本記事はアフィリエイト広告(PR)を含みます。国税庁・学会・自治体の情報は2026年10月3日に公式サイトで確認したものです。最新の内容は各公式サイトをご確認ください。
補聴器の購入費は、診療情報提供書があれば医療費控除の対象になる。集音器は対象になりません
国税庁は、医師による診療や治療のために直接必要な補聴器の購入費を、医療費控除の対象としています。その「直接必要」を、耳鼻咽喉科学会が認定した補聴器相談医が診療情報提供書で証明していれば、対象になるという整理です。集音器は医療機器の補聴器とは別のもので、この扱いの対象ではありません。順番は、買う前に耳鼻咽喉科を受診することです。
私の場合は、医療費控除に入れられるのか
買うものと、受診の有無で分かれます。
| あなたの場合 | 医療費控除 | 先にやること |
|---|---|---|
| 耳鼻咽喉科で補聴器が必要と言われた | 診療情報提供書があれば対象 | 補聴器相談医に診療情報提供書を書いてもらう |
| 補聴器を買いたいが、受診はまだ | 受診で「直接必要」と証明されるかによる | 買う前に、補聴器相談医を受診する |
| 集音器を買いたい | 対象にならない | 受診は先に済ませる |
控除の金額の計算は、医療費控除計算機に任せています。後期高齢者医療保険の自己負担は後期高齢者医療保険料の一覧から確かめられます。
補聴器と集音器は、何が違うのか
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、補聴器販売の基本方針で、補聴器を「難聴によるコミュニケーション障害の補完を目的とする医療機器であり、耳鼻咽喉科医の診断のもとに購入されるべき」ものと書いています。港区と杉並区の購入助成も、対象を「管理医療機器としての補聴器」に限っています。
集音器は、この医療機器の補聴器ではありません。集音器を販売するCearvolの公式サイトの質問欄にも、「補聴器が医療認証を取得した医療機器である点」が違いで、集音器は「一般電気扱いで認証が不要」と書かれています。
| 比べる点 | 補聴器 | 集音器 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 医療機器 | 医療機器ではない |
| 医療費控除 | 診療に直接必要と証明されれば対象 | 対象にならない |
| 自治体の助成 | 確認した3区は補聴器が対象 | 確認した3区は対象外(中央区は明記) |
国税庁は、どんな条件で補聴器を対象にしているのか
国税庁のNo.1122(医療費控除の対象となる医療費)は、「医師等による診療や治療を受けるために直接必要な、義手、義足、松葉杖、補聴器、義歯、眼鏡などの購入費用」を対象に挙げています。ただし、対象は「その病状などに応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額」です。
補聴器が「直接必要」かどうかの扱いは、厚生労働省の照会に国税庁が答えた情報(平成30年4月16日、個人課税課情報第3号)にあります。
- 補聴器が診療等のために直接必要かは、診療等を行っている医師の判断による、と書かれています。
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が認定した補聴器相談医が、「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」で補聴器が直接必要である旨を証明していれば、購入費は医療費控除の対象になります。
- 対象になるのは、一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額です。
補聴器相談医は、一定の講習を修了した耳鼻咽喉科専門医に、学会の理事長が委嘱する資格です。学会は、勤務先の公開に同意した補聴器相談医の名簿を出しています。杉並区は、名簿に載っていない補聴器相談医を受診しても問題ないと案内しています。
申告では、何を手元に残すのか
国税庁のNo.1120によると、医療費控除の申告は、医療費の領収書から「医療費控除の明細書」を作って確定申告書に添付します。領収書そのものは、確定申告期限等から5年を経過する日までの間、提示または提出を求められる場合があります。
金額は、実際に払った医療費の合計から、保険金などで補てんされる金額を引き、さらに10万円(その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5パーセント)を引いた額です。
- 補聴器の領収書:5年を経過する日まで手元に置きます。
- 診療情報提供書:国税庁の案内に保存期間は書かれていません。補聴器が直接必要と証明するものなので、領収書と同じ期間、残しておくと確かめられます。
購入費の助成は、自治体から出るのか
確認できたのは東京都の3区です。全国でどれだけの自治体が行っているかは、国や学会の資料で確かめられていません。お住まいの自治体の高齢者福祉の窓口で、制度の有無を聞くのが確実です。
| 区 | 助成額の上限 | 主な条件 |
|---|---|---|
| 港区 | 144,900円(住民税課税は購入額の1/2、上限72,450円) | 60歳以上など。区指定の医療機関の補聴器相談医在籍の医師が必要と認めた人 |
| 杉並区 | 住民税非課税72,450円、課税36,230円 | 65歳以上。補聴器相談医が必要と認めた人。購入後の申請は対象外 |
| 中央区 | 住民税非課税72,000円、課税35,000円 | 65歳以上。耳鼻咽喉科の医師が必要と認めた人。集音器は対象外、申請前の購入は対象外 |
3区とも、聴覚障害による身体障害者手帳の交付を受けている人(杉並区は交付の対象となる人)は、この助成の対象から外れています。出典:港区「高齢者補聴器購入費助成事業」(2026年9月11日更新)、杉並区「高齢者補聴器購入費助成」(2026年8月31日更新)、中央区「補聴器購入費用助成」(いずれも2026年10月3日確認)
杉並区と中央区は、先に医師の診察を受けて、助成の申請をしてから買う順番です。この点は、医療費控除の診療情報提供書の順番とも重なります。
身体障害者手帳の対象になる聴力なら、どうなるのか
障害者総合支援法の補装具費支給制度では、補装具の種目に補聴器が入っています(厚生労働省)。申請先は市町村で、身体障害者更生相談所等の判定または意見をもとに市町村長が決定します。利用者負担は原則1割で、世帯の所得に応じた月額の上限があります。
身体障害者手帳の聴覚障害の等級は、聴力レベルで決まります。厚生労働省の等級表では、6級が「両耳の聴力レベルが70デシベル以上のもの」などです。自分の聴力が手帳の対象になるかは、指定医の診断と、お住まいの市区町村の障害福祉の窓口で分かります。前の章の自治体の助成は、手帳の対象になる人を外していたので、手帳の対象になるかどうかで、窓口が分かれます。
受診より先に、集音器から試してもよいのか
集音器を販売する側の説明でも、対象は低度〜中等度の聞こえにくさとされ、不安があるときはまず医療機関に相談してから選ぶよう案内されています。学会の基本方針は、補聴器を耳鼻咽喉科医の診断のもとに買うことを求めています。
学会は、補聴器使用者の大多数を占める老人性難聴などの感音性難聴について、「どのような補聴器を使用しても完全に補うことは出来ません」とも書いています。医療機器の補聴器でそう書かれているので、集音器に期待しすぎないことも大切です。
集音器を選ぶなら、耳鼻咽喉科で聴力を調べたあとの方が、補聴器が必要かどうかを知ったうえで決められます。購入費は医療費控除の対象にならないので、その分は自己負担で見ておいてください。
次の一手
次の順で進めると、医療費控除と助成の両方を取りこぼしにくくなります。
- お住まいの自治体の助成を調べる:高齢者福祉の窓口で、補聴器の購入費助成があるかを聞きます。杉並区や中央区のように、申請してから買う制度があるので、買う前に。
- 補聴器相談医を受診する:学会の名簿か、自治体の案内で探します。診療情報提供書は、このときに書いてもらいます。
- 領収書と診療情報提供書を残す:確定申告のときに、医療費控除計算機で控除の目安を確かめます。
補聴器が必要と言われなかった場合や、軽度の聞こえにくさを補いたい場合は、集音器という選択肢もあります。ただし、購入費は医療費控除の対象になりません。
よくある質問
Q. 補聴器を買ったあとに診療情報提供書をもらっても、医療費控除に使えますか?
A. 国税庁の情報は、補聴器相談医が診療情報提供書で「診療等のために直接必要である旨を証明している場合」としており、購入の前か後かは書いていません。ただし、学会の基本方針は「耳鼻咽喉科医の診断のもとに購入されるべき」とし、杉並区と中央区の助成は購入後の申請を対象外にしています。買う前に受診して、診療情報提供書をもらう順番にするのが確実です。
Q. 集音器の代金を、医療費控除に入れて申告してよいですか?
A. 国税庁の案内(No.1122と平成30年の情報)が対象にしているのは、医師等による診療や治療を受けるために直接必要な補聴器です。集音器は医療機器ではなく、この条件に当てはまらないため、当サイトでは対象にならないものとして書いています。個別の判断に迷うときは、税務署か国税局の電話相談センターに聞いてください。
Q. 離れて暮らす親の補聴器代を、自分の医療費控除に入れられますか?
A. 国税庁のNo.1120では、対象は「自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費」です。親と生計を一にしているかどうかで変わります。仕送りで暮らす別世帯の親の場合など、判断に迷うときは税務署に確認してください。
参考・出典
- 国税庁 No.1122 医療費控除の対象となる医療費(2026年10月3日確認)
- 国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)(2026年10月3日確認)
- 国税庁「補聴器の購入費用に係る医療費控除の取扱いについて(情報)」(平成30年4月16日、2026年10月3日確認)
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「補聴器相談医の役割」(2026年10月3日確認)
- 同「診療情報提供書」・「補聴器相談医名簿」(2026年10月3日確認)
- 厚生労働省「補装具費支給制度」・身体障害者障害程度等級表(PDF)(2026年10月3日確認)
- Cearvol 公式サイトの案内・質問欄(2026年10月3日に内容を確認)