本記事はアフィリエイト広告(PR)を含みます。掲載しているサービスの情報は2026年9月4日時点で公式サイトから確認したものです。最新の内容は各公式サイトをご確認ください。
「まだ早い」と思っているうちにしか、家族信託は契約できない
親の財産管理の方法はいくつもありますが、そのうち家族信託だけは、始められる時期が過去に向かって閉じていきます。親に判断能力があるあいだにしか契約できないからです。この記事は、介護保険料を調べに来た方に向けて、家族信託が選択肢になるのはどんな場合か、費用はいくらか、相談を申し込むと何が起きるかを、公表されている情報だけで整理します。
介護保険料を調べているということは、お金の話がもう始まっている
親が住んでいる市区町村の介護保険料を調べたということは、親の生活費とお金の話が、あなたの中でもう始まっているということです。65歳以上が納める第1号保険料は市区町村(保険者)ごとに決まっていて、当サイトが集計した第9期(2024〜2026年度)の基準額は、最も高い大阪府大阪市の月額9,249円から、最も低い東京都小笠原村の3,374円まで、月5,875円の開きがあります。全国の加重平均は6,225円です。一定額以上の年金を受け取っている人は、この保険料が原則として年金から差し引かれます。
ここで一度、別の質問を置きます。その保険料を払っている親の口座から、あなたがお金を引き出す必要が出たとき、あなたはそれをできますか。
おそらくあなたは、親の預金がいくらあるかを正確には知りません。聞いてはいけない気がして、まだ聞けていないからです。介護保険料を市区町村単位で調べているのに、肝心の残高は知らない。この順番になるのは、あなただけではありません。数字は調べられても、通帳の話は切り出しにくいからです。
この記事で扱うのは、その切り出しにくい話を、いつまでに済ませておく必要があるのか、という一点です。
判断能力が下がった後にできなくなること
本人の判断能力が低下したことを金融機関が把握すると、預金の払い戻しや定期預金の解約などの手続きが進められなくなる場合があります。よく「口座が凍結される」と言われますが、これは差押えのような法的な処分ではなく、本人の意思確認が取れないために金融機関が手続きを進められない、という実務上の対応です。全国銀行協会が公表している考え方でも、預金の払い出しには本人の意思確認が必要で、家族であっても本人の預金を払い出すことはできないと整理されています。詳しくは親の預金が下ろせなくなるときで説明しています。
できなくなる可能性があるのは、預金の引き出しだけではありません。
- 定期預金の解約:まとまった入院費や入居一時金が必要になったときに動かせない場合があります。
- 自宅の売却:施設の費用を実家の売却で作るつもりだった、という計画がそのまま止まることがあります。
- 自宅のリフォームや修繕の契約:手すりの設置や段差の解消など、住み続けるための工事も契約行為です。
- 保険や証券の解約:本人名義の金融商品も同じ扱いになります。
この期限には日付が書いていない
家族信託は、親に判断能力があるあいだにしか契約できません。つまり期限はありますが、その期限に日付がありません。今日は契約できます。来年もできるかもしれません。ただし、できなくなる日がいつ来るかは誰にも分かりませんし、その日が来たことは、たいてい後から分かります。「まだ元気だから、まだ早い」と感じている状態こそが、契約できる唯一の時期です。
家族信託を扱う「おやとこ」の公式サイトには、高齢者の8人に1人が認知症であるという記載があります(内閣府「令和7年高齢社会白書」をもとに同社にて作成、との注記付き)。8人に1人という数字は、あなたの親が該当するかどうかを言い当てるものではありません。ただ、備えを検討する家庭が特別ではない、ということは示しています。
親の財産管理には5つの選択肢がある
家族信託は5つのうちの1つでしかありません。まず全部を並べます。
| 選択肢 | いつ始められるか | 誰が決めるか | 費用の目安 |
|---|---|---|---|
| 何もしない | — | 本人 | 0円。ただし判断能力が下がった後は上のような制約を受けます |
| 生前贈与 | 本人に判断能力があるうち | 本人 | 贈与税・登録免許税などがかかる場合があります |
| 任意後見 | 本人に判断能力があるうち (効力が生じるのは判断能力が下がった後) | 本人が選んだ人 | 公正証書の作成費用と、開始後の後見監督人への報酬 |
| 法定後見 | 判断能力が下がった後でも可能 | 家庭裁判所 | 申立費用は約20万円、後見人への月額費用は2万円〜6万円と案内されています |
| 家族信託 | 本人に判断能力があるうちだけ | 本人と、託される家族 | 初期費用は信託財産の1%前後、継続サポートは月額数千円〜と案内されています |
費用の目安は、おやとこ公式サイト(trinity-tech.co.jp/oyatoko/ ・現在は kokorono.co.jp/oyatoko/ に移転)に掲載されている比較表の記載にもとづきます(2026年9月4日確認)。実際の金額は財産の内容や依頼先によって変わります。
「何もしない」を選択肢から外していないことに注目してください。親の財産が預貯金だけで、金額も大きくなく、いざというときは家族が立て替えられるのであれば、費用をかけない判断も十分に成り立ちます。判断が必要になるのは、動かせないと本当に困る財産があるかどうかです。その筆頭が自宅です。
法定後見と家族信託の違いは、成年後見制度と家族信託は何が違うかで、裁判所が公表している統計を使って詳しく比較しています。判断能力が下がってから使えるのは法定後見だけで、家族信託には間に合わない、という点が決定的な違いです。
5つのうち家族信託が答えになるのはどの場合か
次の3つがすべてそろっているときに限ります。
- 親に判断能力がある:契約行為なので、ここが欠けると成立しません。
- 親名義の不動産があり、将来売る可能性がある:施設の費用を自宅の売却でまかなう可能性がある、空き家にして管理が難しくなりそう、といった見通しがある場合です。
- 財産の管理を託せる家族がいる:託される側(受託者)になる人が必要です。多くは子です。
1つでも欠けるなら、前の章の別の選択肢のほうが合っています。とくに親の財産が預貯金だけで不動産がない場合、家族信託の費用に見合わないことがあります。逆に、自宅があって、そこを売る可能性が現実にあるなら、判断能力が下がった後では売れなくなる可能性があるという一点だけで、検討する価値があります。
無料相談を申し込むと、そのあと何が起きるか
ここが、たいていの解説記事に書かれていない部分です。申し込むのをためらう理由は、たいてい「そのあと何が起きるか分からない」ことなので、公式サイトに書かれている範囲で順に並べます。
1. 申し込みは、フォームから
公式サイトの申し込みフォームから連絡先などを送ります。入力項目の内訳はフォーム画面で確認してください。ここでは項目数を推測して書きません。電話での相談窓口も案内されていますが、当サイト経由での申し込みを希望される場合はフォームからお進みください。
2. 相談の場所と時間は選べる
公式サイトには、全国どこでも自宅への訪問・来社・オンラインなどで柔軟に対応する、と記載されています。オンラインについては、テレビ会議による面談も多数利用されているとあります。よくある質問には、平日や日中は仕事で忙しい人のために夜間や土日の相談も受けているとの記載もあります。遠方の実家に帰省する日程に合わせる必要はありません。
3. 相談の場では、家族信託をすべきかどうかから話す
公式サイトのよくある質問には、相談者と家族の状況を聞いたうえで、そもそも家族信託が必要なのか、どのような信託を組むのが最適か、他の制度は使えないか、費用がどれくらいかかるかについて説明する、と書かれています。初回の相談は無料で、状況に応じて2回目以降の相談も無料で受けるとの記載があります(遠方などエリアによっては日当を申し受ける場合があるとの注記があります)。
4. 持っていくとよいもの
公式が持ち物を指定しているわけではありませんが、話が進みやすいのは次の3つです。親の自宅の所在地が分かるもの(固定資産税の納税通知書があれば十分です)、親の口座がある金融機関の名前、家族構成のメモ。信託する財産の金額から初期費用が算定されるため、財産のおおよその規模が分かると見積もりが具体的になります。
5. 兄弟がいるなら、最初から同席してもらってよい
公式のよくある質問には、家族での参加を歓迎する旨と、兄弟や両親と一緒に参加する人も多いとの記載があります。利用の流れにも、家族信託には家族の同意が必要で、専門家から家族に説明することもできる、という段階が含まれています。財産の話は、後から共有するほど揉めます。「勝手に進めた」と言われるのを避けたいなら、最初の相談から同席してもらうのが最も簡単な方法です。
6. 費用が発生するのはどこからか
公式サイトには「相談料・着手金はいただきません」と記載されています。費用が発生するのは、信託契約の組成を依頼したあとです。公表されている料金は次のとおりです。
| 費目 | 金額 | 内容 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 231,000円(税込)〜 | 家族信託の組成サポート費用。信託する財産の金額をもとに算定され、1億円までは1.1%と記載されています |
| 月額費用 | 2,728円(税込)〜 | 契約締結後の継続サポート。運用方法や不動産の処分などを相談できるとされています |
| 別途かかるもの | — | 契約書の作成は弁護士、登記は司法書士が担当するため、それぞれ別途費用が発生すると記載されています。信託契約の作成方法や面談方法、信託財産の内容によってはオプション価格が必要になる場合があるとされ、無料相談時に見積もりを算出すると案内されています |
出典:おやとこ公式サイト(2026年9月4日に確認)。金額は変更される場合があるため、申し込み前に公式サイトでご確認ください。
7. 断りたくなったとき
公式サイトには「相談だけでもOKです」と明記されています。見積もりを見て高いと感じたら、その場で契約しなければよいだけです。相談したうえで「うちは家族信託を使わない」という結論になってもかまいません。むしろ、5つの選択肢のどれが自分の家に合うかを確かめるために相談する、という使い方のほうが実態に近い場面もあります。
ここまで読んで、自分の家に当てはまりそうだと感じた場合の相談先を置いておきます。
向いている人・向かない人
この案件には、問い合わせても対応の対象にならない相談があります。隠さずに書きます。
| 向いている人 | 向かない人 |
|---|---|
| 親に判断能力があるうちに備えたい | 親がすでに判断能力を失っている(家族信託は契約できません) |
| 親が自宅や収益物件を持っている | 親の財産が少額の預貯金だけで、費用に見合わない |
| 将来その不動産を売る可能性がある | 相談したいのが成年後見・相続・投資信託など、家族信託以外のこと |
| 財産の管理を託せる家族がいる | 管理を託せる家族がいない |
| 初期20万円台・月額数千円の負担を許容できる | 費用をかけずに済ませたい |
右の列に当てはまった方のために、行き先を書いておきます。
- 親がすでに判断能力を失っている場合:家族信託は使えません。この場合に使えるのは法定後見で、家庭裁判所への申立てが窓口になります。手続きの期間や費用は成年後見制度と家族信託は何が違うかにまとめています。
- すでに相続が起きていて、その手続きで困っている場合:家族信託は生前の備えなので対象が違います。相続手続きを専門家に頼む費用の目安をご覧ください。
- まず費用の全体像を知りたい場合:介護費用シミュレーターで、これから毎月かかる金額の規模を先に把握できます。
なぜ相談は無料なのか
公式サイトには「相談料・着手金はいただきません」とあり、費用が発生するのは信託契約の組成を依頼したあとだと説明されています。相談の段階で費用を取らず、依頼を受けたときの組成サポート費用と、契約後の月額費用で成り立つ構造です。無料であることに裏があるかを気にする方が多いので、費用が発生する地点がどこかを先に確認しておくと落ち着いて話せます。
あわせて、当サイトについても書いておきます。当サイトは、この記事に掲載しているリンク経由での問い合わせによって、広告主から報酬を受け取っています。そのうえで、この記事では家族信託を唯一の正解として書かないこと、費用と対象外の相談を隠さないことを守っています。読者が申し込んでも対応の対象にならない相談を送ることは、読者にとっても広告主にとっても損になるためです。
次の一手
相談を申し込む前に、紙を1枚用意して、次の3つを書き出してください。
- 親の自宅の所在地(固定資産税の納税通知書に書いてあります)
- 親の口座がある金融機関の名前(支店名まで分からなくてもかまいません)
- 財産の管理を引き受けられる家族の名前
この3つが埋まっていれば、初回の相談で「うちの場合はどうするか」まで話が進みます。埋まらない欄があるなら、それを埋めること自体が相談の目的になります。とくに3つ目が埋まらない場合は、家族信託ではなく別の選択肢を検討することになるので、それが分かるだけでも一歩前に進みます。
申し込み先はこの記事の中ほどにある相談窓口の案内に置いています。
よくある質問
Q. 相談したら、家族信託を契約しなければいけませんか?
A. おやとこの公式サイトには「相談だけでもOKです」と記載されており、初回の相談は無料で受けられるとされています。相談の流れも、無料相談のあとに具体的な検討と見積もりが続く順番で説明されています。見積もりを見たうえで、家族信託は使わないという結論になってもかまいません。実際に費用が発生するのは、信託契約の組成を依頼したあとです。
Q. 兄弟も一緒に相談に参加できますか?
A. 公式サイトのよくある質問に「大歓迎です。ご兄弟様やご両親様など、ご家族で参加される方も多くいらっしゃいます」と記載されています。家族信託の契約にはご家族の同意が必要で、専門家から家族に説明することも可能だと利用の流れにも書かれています。財産の話は後から共有するほど揉めやすいため、最初から同席してもらうほうが進めやすい場面があります。
Q. 遠方に住んでいますが、対面でなくても相談できますか?
A. 公式サイトには全国どこでも対応するとあり、相談方法は自宅への訪問・来社・オンラインから選べると記載されています。オンラインについては、テレビ会議による面談も多数利用されているとの記載があります。ただし離島など地域によっては日当を申し受ける場合があるとの注記もあるため、詳細は申し込みの際に確認してください。
参考・出典
- 家族信託「おやとこ」公式サイト(2026年9月4日に内容を確認):trinity-tech.co.jp/oyatoko/(kokorono.co.jp/oyatoko/ へ移転)
- 厚生労働省「第9期介護保険事業計画期間における第1号保険料(保険者別)」をもとに当サイトが集計
- 全国銀行協会「金融取引の代理等に関する考え方」(本文の内容は別記事で詳述)