残業時間の平均は月9.8時間|36協定の上限と手取りへの影響

自分の残業時間は世間の相場と比べて多いのか少ないのか、気になったことはありませんか。厚生労働省「毎月勤労統計調査」(2025年分確報)によると、所定外労働時間(残業時間)は就業形態計で月9.8時間(前年比2.5%減)、正社員などの一般労働者に限ると月13.2時間(同2.0%減)でした。この記事では、規模別・産業別の相場と、36協定で定められた残業時間の上限をまとめました。

残業時間の平均

厚生労働省「毎月勤労統計調査」(2025(令和7)年分確報、事業所規模5人以上)によると、所定外労働時間(残業時間)は就業形態計で月9.8時間(前年比2.5%減)でした。正社員などの一般労働者に限ると月13.2時間(同2.0%減)、パートタイム労働者では月2.3時間です。一般労働者の月13.2時間を単純に12か月分に換算すると、年間ではおよそ158時間になります。

事業所規模30人以上に限ると、一般労働者の所定外労働時間は月14.4時間(前年比1.7%減)で、5人以上を含めた調査産業計(13.2時間)よりやや長い結果でした。

総実労働時間との関係

一般労働者の総実労働時間(月160.5時間)は、所定内労働時間(147.3時間)と所定外労働時間(13.2時間)の合計です。所定外労働時間は前年より減少していますが、総実労働時間も前年比1.0%減とあわせて短くなっています。

産業別の残業時間

産業別(就業形態計、事業所規模5人以上)に所定外労働時間をみると、業種による差が大きいことがわかります。

産業月間残業時間前年比
運輸業,郵便業20.6時間-5.2%
電気・ガス業16.3時間2.8%
情報通信業15.8時間0.0%
製造業13.4時間1.1%
学術研究等12.8時間-4.4%
建設業12.8時間1.0%
金融業,保険業12.4時間-3.4%
不動産・物品賃貸業11.9時間-0.3%
教育,学習支援業10.2時間-11.0%
その他のサービス業10.1時間-4.2%
複合サービス事業7.8時間-11.9%
卸売業,小売業7.0時間-1.0%
生活関連サービス等6.7時間5.5%
飲食サービス業等5.2時間-0.8%
医療,福祉4.9時間-1.2%

運輸業,郵便業(20.6時間)や電気・ガス業(16.3時間)は残業時間が長い一方、医療,福祉(4.9時間)や飲食サービス業等(5.2時間)は短めです。同じ「平均」でも、自分の業種でみた相場は全体平均と大きく違うことがあります。

36協定で定められた残業時間の上限

労働基準法第36条(いわゆる36協定)では、時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間です(第36条4項)。これを超えて労働させるには、労使協定で臨時的な特別の事情がある場合の「特別条項」を定める必要があります。

特別条項を定めた場合でも、次のすべてを満たす必要があります(第36条5項・6項)。

上限の種類基準
年間の時間外労働720時間以内
単月(休日労働を含む)100時間未満
複数月平均(2〜6か月)いずれも80時間以内
月45時間を超えられる回数年6か月まで

調査産業計の平均残業時間(月9.8〜13.2時間)は、この上限を大きく下回る水準です。ただし平均はあくまで平均であり、繁忙期に上限に近い残業が発生している場合は、会社の36協定の内容と実際の残業時間を確認しておくと安心です。

残業代と手取りへの影響

残業代は「時給(月給÷月間所定労働時間)×割増率×残業時間」で計算します。法定時間外労働は割増率25%(月60時間を超える部分は50%)、深夜労働(22時〜5時)はさらに25%加算、法定休日労働は35%です。残業代・割増賃金計算機に月給と残業時間を入力すると、自動で概算できます。

残業代にも社会保険料・所得税がかかるため、残業が多い月ほど額面は増えても手取りの伸びは鈍くなります。逆に残業が少ない会社では、基本給の水準や自分での資産形成の計画が手取りを左右する部分が大きくなります。タイムカードの記録と給与明細を照らし合わせて差額があれば、残業代が払われない会社への対処法で請求手順を確認してください。

よくある質問

残業時間の平均はどれくらいですか?

厚生労働省「毎月勤労統計調査」(2025年分確報、事業所規模5人以上)によると、所定外労働時間(残業時間)は就業形態計で月9.8時間(前年比2.5%減)、一般労働者に限ると月13.2時間(同2.0%減)でした。年間に換算すると、一般労働者はおよそ158時間になります。

会社の規模によって残業時間は違いますか?

厚生労働省の調査(事業所規模5人以上が対象)では、規模30人以上の一般労働者の所定外労働時間は月14.4時間で、5人以上の調査産業計(13.2時間)よりやや長い結果でした。業種や職種による差の方が規模による差より大きい傾向があります。

36協定の残業時間の上限は何時間ですか?

労働基準法第36条では、時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間です。臨時的な特別の事情があり労使が合意した場合(特別条項)でも、年720時間以内、休日労働を含めた単月は100時間未満、2〜6か月の平均はいずれも80時間以内、月45時間を超えられるのは年6か月までと定められています。

残業が多い月の残業代はどう計算しますか?

残業代は「時給(月給÷月間所定労働時間)×割増率×残業時間」で計算します。月60時間を超える部分は割増率が50%に上がります。下記の残業代計算機に月給と残業時間を入力すると、自動で概算できます。

残業代が正しく支払われているか不安です

タイムカードやPCのログイン時刻などの記録と、給与明細に記載された残業代を照らし合わせて確認しましょう。差額があれば未払いの可能性があります。証拠の集め方や会社への請求手順は関連記事で解説しています。

参考・出典

運

会社員の計算帳 運営事務局

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