付加年金とは|月400円で年金が「200円×納付月数」増える・入れる人・元が取れる年数・申し込み【令和8年度】
付加年金は、国民年金の保険料に月400円を上乗せして納めると、将来の老齢基礎年金に年額で「200円×納付した月数」が加算される制度です。日本年金機構は、2年以上受け取ると納付した付加保険料以上の年金を受け取れるとしています。入れるのは自営業・フリーランスなどの第1号被保険者と、65歳未満の任意加入の方で、会社員は対象外です。
付加年金に入れる人・入れない人
付加保険料を納められるのは、国民年金の第1号被保険者と65歳未満の任意加入被保険者です(日本年金機構)。法律でも、付加保険料を納める者になれるのは第1号被保険者とされ、保険料の免除を受けている人と国民年金基金の加入員は除かれています(国民年金法第87条の2第1項)。あなたの状況に近い行を見てください。
| あなたの状況 | 付加年金に入れるか | 根拠 |
|---|---|---|
| 自営業・フリーランス・無職などで国民年金保険料を納めている(第1号被保険者) | 入れる | 国民年金法第87条の2第1項・日本年金機構 |
| 60歳以上65歳未満で国民年金に任意加入している | 入れる | 日本年金機構(65歳未満の任意加入被保険者) |
| 厚生年金に入っている会社員・公務員 | 入れない | 同条は第1号被保険者が対象 |
| 会社員などの扶養に入る配偶者(第3号被保険者) | 入れない | 同条は第1号被保険者が対象 |
| 保険料の免除・納付猶予・学生納付特例を受けている月 | 入れない(産前産後免除の月は入れる) | 同条第1項・日本年金機構 |
| 国民年金基金に加入している | 入れない | 同条第1項・第4項 |
| iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入している | 入れる。ただし拠出限度額に注意 | 日本年金機構 |
| 農業者年金の被保険者 | 付加保険料の納付が必要 | 日本年金機構 |
会社員でも、会社を辞めて自営業になったり、国民年金だけの働き方になったりして第1号被保険者になれば、その時点から申し出ることができます。60歳以降に任意加入する場合の要件は国民年金の任意加入の記事にまとめています。
付加年金のしくみ:年金はいくら増える?
- 払うお金:国民年金保険料(令和8年度は月17,920円)に加えて、月400円の付加保険料を納めます。月々の支払いは17,920円+400円=18,320円です。
- 増える年金:付加年金の額は、200円に付加保険料を納めた月数をかけた額(年額)です(国民年金法第44条)。120か月なら24,000円、480か月(40年)なら96,000円です。
- いつから受け取るか:付加保険料を納めた人が老齢基礎年金の受給権を得たときに、老齢基礎年金に上乗せして支給されます(同法第43条)。
- 元が取れる年数:日本年金機構は「2年以上受け取ると、納付した付加保険料以上の年金を受け取れる」としています。納めた額が400円×月数、毎年の増額が200円×月数なので、何か月納めても元が取れるまでの年数は2年で変わりません。
日本年金機構が示す例は、20歳から60歳までの40年間、付加保険料を納めた場合です。付加年金額は200円×480月=96,000円(年額)で、令和8年度の定額保険料を40年納めた老齢基礎年金額847,300円(昭和31年4月2日以後生まれの方の場合)に加わり、847,300円+96,000円=943,300円(年額)になります。
付加年金の額は条文で「200円×月数」と決まっています。財政の調整期間に年金額を調整する規定(国民年金法第16条の2)も、対象は「年金たる給付(付加年金を除く。)」とされています。
10年納めた場合の試算:元が取れる年数
前提は次のとおりです。付加保険料を10年間(120か月)納め、65歳から付加年金を受け取るとします。付加保険料は月400円で計算し、税や物価の変化は考えません。計算は当サイト試算です。
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 納める付加保険料の合計 | 400円×120か月 | 48,000円 |
| 増える年金(年額) | 200円×120月 | 24,000円(月2,000円) |
| 元が取れるまで | 48,000円÷24,000円 | 2年(67歳ごろ) |
| 85歳まで20年受け取った場合の累計 | 24,000円×20年 | 480,000円(納めた額との差432,000円) |
当サイト試算。条文(国民年金法第44条)と日本年金機構の「200円×納付月数」「2年以上受け取ると納付した付加保険料以上」から計算しています。受け取る期間が2年に満たなければ、納めた額を下回ります。
得になるかどうかは、65歳以降に何年受け取るかで決まります。受け取り始める時期を変える場合は年金の繰り上げ・繰り下げはどっちが得かも見てください。
申し込みの手続き・納め方・やめ方
- 申し込み:国民年金被保険者関係届書(申出書)を、市(区)役所・町村役場、または年金事務所に出します。電子申請もできます。
- いつから:申し出をした日の属する月分からです。さかのぼって納めることはできません。
- 納め方:納付書払いは付加保険料込みの納付書で、口座振替は付加保険料込みの金額が引き落とされます。口座振替は、申出後1〜2か月は付加保険料の納付書で納めることがあります(日本年金機構「付加年金制度のお知らせ」)。
- 納付期限:納付対象月の翌月末日です。期限を過ぎても、期限から2年間は納められます。
- やめるとき:同じ申出書で手続きします。申出を行った月の前月から、付加保険料を納める人でなくなります。
付加保険料の前納額(令和8年度・口座振替)
| 前納の期間 | 1回あたりの納付額 | 毎月納付との差 |
|---|---|---|
| 2年前納 | 9,220円 | 380円安い |
| 1年前納 | 4,700円 | 100円安い |
| 6カ月前納 | 2,370円 | 30円安い |
出典:日本年金機構「国民年金保険料の前納」(更新2026年9月4日)の付加保険料の欄。納付書払い・クレジットカード払いは2年前納9,250円、1年前納4,710円、6カ月前納2,380円です。
繰り上げ繰り下げ・国民年金基金・iDeCoとの関係
- 繰り下げ・繰り上げ:付加年金も、老齢基礎年金と同じように、繰り下げれば政令で定める額が加算され(国民年金法第46条)、繰り上げれば同様に減額されます(同法附則第9条の2第6項)。増える率と損益分岐は年金の繰り上げ・繰り下げはどっちが得かを見てください。
- 国民年金基金:加入員は付加保険料を納められません。付加保険料を納めている人が基金に加入すると、加入日にやめる申出をしたものとみなされます(同法第87条の2第4項)。
- iDeCo:同時に加入できます。ただし拠出限度額があり、金額によっては付加保険料と併用できない場合があるため、加入した金融機関(運営管理機関)に確認します(日本年金機構)。
- 支給の停止と消滅:老齢基礎年金が全額支給停止の間は付加年金も止まります(同法第47条)。受給権者が亡くなると消滅します(同法第48条)。
- 任意加入:60歳以降に任意加入して満額に近づける方法は国民年金の任意加入とはを見てください。
よくある質問
Q. 会社員でも付加年金に入れますか?
A. 入れません。付加保険料を納められるのは、国民年金の第1号被保険者と、65歳未満の任意加入被保険者です(日本年金機構、国民年金法第87条の2第1項)。厚生年金に入っている会社員や、その扶養に入る配偶者(第3号被保険者)は対象になりません。会社を辞めて国民年金の第1号被保険者になった場合は、その時点から申し出ることができます。
Q. 申し込んだ月より前にさかのぼって納められますか?
A. さかのぼれません。付加保険料の納付は、申し出をした日の属する月分から始まります。郵送で提出した場合は、提出先が申出書を受け付けた日の属する月分からです(日本年金機構)。例えば令和8年4月中に申し出れば4月分から納められ、3月分以前には納められません。
Q. 付加保険料を納め忘れた月はどうなりますか?
A. 付加保険料の納付期限は納付対象月の翌月末日で、期限を過ぎても期限から2年間は納められます(日本年金機構)。ただし、付加保険料は定額の国民年金保険料を納めた月についてだけ納められる、と法律に定められています(国民年金法第87条の2第2項)。
Q. 途中でやめることはできますか?
A. いつでもやめられます(国民年金法第87条の2第3項)。国民年金被保険者関係届書(申出書)を提出し、申出を行った月の前月から付加保険料を納付する方でなくなります(日本年金機構)。国民年金基金に加入したときは、その加入日にやめる申出をしたものとみなされます(同条第4項)。
Q. 付加年金も、繰り上げたり繰り下げたりできますか?
A. 条文上、繰り下げの申出をしたときは、付加年金の支給も申出の翌月から始まり、老齢基礎年金と同じく政令で定める額が加算されます(国民年金法第46条)。繰り上げのときも、付加年金の額は老齢基礎年金と同様に政令で定める額を減じた額になります(同法附則第9条の2第6項)。率は老齢基礎年金の繰上げ・繰下げの案内で確認してください。
Q. 付加年金は所得税の対象になりますか?
A. 国民年金法第25条は、給付として受ける金銭には租税その他の公課を課さないと定めていますが、老齢基礎年金と付加年金はこの例外になっています。実際の税額は他の収入や控除で変わるため、確定申告や年金の源泉徴収は国税庁か税務署の案内で確認してください。
Q. 付加保険料は社会保険料控除の対象になりますか?
A. 日本年金機構の保険料の案内には「納付した国民年金保険料は、所得税や個人住民税の計算上、全額、社会保険料控除の対象となります」とありますが、付加保険料が含まれるかは、今回確認した案内に書かれていません。控除証明書に付加保険料が含まれているかは、証明書の記載か年金事務所で確認してください。