退職届はどう書けばいい?退職願・辞表との違いと見本
退職届は「表題・退職理由・退職日・提出日・所属氏名・宛先」の6項目を押さえれば、特別な書式にこだわらなくても通用します。パソコンで作成しても法的な効力に差はありません。本記事では退職願・退職届・辞表の違い、書く項目、書式、封筒の書き方、提出先を見本つきで解説します。
退職願・退職届・辞表の違いは何?
3つとも「会社を辞める」という意思を伝える書面ですが、法的な意味合いが異なります。会社の承諾を待つ「お願い」なのか、会社の承諾がなくても効力が生じる一方的な「通知」なのかが最大の違いです。
| 名称 | 意味 |
|---|---|
| 退職願 | 退職したいという意思を会社に「お願い」する書面 |
| 退職届 | 退職する意思を一方的に「通知」する書面 |
| 辞表 | 役員・公務員など「委任契約」の地位を辞任するときの言葉 |
民法627条1項は、期間の定めのない雇用について「各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる」「雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する」と定めています。退職届はこの「解約の申入れ」にあたるため、会社の承諾がなくても提出から2週間で退職の効力が生じます。期間ごとの数え方は退職は何ヶ月前に言えばいいかで解説しています。
退職届に書く項目は?
退職届に決まった様式はありませんが、次の6項目を入れておけば会社側も受理しやすくなります。
| 項目 | 書き方 |
|---|---|
| 表題 | 「退職届」または「退職願」 |
| 書き出し | 「私事」または「私儀」(本文より一段下げて書く) |
| 退職理由 | 「一身上の都合により」でよい(詳しい理由を書く義務はない) |
| 退職日 | 「〇年〇月〇日をもって退職いたします」 |
| 提出日 | 退職届を実際に提出する日付 |
| 所属・氏名・押印 | 本文より下、右側に部署名と氏名を書き、押印する |
| 宛先 | 氏名より上、左側に会社名と代表者の役職・氏名(「様」を付ける) |
見本の文面
もっとも一般的な、1行ずつシンプルに書く形式の見本です。用紙はA4またはB5の白無地を使います。
| 行 | 書く内容 |
|---|---|
| 1行目 | 退職届 |
| 2行目 | (1行空ける) |
| 3行目 | 私事、この度一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって退職いたします。 |
| 4行目 | (1〜2行空ける) |
| 5行目(右寄せ) | 令和〇年〇月〇日 |
| 6行目(右寄せ) | 〇〇部〇〇課 氏名 印 |
| 7行目(左寄せ) | 株式会社〇〇 代表取締役〇〇様 |
※「私事」は本文より1文字分下げて小さめに書くのが伝統的な書き方です。横書き・パソコン作成の場合はこの慣例を省略しても差し支えありません。
縦書き・横書き、パソコンで作ってもいい?
退職届の書式に法律上の決まりはありません。伝統的には縦書き・手書きが一般的とされてきましたが、横書きでもパソコンで作成しても、意思表示としての効力に違いはありません。会社によっては指定の書式(社内様式)を用意している場合があるので、まずは人事部や総務部に様式の有無を確認するのが確実です。手書きする場合は、消えるボールペン(フリクションなど)ではなく、黒の万年筆かボールペンを使います。
封筒はどう書けばいい?
退職届は白無地の封筒(郵便番号の枠が印刷されていないもの)に入れて渡すのが一般的です。中身の用紙は三つ折りにして封筒に入れます。
| 面 | 書く内容 |
|---|---|
| 表面 | 中央に大きく「退職届」とだけ書く |
| 裏面 | 左下に所属部署と氏名を書く |
誰に、いつ提出すればいい?
まずは直属の上司に口頭で退職の意向を伝えたうえで、退職届を手渡しするのが基本の流れです。会社によっては人事部・総務部への提出を定めている場合もあるので、就業規則を確認しておくと二度手間になりません。上司に受け取りを拒否された場合でも、民法627条にもとづき2週間後には退職の効力が生じるため、内容証明郵便で送付するという方法もあります。会社に直接言い出しにくい場合は、退職代行サービスに提出そのものを依頼することもできます。
よくある質問
退職理由は本当のことを書かないといけませんか?
いいえ。退職届・退職願には「一身上の都合により」とだけ書けば足り、転職先や人間関係など具体的な理由を書く義務はありません。
印鑑はシャチハタでもいいですか?
会社の指定がなければシャチハタでも通用しますが、正式な書面として扱うなら認印(朱肉を使うもの)のほうが無難です。
退職届を出したあと撤回できますか?
退職願であれば会社が承諾する前は撤回できる余地がありますが、退職届は会社に届いた時点で一方的な意思表示として効力が生じ、原則として撤回できません。
参考・出典
- e-Gov法令検索 - 民法(第627条)(2026年10月確認)
※本ページの記載は一般的な書き方の例です。会社ごとに指定の様式・提出先がある場合は、勤務先の就業規則または人事・総務部にご確認ください。