住宅ローン固定金利 vs 変動金利の選び方【2025年金利上昇局面での考え方】

住宅ローンの「固定金利か変動金利か」は、数千万円規模の借り入れに関わる重要な選択です。長年の超低金利時代に変動金利が主流となっていましたが、2024〜2025年の日銀利上げにより、状況は変わりつつあります。この記事では、両者の仕組みの違い・変動金利特有の5年ルールと125%ルール・利上げが返済額に与える影響・どちらを選ぶかの判断基準を、具体的な試算を交えながら解説します。

固定金利と変動金利の仕組みの違い

住宅ローンの金利は大きく「固定金利」と「変動金利」に分かれます。 2024年1月から新NISA制度がスタートし、住宅ローン控除との併用戦略を立てる会社員が増加しています。国土交通省の調査では、住宅ローンを利用した住宅取得は新築で約8割に上ります。

固定金利

借入時に決まった金利が、返済期間中ずっと変わりません。代表的なものにフラット35(住宅金融支援機構)があります。金利が高めに設定されますが、毎月の返済額が一定で資金計画が立てやすいのが利点です。

変動金利

市場金利(短期プライムレートなど)に連動して、通常半年に1回金利が見直されます。固定金利より金利水準が低い代わりに、将来の金利上昇リスクがあります。

固定期間選択型

3年・5年・10年などの一定期間だけ固定金利が適用され、期間終了後に金利を再選択するタイプです。固定と変動の中間的な性質を持ちます。

基準金利と適用金利の違い

銀行が公表する「基準金利(店頭金利)」と、実際に適用される「適用金利(優遇後)」は異なります。多くの銀行では基準金利から一定率を引き下げた優遇金利が適用されます。この優遇幅は借入時に決まり、変動金利であっても優遇幅は変わりません。

変動金利の「5年ルール・125%ルール」

変動金利の住宅ローンには、金利上昇による急激な返済額増加を緩和するための2つのルールがあります(銀行によって採用していない場合もあります)。

5年ルール

金利が変わっても、5年間は毎月の返済額を変えないというルールです。金利が上がった分は将来の返済に回されます。

125%ルール

5年ごとの返済額見直し時にも、前回の返済額の125%(1.25倍)を上限として、それ以上には増やさないというルールです。

「未払い利息」が発生する可能性

5年ルール・125%ルールで返済額が抑えられている間も、金利は上がっています。返済額が利息を下回る状態(逆ざや)が続くと「未払い利息」が元本に加算され、残債が増えるリスクがあります。これは特に長期・高金利の上昇局面で起こりやすい現象です。

日銀利上げが変動金利に与える影響

日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を解除し、同年7月・2025年にかけて段階的な利上げを実施しました。これにより、長期間据え置かれていた変動金利の基準金利が引き上げられ、既存の変動金利ローン利用者にも影響が及んでいます。

変動金利への影響の仕組み

変動金利は短期プライムレートに連動しています。日銀が政策金利を引き上げると、短期プライムレートも上昇し、変動金利の基準金利が引き上げられます。半年ごとの見直しで実際の適用金利に反映されます。

0.5%金利上昇で返済額はどう変わるか

借入3,000万円・返済期間35年の場合、変動金利が0.5%上昇すると毎月の返済額は概ね7,000〜9,000円程度増加します(金利・残債・残期間によって変動)。5年ルールがある場合でも、将来的な返済額増加は避けられません。

返済額の試算方法

住宅ローンの毎月返済額は元利均等返済の場合、以下の計算で求められます。

月返済額 = 借入額 × 月利 × (1+月利)^返済回数 ÷ ((1+月利)^返済回数 - 1)

※月利 = 年利 ÷ 12

例えば借入3,000万円・金利0.5%・35年返済の場合、月返済額は約7.8万円、同じ条件で金利1.5%では約9.2万円、金利2.0%では約9.9万円になります。

借り換えシミュレーションを試してみましょう

現在のローン条件と比較して、金利が変わった場合の返済額の変化を確認できます。

どちらを選ぶかの判断基準

固定・変動どちらが「正解」かは個人の状況によって異なります。以下の観点で検討してください。

変動金利が向いているケース

  • 返済期間が短い(10〜20年程度)
  • 繰り上げ返済の余力がある
  • 収入が安定しており、将来の返済額増加に対応できる貯蓄がある
  • 現在の金利差(固定と変動の差)が大きく、相応の金利上昇まで元が取れる

固定金利が向いているケース

  • 返済期間が長い(30〜35年)
  • 収入の変動リスクが高い(フリーランス・歩合給など)
  • 精神的な安心感を重視する
  • 現在の固定金利が歴史的に見て低水準にある

返済比率(返済負担率)を確認する

年収に対して年間返済額が占める割合(返済比率)は25%以内を目安にするのが一般的です。変動金利でローンを組む場合は、将来金利が2〜3%に上昇したケースでも返済比率が許容範囲内かシミュレーションしておくことが重要です。

ミックスローンという選択肢

同じ物件の購入資金を「固定金利部分」と「変動金利部分」に分けて借り入れるミックスローンという手法があります。

ミックスローンのメリット

  • 金利リスクを分散できる(変動の上昇リスクを固定でヘッジ)
  • 固定1本よりトータルの金利コストを抑えられる可能性がある
  • 生活防衛上のリスク許容度に応じて比率を調整できる

ミックスローンのデメリット

  • 繰り上げ返済の手続きが2本分になり、管理が複雑
  • 金融機関によっては対応していない

例えば3,000万円の借入であれば、1,500万円を固定・1,500万円を変動にするといった組み合わせで、金利変動リスクを半減させることができます。

参考・出典

借り換えシミュレーションで試算してみましょう

現在の借入金額・残期間・金利を入力すると、金利変更後の返済額を確認できます。

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