電気代の燃料費調整額とは?計算の仕組み・マイナスになる理由・上限があるのはどの料金か・電力会社で違う理由と、最新の単価の調べ方

燃料費調整額は、電気代のうち燃料の輸入価格の変動を、毎月の単価に反映させる調整額です。燃料価格が基準より高ければ加算され、低ければ差し引かれます。計算の流れ、マイナスになる理由、上限の有無、電力会社で違う理由を、東京電力エナジーパートナーと中部電力ミライズの公表ページ(2026年10月3日確認)で確かめました。

燃料費調整額とは何か。電気代のどこに入っているのか

東京電力エナジーパートナーは、燃料費調整額を「貿易統計における原油価格や液化天然ガス価格などから算出される、その時々の平均燃料価格により毎月変動する調整額」と説明しています。燃料価格の変動に応じて、加算されることも、差し引かれることもあります。中部電力ミライズは、電気をつくるための燃料(原油・LNG・石炭)の価格が市場や為替などの外部要因で変わるため、その変動に応じて電気料金を調整するしくみだと説明しています。

燃料価格が大きく動くと、金額も動きます。東京電力は、関東エリアのスタンダードS(30A、260kWh)のモデルで、2023年1月の電気料金は、燃料費調整の適用がない場合と比べて1.4倍程度になったと書いています。

自分の分を知るには、燃料費調整額の金額を、同じ月の使用電力量(kWh)で割ります。次の節で書くとおり、燃料費調整額は「燃料費調整単価×使用電力量」で決まるので、割り算で出た単価を、電力会社が公表する単価と見比べられます。

燃料費調整額は、どう計算され、いつの電気代に反映されるのか

東京電力の説明では、燃料費調整額は各月の燃料費調整単価に使用電力量を乗じて算定します。単価は、直近3か月の貿易統計価格から出した「平均燃料価格」と、料金設定の前提になっている「基準燃料価格」の差で決まります。

  • 平均燃料価格が基準燃料価格を上回る:プラス調整(加算)
  • 平均燃料価格が基準燃料価格を下回る:マイナス調整(差し引き)

中部電力ミライズは、公表している数字から計算の中身が追えます。同社は、基準燃料価格を45,900円/kl、平均燃料価格が1,000円/kl変動したときの単価(基準単価)を0.233円/kWhと公表しています。2026年10月分・11月分の公表値で計算すると、次のようになります。

項目10月分11月分
平均燃料価格61,300円/kl64,400円/kl
基準との差15,400円/kl18,500円/kl
差×0.233円/kWh(1,000円/klあたり)3.59円/kWh4.31円/kWh
国の支援による値引き▲3.50円/kWhなし
公表されている単価0.09円/kWh4.31円/kWh

出典:中部電力ミライズ「燃料費調整単価推移」「燃料費調整制度 個人(低圧)」、2026年10月3日確認。特定小売供給約款を適用している場合の税込単価。「差×0.233」の行は当サイトの計算で、公表の単価と一致しました。

この単価が使用電力量にかかります。たとえば260kWh使った月で、単価が4.31円/kWhなら、燃料費調整額はおよそ1,100円です。

反映される月は、算定期間のあとにずれます。中部電力ミライズの例では、5〜7月の平均燃料価格が10月分、6〜8月が11月分、7〜9月が12月分の電気料金に反映されます。東京電力は「3か月間の貿易統計価格にもとづき算定し、2か月後の電気料金に反映」と説明しています。反映までの月数は会社と約款で決まります。

燃料費調整額がマイナスになるのはなぜか

理由は2つあります。1つ目は、平均燃料価格が基準燃料価格を下回ることです。2つ目は、国の電気・ガス料金支援の値引きが、燃料費調整単価の表に含まれる月があることです。

前の節の表の10月分がその例です。燃料価格だけなら3.59円/kWhのプラスですが、国の支援の3.50円/kWhを引いた結果、公表されている単価は0.09円/kWhになっています。

同じ月でも、会社が違えば符号が違うことがあります。

2026年の例東京電力EP(関東)中部電力ミライズ
7月分(国の支援なし)▲7.19円/kWh+1.49円/kWh
10月分(国の支援を含む)▲9.30円/kWh+0.09円/kWh
11月分(国の支援なし)▲5.33円/kWh+4.31円/kWh

出典:東京電力エナジーパートナー「燃料費調整単価等一覧」(関東エリア、低圧・従量制、税込。▲はマイナス)、中部電力ミライズ「燃料費調整単価推移」(特定小売供給約款を適用している場合)、2026年10月3日確認。東京電力の表は、2026年11月分以降は令和8年11月1日実施の特定小売供給約款を適用すると注記しています。

なぜ会社で違うのかは、電力会社によって違う理由の節に書きました。

燃料費調整額に上限はあるのか。規制料金と自由料金の違い

上限があるかどうかは、料金プランの種類で変わります。東京電力は、規制料金プランと自由料金プランを次のように区別して説明しています。

種類当てはまるプラン上限
規制料金従量電灯など、特定小売供給約款にもとづくプランあり
自由料金スタンダードプランなど、電気需給約款[低圧]にもとづくプランなし

出典:東京電力エナジーパートナー「燃料費調整制度とは」、2026年10月3日確認。上限の有無は、東京電力の説明です。

東京電力の規制料金では、平均燃料価格が基準燃料価格の1.5倍にあたる129,200円/kl(86,100円×1.5)を上回る場合は、129,200円を平均燃料価格として計算し、それを上回る部分は調整しません。中部電力ミライズの低圧の燃料費調整も、計算した平均燃料価格が68,900円を上回る場合は68,900円になります。ただし、同社は、一部の電気料金メニューには平均燃料価格の上限設定がないとも書いています。

東京電力は、燃料価格が高騰したときは、上限のない自由料金プランのほうが燃料費調整額が高くなる可能性があるとも説明しています。上限の有無は会社や料金メニューで異なるため、自分のプランの約款や料金表で確かめてください。

電力会社によって、燃料費調整額が違うのはなぜか

燃料費調整単価の計算に使う数字が、会社とエリアごとに決まっているからです。東京電力は「基準単価および燃料費調整単価は、ご提供エリアによって異なります」と説明しています。2社の公表値を並べると、次のとおりです。

項目東京電力EP(関東)中部電力ミライズ
基準燃料価格86,100円/kl45,900円/kl
平均燃料価格の上限129,200円/kl(規制料金)68,900円/kl

出典:東京電力エナジーパートナー「燃料費調整制度とは」、中部電力ミライズ「燃料費調整制度 個人(低圧)」、2026年10月3日確認。

基準燃料価格は「料金設定の前提となる平均燃料価格」です(東京電力)。基準が高く置かれている会社は、同じ燃料価格でもマイナス調整になりやすく、基準が低い会社はプラス調整になりやすいことになります。つまり、燃料費調整単価がマイナスだから電気代が安い、プラスだから高い、とは言えません。電力量料金の単価と合わせて見る必要があります。

最新の燃料費調整単価は、どこで調べるのか

単価は、契約している電力会社の公式サイトに載っています。次の順に探すと見つかります。

  • 検針票か電力会社のマイページで、契約している会社名と料金プラン名を確かめる
  • その会社の公式サイトで「燃料費調整」のページを探し、自分のプランに当たる欄(規制料金か自由料金か、エリア)の単価を見る
  • 表に「国の電気・ガス料金支援」の値引きが含まれているか、注記を読む

2社の公表ページは次のとおりです。

燃料費調整額が0円の新電力の仕組みと注意点はリボンエナジーとは|基本料金0円の新電力の仕組みと注意点に、電気代が光熱費全体の中でどのくらいを占めるかは光熱費の平均に書いています。

よくある質問

Q. 燃料費調整額がマイナスなら、電気代は安くなっていますか?

A. マイナスの月は、その分が電気料金から差し引かれます。ただし電気料金は、燃料費調整額のほかに基本料金や電力量料金、再生可能エネルギー発電促進賦課金などで決まります。燃料費調整単価の符号だけで、電力会社どうしの電気代の高い安いは比べられません。基準になる燃料価格が会社ごとに違うためです(東京電力の基準は86,100円/kl、中部電力ミライズは45,900円/kl)。

Q. 自分の契約が規制料金か自由料金かは、どうやって分かりますか?

A. 東京電力は、規制料金プランを「従量電灯などの特定小売供給約款にもとづく料金プラン」、自由料金プランを「スタンダードプランや電化上手などの電気需給約款にもとづく料金プラン」と区別しています。自分の料金プランの名前は検針票や電力会社のマイページに載っているので、その会社の料金プランのページで、どちらの約款に当たるかを確かめてください。

Q. 燃料費調整額が0円の料金なら、必ず安くなりますか?

A. 必ずとは言えません。燃料費調整額が0円の料金メニューでも、使った電気の単価が別の仕組みで決まるためです。リボンエナジーの料金メニュー定義書では、従量料金に、30分ごとの市場価格(エリアプライス)を適用する部分があります。使う時間帯によっては、今の料金より高くなる場合もあります。再生可能エネルギー発電促進賦課金は別に算定され、沖縄エリアは対象外です。

Q. 国の電気・ガス料金支援は、燃料費調整額と同じものですか?

A. 別の制度です。資源エネルギー庁の支援サイトによると、2026年7〜9月使用分の低圧の値引き単価は、7・9月使用分が3.5円/kWh、8月使用分が4.5円/kWhで、申請は不要です。東京電力と中部電力ミライズは、この値引きを燃料費調整単価の表に含めて(または再掲して)載せているため、表の数字は燃料価格の影響だけを表しているわけではありません。

Q. 来月の燃料費調整単価は、前もって分かりますか?

A. 燃料費調整単価は、過去3か月間の貿易統計価格をもとに算定され、数か月後の電気料金に反映されます。そのため、東京電力と中部電力ミライズの一覧には、2026年10月3日の時点で11月分までの単価が載っていました。ただし、その先の月は、燃料価格の動き次第で変わります。

参考・出典

※単価は2026年10月3日時点で各社が公表していた数字で、今後変わります。基準燃料価格や上限は、約款の改定で変わることがあります。この記事は電力会社の公開資料で確かめた範囲の一般的な説明で、個別の料金の試算ではありません。自分の契約内容は、契約している電力会社の約款・料金表でご確認ください。

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