フリーランスの年金は月70,608円

国民年金だけに加入している人が40年納めて受け取る額は、令和8年度で月70,608円です。 会社員との差がいくらになるかと、埋めるための4つの手段を整理しました。

老齢基礎年金の満額は月70,608円

国民年金の第1号被保険者(自営業者・フリーランス)が納める保険料は月17,920円、 年215,040円です(令和8年度)。収入に関係なく定額です。

20歳から60歳までの40年間(480か月)すべて納めた場合に受け取る老齢基礎年金は、 令和8年度で月70,608円、年847,296円です。 納付月数が480か月に満たない場合は、その割合に応じて減ります。

参考として、日本年金機構が示す「厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)」は 令和8年度で月237,279円です。 これは平均的な収入で40年間就業した場合の給付水準で、フリーランス単身の月70,608円とは前提が違います。

厚生年金があるといくら変わるか

会社員は老齢基礎年金に老齢厚生年金が上乗せされます。報酬比例部分の額は厚生年金保険法第43条で 平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 加入月数と定められています(平成15年4月以降の加入期間)。 年収を12で割った額を平均標準報酬額とみなし、40年(480か月)加入した場合は次のようになります。

会社員時代の年収平均標準報酬額(月)老齢厚生年金(年) 老齢基礎年金+厚生年金(年)月あたり国民年金だけとの差(月)
300万円 250,000 657,720 1,505,016 125,418 +54,810
500万円 416,667 1,096,200 1,943,496 161,958 +91,350
700万円 583,333 1,534,680 2,381,976 198,498 +127,890

単位:円。給付乗率は5.481/1000(平成15年4月以降の加入期間・昭和21年4月2日以後生まれ)。 実際の年金額は再評価率、平成15年3月以前の加入期間、従前額保障などで変わります。 ここでは平成15年4月以降だけに加入した単純なケースで計算しています。

年収500万円で40年働いた会社員と比べると、差は月91,350円、 年1,096,200円です。20年受け取ると21,924,000円の差になります。 この差は、会社が負担していた厚生年金保険料が生んでいたものです。

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差を埋める4つの手段

1. 付加年金(月400円)

国民年金保険料に月400円を上乗せして納めると、老齢基礎年金に付加年金が加算されます。 加算額は国民年金法第44条で「200円 × 付加保険料納付済期間の月数」と定められています。

  • 480か月(40年)納めた場合の支払総額:192,000円
  • 増える年金:年96,000円(毎年)
  • 受給開始から2年で、支払総額と受け取り総額が並びます

金額そのものは大きくありませんが、月400円で始められる点が特徴です。

2. 国民年金基金

第1号被保険者が任意で加入できる公的な上乗せの制度です。 後述するiDeCoの拠出限度額 月68,000円は、 国民年金基金または付加保険料と合算した枠と定められています(国民年金基金連合会)。 つまり国民年金基金に多く掛けると、そのぶんiDeCoに回せる額は減ります。

3. iDeCo(個人型確定拠出年金)

自分で掛金を出して運用し、原則60歳から受け取る制度です。第1号被保険者の拠出限度額は 月68,000円(国民年金基金または付加保険料との合算枠)で、 掛金は月5,000円から1,000円単位で設定できます。

  • 受け取りは原則60歳から。開始時期は75歳になるまでの間で選べます
  • 受け取り方は一時金・年金・その併用から選べます
  • 運用する商品は自分で選び、結果も自分で負います。元本が減ることもあります

4. 小規模企業共済

中小機構が運営する、小規模企業の経営者・役員・個人事業主のための積み立てによる退職金制度です。 掛金は月1,000円から70,000円まで500円単位で設定でき、加入後の増額・減額もできます。 確定申告の際は、掛金の全額を課税対象所得から控除できます。

  • 共済金は退職・廃業時に受け取ります。満期や満額はありません
  • 受け取り方は一括・分割・併用から選べます
  • 一括受取りは退職所得扱い、分割受取りは公的年金等の雑所得扱いになります

※これらは制度の説明であって、特定の商品や運用方法を勧めるものではありません。 どれをどの順に使うかは、受け取りたい時期、事業の資金繰り、いまの所得で変わります。

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よくある質問

フリーランスが受け取る年金はいくらですか?

40年間(480か月)保険料を納めた場合の老齢基礎年金は、令和8年度で月70,608円、年847,296円です。国民年金だけに加入している場合、受け取れるのはこの老齢基礎年金だけです。

会社員と比べてどのくらい少ないですか?

会社員には老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金があります。平均標準報酬額が年収500万円相当(月416,667円)で40年加入した場合の報酬比例部分は年1,096,200円で、老齢基礎年金と合わせると月161,958円になります。国民年金だけの月70,608円との差は月91,350円です。

付加年金は得ですか?

付加保険料は月400円で、受け取る年金は「200円 × 納付月数」が毎年加算されます(国民年金法第44条)。480か月納めると支払総額は192,000円、増える年金は年96,000円なので、受給開始から2年で支払額に達する計算になります。

国民年金だけで足りない分はどう埋めますか?

公的な上乗せの仕組みとして、付加年金、国民年金基金、iDeCo(個人型確定拠出年金)、小規模企業共済があります。iDeCoの拠出限度額は第1号被保険者で月68,000円(国民年金基金または付加保険料と合算した枠)、小規模企業共済の掛金は月1,000円から70,000円です。それぞれ受け取れる時期と税の扱いが違うため、目的に合わせて使い分けます。

出典

※年金額は令和8年度の値です。年金額は毎年度改定されます。 老齢厚生年金の金額は、再評価率・平成15年3月以前の加入期間・従前額保障などにより実際とは差が出ます。 本ページは制度の説明であり、投資や資産運用の助言を行うものではありません。 個別の見込額は「ねんきんネット」または年金事務所でご確認ください。