年末調整で追徴になるのはなぜ?扶養の見込み違いと保険料控除の出し忘れが主な原因
年末調整は還付だけでなく、毎月の源泉徴収税額が年税額に届かなかった場合は不足額を追加で徴収(追徴)されることもあります。扶養親族の所得見込み違い、保険料控除の出し忘れ、年の途中の給与増などが主な原因です。本記事では追徴になる仕組みと主な原因を解説します。
追徴になる仕組み
毎月の給与から源泉徴収される所得税は、国税庁の源泉徴収税額表を使って概算で計算されています。国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」は、この概算額と実際の年税額が一致しない理由として、①源泉徴収税額表は年間を通じて毎月の給与が変わらない前提で作られているが、実際は年の中途で給与額に変動があること、②扶養親族の数などに異動があっても、遡って各月の源泉徴収税額を修正しないこと、③生命保険料や地震保険料の控除は年末調整の際にまとめて控除することの3点を挙げています。年末調整はこの差額を精算する手続きで、徴収済みの税額が年税額より少なければ不足額を追加で徴収(追徴)します。
| 原因 | 内容 | 対応の期限 |
|---|---|---|
| 扶養の見込み違い | 配偶者・扶養親族の所得が見積りより多かった | 翌年1月31日までの再調整 |
| 保険料控除の出し忘れ | 保険料控除申告書を提出しなかった | 翌年1月31日までの再調整 |
| 年の途中の給与増 | 月次の源泉徴収は遡って修正されない | 年末調整で自動精算 |
扶養の見込み違いによる追徴
扶養控除等申告書には、配偶者や扶養親族のその年の所得の見積額を記載します。この見積りが実際より低く、年末調整の対象だと申告していた配偶者・扶養親族が確定額では対象外だった場合、それまで毎月の源泉徴収で適用されていた控除が使えなくなり、不足額が生じます。国税庁の資料でも、配偶者控除・配偶者特別控除の対象となる配偶者や本人の「合計所得金額の見積額と確定した合計所得金額に差額が生じたことにより、配偶者控除額又は配偶者特別控除額が変動する場合」は年末調整のやり直しができるとしており、差額が大きいと追徴になります。共働きで配偶者の収入が年の途中から増えた場合などに起こりやすいケースです。
保険料控除の出し忘れによる追徴
生命保険料控除・地震保険料控除・iDeCoの掛金(小規模企業共済等掛金控除)などは、年末調整で保険料控除申告書を提出して初めて反映される控除です。毎月の源泉徴収税額表はこれらの控除を織り込まずに計算されているため、申告を忘れると控除が受けられず、本来より年税額が高く確定します。その結果、還付される予定だった額が減ったり、追徴になったりします。提出し忘れに気づいた場合は、年末調整のやり直しができる翌年1月31日(源泉徴収票の交付期限)までに勤務先へ申し出れば、再調整してもらえることがあります。
年の途中で給与が増えた場合
源泉徴収税額表は、毎月の給与額が1年を通じて変わらない前提で作られています。昇給や残業代の増加などで年の途中から給与が上がると、上がった月以降の源泉徴収税額は新しい給与額を基準に計算されますが、それ以前の月分まで遡って修正されることはありません。そのため、年間を通じて見ると源泉徴収された税額の合計が年税額に届かず、年末調整で不足額が生じることがあります。
還付・追徴の目安を確認する
自分の場合に還付になるか追徴になるかの目安は、以下の年末調整の計算ツールで確認できます。
参考・出典
- 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」5ページ「年末調整とは」、42ページ「年末調整後の再調整」(2026年10月確認)
- e-Gov法令検索 - 所得税法(第190条)(2026年10月確認)
- 国税庁
※本ページの記載は一般的なケースを簡略化したものです。実際の追徴理由や再調整の可否は勤務先の年末調整担当部署にご確認ください。