の取り扱いが決まっているからです。

補助金は出るのか

確認できた範囲では、出ない自治体が多く、出る自治体でも対象が限られていました。

自治体制度内容(公式ページより)
神戸市なし「助成金制度は設けていません」
四條畷市なし「墓じまいについての補助金はありません」(2026年2月4日更新)
太田市(群馬県)墓石撤去費用助成金市営の八王子山公園墓地を返す人が対象。撤去にかかった費用か20万円の、低いほうを助成
浦安市(千葉県)墓所返還者等支援事業市営の墓地公園を返す人が対象。撤去費などの補助は上限15万円

太田市の概要には、助成の対象は同市の八王子山公園墓地の墓石撤去費用だけで、他の墓地の撤去費用は対象にならないと書かれています。申請は墓石の撤去が完了し、明細書と領収書がそろってからで、返還届と同時には申請できません。祭祀費用(法要など墓石撤去に直接関わらない費用)は助成の対象から除かれます。

浦安市の制度は2本立てです。1つは、墓石の撤去など原状回復にかかった費用への補助(上限15万円、返還後に交付)。もう1つは、遺骨の改葬先として市の合葬式墓地(合祀室)を使う場合に、使用料を負担しなくてよい仕組みです。どちらか一方だけの申請もできます。

どちらも、市が運営する墓地を使っている人向けの制度です。寺院や民間霊園のお墓の撤去費用を出す制度ではありません。ほかの自治体にも補助があるかは、お墓のある自治体の公式ページで「墓じまい」「補助」「助成」を調べるか、墓地担当課に聞いて確かめてください。

出典:神戸市「墓じまい」、四條畷市「よくある質問」、太田市「八王子山公園墓地」、浦安市「墓所返還者等支援事業」(いずれも2026年10月3日確認)

新しい納骨先で、費用はどう変わるのか

法律上の改葬は、遺骨を「他の墳墓又は納骨堂」に移すことと定められています(墓地、埋葬等に関する法律第2条第3項)。新しい行き先は、大きく分けて3つの考え方があります。

  • 新しく墓石を建てる:石材店で、墓石の見積もりがもう1回必要です。墓石の形や石の種類で金額が変わります。
  • 納骨堂に移す:建物の中の施設です。料金は納骨堂ごとの料金表で決まります。
  • 合葬墓・永代供養墓に移す:ほかの人の遺骨と一緒に納める形で、新しい墓石は建てません。浦安市のように、市営の合葬式墓地を用意している自治体もあります。

墓石を建てない行き先を選ぶなら、石材店に頼むのは古いお墓の撤去だけです。新しく墓石を建てるなら、撤去と新しい墓石の見積もりの2つを比べることになります。どちらになるかで、石材店と話す内容が変わります。

お墓や供養の準備全体を見直したい場合は、終活チェックリストに「葬儀・お墓」の項目があります。

石材店の見積もりは、何をそろえて比べるのか

撤去の金額は石材店ごとに違います。比べるときは、金額だけでなく、何が含まれているかを並べます。

  • 撤去と整地の範囲:墓石だけか、外柵や基礎まで含むか。
  • 遺骨の取り出しと運搬:誰がどこまでやるか。
  • 廃材の処分:処分費が見積もりに入っているか。
  • 閉眼供養の日程:お寺との日程調整を、石材店がどこまで手伝うか。
  • 追加費用が出る条件:作業に重機が入れないなど、あとから金額が変わる場合の扱い。

墓地によっては、工事に入れる石材店に決まりがあることがあります。見積もりを取る前に、墓地の管理者に確認してください。

墓石ナビは、見積もりの依頼について次のように案内しています(2026年10月3日、公式の案内ページで確認)。

  • 登録時の審査を通過した石材店から、選抜した3〜5社から見積もりが届く。
  • 同じ墓石でも、石材店によって数十〜百万円ほどの差が出ることがある。
  • 見積もりは無料で、契約の義務はない。

掲載しているのは広告主の案内です。差が実際にいくら出るかは、お墓の状況ごとに違います。

次の一手

見積もりを取る前に、次の4つをメモしてください。

  • お墓の名義人は誰か(使用許可証などで分かります)
  • お墓のある場所と、墓地の管理者(市営・寺院・民間霊園のどれか)
  • 遺骨の行き先の候補(新しく墓石を建てるのか、納骨堂か、合葬墓か)
  • 遺骨の数(改葬許可は遺骨1体ごとに申請します)

これで、市区町村の窓口に何を聞けばよいかと、石材店に何を伝えればよいかが決まります。補助金は、お墓のある自治体の墓地担当課に、先に確認してください。

よくある質問

Q. 名義人ではない私が、墓じまいを進めてもよいのですか?

A. 改葬許可の申請では、墓地使用者(お墓の名義人)以外の人が申請する場合、名義人の承諾書が必要とされています(墓地、埋葬等に関する法律施行規則第2条第2項第2号)。親の名義のお墓なら、親の承諾書か、名義人の変更が先になります。きょうだいなどの親族がいる場合は、書類の前に話し合いが要ります。

Q. 遺骨の行き先が決まっていなくても、改葬許可は受けられますか?

A. 申請書には改葬の場所を書く欄があり(施行規則第2条第1項第6号)、総務省の資料にある一般的な手続きの図でも、改葬先の決定と受け入れの許可証を先に入手してから申請する順番になっています。行き先を決めるのが最初です。

Q. 補助金は、どの自治体でも出ますか?

A. 出ない自治体のほうが多いと考えてください。確認できた範囲では、神戸市と四條畷市は「ない」と公式に回答しています。出る自治体でも、その自治体が運営する墓地を返す人が対象になっている例が見つかりました。お墓のある自治体の墓地担当課に、民間の霊園や寺院の墓地も対象になるかを電話で聞くのが確実です。

参考・出典