ねんきん定期便の見方|毎月いくらもらえる?50歳以上・未満の違い【令和8年度】

ねんきん定期便の年金額は年額で書かれています。12で割ると、毎月の年金額(税金や保険料を引く前)の目安です。ただし、載っている額の意味は年齢で違います。50歳未満は「これまでの加入実績に応じた年金額」(今の時点までの実績だけで計算した額)、50歳以上は「老齢年金の種類と見込額」(60歳まで同じ条件で加入し続けた場合の見込額)です。将来の年金と家計を考える会社員の方に向けて、日本年金機構とe-Govの原文で、欄ごとの見方を整理しました。

あなたの定期便は、どれ?

ねんきん定期便は毎年、誕生月に届きます。形式と載っている年金額は、年齢で次のように分かれます(日本年金機構の「大切なお知らせ、『ねんきん定期便』をお届けしています」)。

あなたの年齢形式載っている年金額
50歳未満(35歳・45歳以外)ハガキこれまでの加入実績に応じた年金額
50歳以上(59歳以外)ハガキ老齢年金の種類と見込額
35歳・45歳封書これまでの加入実績に応じた年金額。年金加入履歴と、月別状況(全期間)も付く
59歳封書老齢年金の種類と見込額。年金加入履歴と、月別状況(全期間)も付く

出典:日本年金機構「大切なお知らせ、『ねんきん定期便』をお届けしています」。年金を受け取っている方で、直近1年間に被保険者期間がある場合は、受給者用のハガキが届きます。ハガキの月別状況は直近13月分、封書は全期間です。

  • 50歳未満の方:載っている額は「今の時点までの実績だけで計算した額」です。今後も保険料を納めると増えていきます。
  • 50歳以上の方:載っている額は、現在加入している年金制度に60歳まで同じ条件で加入し続けたと仮定した見込額です(60歳以上65歳未満の方は、定期便の作成時点の加入実績で計算した、65歳から受け取る見込額)。
  • 35歳・45歳・59歳の方:ねんきんネットで郵送を不要と登録していても、封書が届きます。

毎月いくらもらえる?年額÷12の読み方

定期便の年金額は年額です。月々の目安は、年額を12で割ると出ます。

年額 180万円 ÷ 12か月 = 月額 15万円(税金・保険料を引く前)

上の数字は計算のしかたを示す例です(当サイト試算)。ご自身の額は、定期便の「年金額(年額)」の欄で確認してください。

  • 手取りとは違います:この月額は、所得税・住民税や国民健康保険料・介護保険料などを引く前の額です。引かれた後の目安は年金の手取り計算機で確認できます。
  • 50歳未満は、将来の月額そのものではありません:今の時点までの実績で計算した額なので、これを12で割っても「65歳から毎月もらえる額」にはなりません。60歳まで加入し続けると増えます。
  • 50歳以上は、仮定つきの見込額です:60歳まで同じ条件で加入した場合の額です。転職や退職、収入の変化で実際の額は変わります。
  • 老齢基礎年金の満額との比較:令和8年度の老齢基礎年金(満額)は、昭和31年4月2日以後生まれの方で月70,608円です(日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」)。国民年金だけの方の月額換算の目安になります。
  • 見込額は昨年より下がることもあります:過去の記録を訂正した場合や、年金給付水準が変わった場合です(見方ガイド)。

定期便の根拠は法律にあります。国民年金法第14条の5と厚生年金保険法第31条の2は、制度への理解と信頼のため、被保険者に保険料納付の実績と将来の給付に関する必要な情報を、分かりやすい形で通知すると定めています。

欄ごとの見方:何が書いてあって、どこを見るか

定期便の主な欄は次のとおりです。欄の番号やレイアウトは年齢別の様式で違うため、見方ガイドの欄名で探してください。

欄何が書いてあるか見るポイント
これまでの保険料納付額(累計額)国民年金は加入当時の保険料、厚生年金は加入当時の報酬に保険料率をかけた本人負担分会社が払う半分は含まれません。給与明細の保険料と照らし合わせられます
これまでの年金加入期間国民年金(第1号・第3号)と厚生年金保険の月数、合算対象期間老齢年金は原則120月以上の受給資格期間が必要です。月数にもれがないか確認します
年金額(年額)50歳未満は加入実績に応じた額、50歳以上は老齢年金の種類と見込額12で割ると月額の目安。税金・保険料を引く前の額です
月別状況標準報酬月額・標準賞与額・保険料納付額、国民年金の納付状況(納付済・未納・免除など)「未納」「確認中」の月がないか。給与の実態と標準報酬月額が合うか
年金加入履歴(封書のみ)これまで加入した制度や勤め先の履歴勤めた会社や期間のもれ・誤りがないか
お客様のアクセスキーねんきんネットの利用登録に使う17桁の番号封書では、有効期限はデータ作成日から5か月後の月末までです

出典:日本年金機構「『ねんきん定期便』の様式(サンプル)と見方ガイド(令和8年度送付分)」。

  • 保険料納付額は「軽減前の額」のことがあります:短時間労働者で、令和8年10月に始まった保険料調整制度により負担が軽減されている場合、定期便には軽減される前の額が書かれています。
  • 育児休業中の月:事業主の届出で保険料が免除されている月は、保険料納付額が「0」と表示されます(厚生年金の場合)。
  • 年金額が表示されていないとき:受給資格期間が120月に満たない、同じ月に重複する加入記録があるなどが考えられます。年金事務所に問い合わせてください。
  • 公務員・私学の期間:共済組合の記録は、加入者番号で各共済組合に問い合わせます。

繰り上げ・繰り下げでいくら変わるかは繰り上げ・繰り下げの損益分岐点の記事、年金が少ない方への上乗せは年金生活者支援給付金の記事にまとめています。

遅らせると増える額(70歳42%・75歳84%)

定期便には「年金の受給開始時期は60歳から75歳まで選択できます。70歳を選択した場合は65歳と比べて42%増額、75歳を選択した場合は84%増額(最大)」と書かれています。増額率は0.7%×(65歳に達した月から、繰下げを申し出る月の前月までの月数)で、増えた分は一生続きます(日本年金機構)。

受け取り開始増額率年額180万円の場合(当サイト試算)
66歳8.4%年195.1万円(月約16.3万円)
68歳25.2%年225.4万円(月約18.8万円)
70歳42.0%年255.6万円(月約21.3万円)
75歳84.0%年331.2万円(月約27.6万円)

出典:日本年金機構「年金の繰下げ受給」の繰下げ増額率早見表。右の列は、定期便の年額が180万円で、その全額が増額の対象になる場合の計算例です。

  • 増額の対象外になる部分があります:65歳以後も厚生年金に加入して働き、在職老齢年金で支給停止される額は、増額の対象になりません。
  • 繰り下げできないことがあります:障害年金や遺族年金を受け取る権利があるときです。
  • 昭和27年4月1日以前生まれの方:繰下げの上限は70歳で、増額率は最大42%です。
  • 繰下げの申出は、国民年金法第28条と厚生年金保険法第44条の3が定めています。

遅らせた場合の総額の比較は繰り上げ・繰り下げ比較ツールで試算できます。

記録の「もれ」「誤り」と、届かないとき

  • 記録にもれや誤りがあるとき:「年金加入記録回答票」に必要事項を書いて、同封の返信用封筒で返送するか、お近くの年金事務所に出します。35歳・45歳・59歳の封書には、回答票と返信用封筒が同封されています。
  • 届かない・内容が分からないとき:「ねんきん定期便・ねんきんネット専用番号」(0570-058-555)か、年金事務所に問い合わせます。照会番号を伝えます。
  • 紙ではなく画面で見たいとき:ねんきんネットに登録すると、電子版の定期便(PDF)をダウンロードできます。登録は、マイナポータルとの連携か、ユーザIDの取得で行います。
  • 将来の年金額をもう少し詳しく試算したいとき:定期便の二次元コードから、厚生労働省の「公的年金シミュレーター」で簡易試算ができます。

よくある質問

Q. ねんきん定期便の金額は、毎月の手取りですか?

A. いいえ。定期便の年金額は年額で、税金や社会保険料を引く前の金額です。12で割ると月額の目安になりますが、実際に振り込まれる額は、所得税・住民税、国民健康保険料(または後期高齢者医療保険料)、介護保険料などが引かれた後になります。手取りは年金の手取り計算機で目安を確認できます。

Q. 50歳未満の定期便の年金額が少ないのは、なぜですか?

A. 日本年金機構の見方ガイドによると、50歳未満の方に載っているのは「これまでの加入実績に応じた年金額」で、今の時点までの加入実績だけで計算した額です。60歳まで加入し続けた場合の見込額ではないため、今後も保険料を納めていくと増えていきます。同じ見方ガイドには、保険料を納めていないと増えないこと、過去の記録を訂正したり年金給付水準が変わったりして前年より下がる場合もあることも書かれています。

Q. 60歳以上の定期便に載っている金額は、いつから受け取る額ですか?

A. 日本年金機構の見方ガイドでは、60歳以上65歳未満の方は、定期便の作成時点の加入実績に応じて、65歳から受け取れる年金の見込額を表示するとされています。65歳以上の方の「老齢年金の種類と見込額」は、65歳時点の加入実績に基づいて計算されています。

Q. 「ねんきんネット」で郵送を止めていても、定期便は届きますか?

A. 35歳・45歳・59歳の方には、ねんきんネットで郵送を不要と登録していても、封書の定期便が送られます(日本年金機構の様式サンプル)。それ以外の年齢の方は、ねんきんネットで郵送停止を登録すると、電子版(PDF)で確認する形になります。

Q. 定期便が届かないときや、内容が分からないときは、どこに聞けばいいですか?

A. 日本年金機構の「ねんきん定期便・ねんきんネット専用番号」(0570-058-555、050から始まる電話からは03-6700-1144)か、お近くの年金事務所に問い合わせます。問い合わせのときは、定期便に載っている照会番号を伝えます。公務員や私立学校の教職員だった期間の記録は、各共済組合にも問い合わせられます。

参考・出典