正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」です。提出先は納税地を所轄する税務署、 提出期限は開業した日が属する年分の確定申告期限までです。出し方(窓口・郵送・e-Tax)と、 書く欄、青色申告承認申請書を一緒に出したほうがいい理由をまとめました。
正式名称「個人事業の開業・廃業等届出書」(様式ID:NTA1K0Z060010040)の記載欄です。
| 欄 | 書く内容 |
|---|---|
| 提出先 | 納税地を所轄する税務署名 |
| 氏名・フリガナ・生年月日 | 本人の情報 |
| マイナンバー(個人番号) | 書面提出は本人確認書類の提示または写しの添付が必要。e-Taxは不要 |
| 職業 | できるだけ具体的に(例:ソフトウェア開発業、Webデザイン業) |
| 屋号 | 任意。空欄でもよい |
| 届出の区分 | 「開業」に1を記載 |
| 所得の種類 | ほとんどの場合「事業(農業)所得」にチェック |
| 開業・廃業等日 | 事業を開始した日 |
| 開業・廃業に伴う届出書の提出の有無 | 青色申告承認申請書を一緒に出す場合は「有」にチェック |
| 事業の概要 | できるだけ具体的に(例:Webサイトの制作・保守) |
| 給与等の支払の状況 | 家族従業員・従業員を雇う場合のみ記入 |
書面で作成する場合は、国税庁の様式(PDF)をダウンロードして手書きまたはPDF入力し、窓口か郵送で提出します。 e-Taxで作成から提出まで済ませる場合は、開業届と青色申告承認申請書をまとめて1回の操作で送れるサービスもあります。
開業届だけでは白色申告のままです。65万円(または55万円)の青色申告特別控除を受けるには、 「青色申告承認申請書」を別に提出する必要があります。 新規開業の場合の提出期限は業務を開始した日から2か月以内です(国税庁 No.2070)。 開業日から2か月を過ぎると、その年は青色申告ができず、10万円控除しか使えない白色申告のまま確定申告することになります。
65万円控除の要件(複式簿記・e-Tax提出など)を自分が満たせるかどうかは、 青色申告特別控除65万円の条件診断で確認できます。
本業が会社員でも、副業の所得が事業所得として認められる実態(継続性・営利性があるなど)があれば、 開業届を出すこと自体は可能です。逆に、単発の収入で事業としての実態がなければ、開業届を出しても 税務署の判断でその所得は雑所得のまま扱われることがあります。
開業届を出して事業所得にできれば、青色申告特別控除や赤字の繰越しなど、雑所得にはない特典が使えるようになります。 事業所得と雑所得で確定申告や控除がどう変わるかは 青色申告65万円控除で税と国保はいくら下がるかにまとめています。
開業届を出さなくても罰則はありませんが、青色申告の承認を受けられないため、青色申告特別控除(最高65万円)や赤字の繰越しといった特典が使えません。確定申告そのものは開業届の有無にかかわらず、事業所得がある限り必要です。
開業届の提出自体は、税法上の扶養(配偶者控除・扶養控除)にも社会保険上の扶養にも影響しません。扶養に入れるかどうかは、実際の所得金額や年間収入の見込みで判定されます。開業届を出したことで自動的に扶養を外れることはありません。
法律上の明確な定義はなく、事業を開始したと言える日(最初の売上が立った日、事業用の準備を始めた日など)を自分で決めて記載します。開業日より前にかかった準備費用も、事業のために支出したことが説明できれば開業費として経費にできます。
様式には個人番号の記載欄があり、書面提出の場合は本人確認書類(マイナンバーカードなど)の提示または写しの添付が必要です。e-Taxで提出する場合は、本人確認書類の提示・添付は不要です。
※開業届の提出期限は、国税庁の手続き案内(A1-5)に基づく現行の内容です。「開業から1か月以内」という 情報は、この案内が改められる前に広まったもので、本稿執筆時点では確定申告期限までに改められています。 個別の記載内容の判断は税務署または税理士等の専門家にご確認ください。