離婚調停の費用はいくらかかる?裁判所に払う額、弁護士なしでできるか、弁護士費用の項目、費用はどちらが払うか、払えないとき

離婚調停の申立てに、裁判所へ払うのは収入印紙1,200円分と連絡用の郵便切手です(裁判所の案内)。弁護士に依頼しなくても、調停の手続は行えます。弁護士に頼むときの費用は、個々の弁護士が基準を定めるので、一律の額はありません。費用が払えないときは、法テラスの立替制度があります。裁判所・法テラス・日本弁護士連合会の原文で確かめた内容を、問いごとにまとめました。

裁判所に払う費用はいくらか

離婚の調停は、離婚の話合いがまとまらないとき、または話合いができないときに、家庭裁判所で行う手続です。申立てるときに裁判所へ払う費用は、次のとおりです。

費用裁判所の案内確かめる先
収入印紙1,200円分裁判所の案内ページ
連絡用の郵便切手郵便料は裁判所ごとに異なる。保管金として納付することもできる申立先の家庭裁判所
戸籍謄本など夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書)が要る。年金分割の申立てを含むなら、年金分割のための情報通知書も要る市区町村、年金事務所など

出典:裁判所「夫婦関係調整調停(離婚)」、2026年10月3日確認。書類の取得にかかる手数料は、この案内には書かれていません。

申立先は、相手方の住所地の家庭裁判所、または当事者が合意で定める家庭裁判所です。郵便料は申立先の裁判所で違うので、先に申立先を決めてから、その裁判所の案内で確かめます。

弁護士なしでも調停はできるか

裁判所は、調停の手続について「弁護士に依頼することもできますが、依頼していなくても、調停の手続を行うことができます」と案内しています。弁護士が必須の手続ではありません。

調停は、裁判のように勝ち負けを決める手続ではなく、話合いで合意する手続です。裁判官1人と、民間から選ばれた調停委員2人以上で構成する調停委員会が、双方の話を聞いて、助言やあっせんをします。合意が成立して調停調書に記載されると、確定した判決と同一の効力があります。

調停で合意できなかったときは、離婚の場合、人事訴訟の手続によることになります。離婚の裁判は、原則として調停を経ることが必要です。このため、弁護士に頼むかどうかは、調停の前に決める場合と、調停が決まらなかったあとに決める場合があります。

相手と顔を合わせたくない事情があるときは、個別の事情に応じて、ウェブ会議を利用するなど、顔を合わせない工夫をして調停を進める場合もあると、裁判所は案内しています。不安な点は、申立先の家庭裁判所に相談できます。

弁護士に頼むと、費用はどんな項目で、いくらか

日本弁護士連合会は、弁護士の費用は個々の弁護士がその基準を定めるもので、標準小売価格のようなものは無いと案内しています。まず、費用の項目から整理します。

項目いつ払うか日弁連の説明
着手金事件を依頼した段階結果に関係なく、不成功でも返還されない。報酬金の内金でも手付でもない
報酬金事件が終わった段階成功に終わった場合に払う。一部成功も、その度合いに応じて払う
実費・日当事件の処理で実際に出費したとき裁判所に納める印紙代と予納郵券(切手)代、記録の謄写費用など。出張を要する事件は交通費、宿泊費、日当
法律相談料相談したとき依頼者に対して行う法律相談の費用

出典:日本弁護士連合会「弁護士費用(報酬)とは」、2026年10月3日確認。「手数料」「顧問料」も同ページに挙がっていますが、離婚の調停には通常関わらないため省きました。

日弁連は、弁護士に依頼するときは総額でどの程度の費用が必要になるのか、よく確認するようにと案内しています。裁判所へ納める費用や交通費などの実費は、別に必要です。

目安の額は、あるのか。日弁連のページに載る「市民のための弁護士報酬の目安」は2008年度のアンケート結果なので、このページでは数字を引きません。現在の目安として公開されている額に、法テラスが立替をする場合の目安があります。

手続着手金実費
離婚(示談交渉)66,000〜110,000円20,000円
離婚(調停)88,000〜132,000円20,000円
離婚(調停不調で訴訟も援助した場合)165,000円35,000円
離婚(訴訟からの場合)231,000円35,000円

出典:法テラス「離婚等請求事件 費用の目安」、2026年10月3日確認。調停だけで解決せず訴訟も行う場合は、離婚(調停)と離婚(調停不調で訴訟も援助した場合)の2つの費用がかかります。この額は法テラスの立替制度の目安で、一般の法律事務所の額ではありません。

報酬金について、法テラスは、慰謝料や養育費など金銭が得られた場合は得られた金額の10%+税が目安としています(婚姻費用や養育費は2年間分が上限)。離婚のみ成立して金銭の支払いがない場合は、66,000〜132,000円が例として示されています。いずれも「あくまで目安」で、成功の程度や事件の困難度によって異なる場合があると、法テラスは書いています。

費用は、どちらが払うのか

家事事件手続法28条1項は、調停の費用を含む手続費用を「各自の負担」としています。同条2項は、裁判所が事情により、負担すべき者以外の者に、その全部または一部を負担させることができると定めています。

費用条文・案内での扱い出どころ
裁判所に払う費用各自の負担が原則。事情により、裁判所が他の者に負担させることができる家事事件手続法28条
弁護士に払う費用弁護士が基準を定める。総額を依頼前に確かめる日弁連

出典:e-Gov法令検索「家事事件手続法」、日本弁護士連合会「弁護士費用(報酬)とは」、2026年10月3日確認。

条文は、どちらか一方が払うとは書いていません。印紙代や切手代を相手に求められるか、弁護士費用を離婚の条件の中でどう扱うかは、この条文からは分かりません。調停の場で話し合う内容になるので、申立先の家庭裁判所か、弁護士に確かめてください。

払えないときは、法テラスが使えるか

法テラスには、弁護士・司法書士の費用を立て替えて、分割で返す制度があります。利息はありません。使える条件は、法テラスの案内で次の3つです。

  1. 収入や資産が、一定基準以下であること
  2. 勝訴の見込みがないとはいえないこと(離婚等請求事件なら、離婚成立の見込みがあることなど)
  3. 民事法律扶助の趣旨に適すること(報復目的や権利濫用的な訴訟などは援助できない)

1つめの収入(手取りの平均月収、賞与を含む)と資産(現金・預貯金、不動産、有価証券)の基準は、家族人数と地域で次のように定められています。

家族人数東京都特別区・大阪市などそれ以外の地域
1人収入200,200円、資産180万円以下収入182,000円、資産180万円以下
2人収入276,100円、資産250万円以下収入251,000円、資産250万円以下
3人収入299,200円、資産270万円以下収入272,000円、資産270万円以下
4人収入328,900円、資産300万円以下収入299,000円、資産300万円以下

出典:法テラス「弁護士・司法書士費用等の立替制度のご利用の流れ」、2026年10月3日確認。収入の基準は、同居の家族が1人増えるごとに、東京などは33,000円、それ以外は30,000円が加算されます。

基準を超えていても、家賃や住宅ローン、医療費や教育費などを払っているやむを得ない事情があれば、満たす可能性があると、法テラスは案内しています。家賃・住宅ローンは、一定の限度額まで収入から控除できます。

流れも、法テラスの案内で確かめられます。審査は申込みをした法テラスの地方事務所で行い、申込みから決定まで通常2週間程度です(書類に不備があるときなどは、さらにかかります)。実費だけの立替えは、原則できません。事件の結果、相手方などから金銭を受け取った場合は、原則としてその金銭から一括で精算します。生活保護を受けている間は、返済が猶予されます。

立替えの前に、法テラスの無料法律相談も使えます。同じ問題につき3回まで、1回30分で、収入と資産が基準以下の方が対象です。収入と資産は原則として本人と配偶者の合計額で見ますが、離婚など配偶者が相手方となる事件は、本人の収入と資産のみで判断すると、法テラスは書いています。

調停で話し合うことと、費用以外の案内

裁判所の案内では、離婚の調停で話し合えるのは、離婚そのものだけではありません。親権者、子との交流、養育費、財産分与、年金分割の割合、慰謝料も、一緒に話し合えます。それぞれの案内は、次のページにあります。

よくある質問

Q. 離婚調停の申立てに、裁判所へいくら払いますか?

A. 裁判所の案内では、収入印紙1,200円分と連絡用の郵便切手です。郵便料は裁判所ごとに異なるため、申立先の家庭裁判所の案内で確かめてください。郵便料は、保管金として納付することも、郵便切手で納付することもできます。

Q. 離婚調停は、弁護士なしでもできますか?

A. 裁判所は、調停について「弁護士に依頼することもできますが、依頼していなくても、調停の手続を行うことができます」と案内しています。弁護士に頼むかどうかは、費用と、自分で進められそうかを見て決めることになります。

Q. 離婚調停の費用は、申立てた側と相手のどちらが払いますか?

A. 家事事件手続法28条1項は、調停の費用を含む手続費用を「各自の負担」としています。同条2項は、裁判所が事情により、負担すべき者以外の者に負担させることができると定めています。弁護士に払う費用は、日弁連の案内では個々の弁護士が基準を定めます。

Q. 弁護士に頼むと、費用はいくらになりますか?

A. 日本弁護士連合会は、弁護士の費用は個々の弁護士が基準を定めており、標準小売価格のようなものは無いと案内しています。目安として、法テラスが立替をする場合の離婚(調停)は、着手金88,000〜132,000円と実費20,000円です。これは法テラスの基準で、一般の法律事務所の額ではありません。

Q. 弁護士費用が払えないときは、どうしたらよいですか?

A. 法テラスの民事法律扶助に、弁護士費用の立替制度があります。収入や資産が一定基準以下であること、勝訴の見込みがないとはいえないこと、民事法律扶助の趣旨に適することの3つが条件で、審査があります。立替えた費用は、利息なしの分割で法テラスに返します。

Q. 離婚調停は、何回くらい、どれくらいの期間で終わりますか?

A. 裁判所の「夫婦関係調整調停(離婚)」「調停手続一般」「家事事件Q&A」には、回数や期間の目安は書かれていません。このページでも数字は示しません。申立先の家庭裁判所に確かめてください。

Q. 調停で離婚が決まらなかったら、どうなりますか?

A. 裁判所は、離婚の調停が不成立となった場合、最終的な解決のためには人事訴訟の手続によることになると案内しています。また、離婚の裁判をするには、原則として調停の手続を経ることが必要とされています。

参考・出典

※費用や手続は、申立先の裁判所や依頼する事務所によって異なります。具体的な対応は、家庭裁判所、法テラス、弁護士などの専門家にご確認ください。

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