会社員と個人事業主の比較

手取り、健康保険、年金、労災・雇用保険、税、経費、信用。 独立で入れ替わるものを1枚の表にまとめ、それぞれの詳細ページに繋いでいます。

項目別の比較表

項目会社員個人事業主(フリーランス)
手取り 年収500万円で年3,942,071円。給与所得控除があるぶん課税所得が小さい 売上500万円・経費ゼロ・青色65万円控除で年3,832,699円。経費が多いほど課税所得は下がる
医療保険 健康保険(協会けんぽ等)。料率9.85%+子ども・子育て支援金0.23%を労使折半。傷病手当金・出産手当金あり 国民健康保険。全額自己負担。傷病手当金・出産手当金は原則なし。料率は市区町村ごとに異なる
年金 厚生年金。料率18.3%を労使折半。老齢基礎年金に報酬比例部分が上乗せされる 国民年金のみ。保険料は年215,040円の定額。満額でも月70,608円
労災保険 全額が会社負担で自動的に適用。業務中・通勤中のけがの療養・休業補償がある 原則なし。一部の業種に特別加入の制度があるが、自分で申し込む必要がある
雇用保険 労働者負担0.5%+会社負担。失業給付・育児休業給付・教育訓練給付の対象 なし。仕事が途切れても給付はない
所得税・住民税 会社が源泉徴収し、年末調整で精算する。確定申告は原則不要 自分で確定申告する。青色申告なら最大65万円の特別控除がある
経費 給与所得控除が自動で適用される。実費の経費は原則として引けない 事業に使った支出を経費にできる。ただし実際に支払ったお金なので手取りが増えるわけではない
消費税 関係しない 基準期間の課税売上高が10,000,000円を超えると納税義務が生じる。インボイス登録をしている場合は売上に関わらず納税義務がある
社会的な信用 在籍と収入が給与明細・源泉徴収票で示せる 確定申告書の控えで示す。事業年数が浅いと審査で不利になることがある
収入の安定 毎月の給与が決まっている。会社都合の退職でも失業給付がある 契約の更新と稼働率で変動する。支払いサイトのぶん入金が遅れる

料率は協会けんぽ東京支部・令和8年度。手取りは独身・扶養なし・40歳未満で計算しています。

手取りの差を金額で見る

年収・売上会社員の手取り個人事業主 経費0% 個人事業主 経費20%手取りの差(経費0%)会社が負担している額
300万円 2,399,924 2,338,116 1,879,234 −61,808 442,728
500万円 3,942,071 3,832,699 3,103,020 −109,372 698,148
700万円 5,308,676 5,078,363 4,200,863 −230,313 1,004,652
1,000万円 7,274,213 6,943,466 5,695,068 −330,747 1,215,684

単位:円(年額)。個人事業主は青色申告特別控除650,000円を適用し、 国民健康保険料は全国の市町村標準保険料率の中央値で計算しています。 「会社が負担している額」は健康保険料と厚生年金保険料の会社負担分の合計です。 内訳は会社員が独立すると社会保険はいくら変わるかで分解しています。

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独立が有利になる条件・不利になる条件

有利になりやすい条件

  • 売上を会社員時代の年収より大きく増やせる:手取りの計算は売上の水準で決まります。同じ売上なら会社員のほうが手取りは多くなります
  • 事業に必要な支出が実際に多い:機材・外注・仕入れが発生する仕事なら、それを経費にして課税所得を下げられます
  • 稼働率を高く保てる見込みがある:契約が途切れても雇用保険の給付はないため、稼働の安定が収入の安定に直結します
  • 働く時間や場所の自由に価値を置いている:金額に置き換えにくい部分ですが、実際の判断ではここが効きます

不利になりやすい条件

  • 売上が会社員時代の年収と横ばい:給与所得控除がなくなるぶん税が増え、手取りは減ります
  • 経費がほとんどかからない:パソコン1台で完結する仕事ほど、控除できる金額が青色申告特別控除650,000円に近くなります
  • 体調を崩したときの備えがない:国民健康保険には傷病手当金が原則ありません
  • 住宅ローンや賃貸の審査を控えている:事業年数が浅い時期は審査で不利になることがあります
  • 独立1年目:国民健康保険料も住民税も前年の所得で決まるため、収入が落ちても支払いは前年基準です

独立せずに収入を上げる場合

独立は収入を上げる手段のひとつであって、唯一の手段ではありません。 会社員のままなら、社会保険料の半分(年収500万円で年698,148円)は会社が負担し続けます。 厚生年金の上乗せも積み上がり続けます。

  • 転職で額面を上げる:同じ職種でも会社によって水準が違います。年収別の手取りは年収別 手取り早見表で確認できます
  • 職種・産業ごとの水準を知る都道府県・産業別の平均年収に賃金構造基本統計調査の実データを載せています
  • 副業から始める:会社員のまま事業所得を得ると、社会保険は勤務先の健康保険・厚生年金のままで、事業の所得だけを確定申告します

いまの年収が地域や産業の水準と比べてどうかを先に確認すると、独立と転職のどちらを検討すべきかが判断しやすくなります。

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項目ごとの詳細ページ

よくある質問

独立すると手取りは増えますか?

売上が会社員時代の年収と同じで経費がかからない場合、手取りは減ります。年収500万円なら会社員の年3,942,071円に対し、個人事業主は年3,832,699円です。経費率20%なら年3,103,020円になりますが、これは経費として実際に支出したお金を除いた金額です。

独立が有利になるのはどんな場合ですか?

会社員時代より売上を大きく増やせる場合、事業に必要な支出が実際に多く発生する場合、働く時間や場所を選べることの価値が金額の差より大きい場合です。逆に、売上が横ばいで経費もかからないなら、金額の面では会社員のほうが有利になります。

独立しないまま収入を上げる方法はありますか?

転職で額面を上げる、社内で等級や役割を上げる、副業を持つ、といった方法があります。会社員のままなら、社会保険料の半分(年収500万円で年698,148円)は会社が負担し続けます。厚生年金の上乗せも積み上がります。

年金の差はどのくらいになりますか?

年収500万円で40年(480か月)働いた場合、老齢厚生年金の報酬比例部分は年1,096,200円です。国民年金だけの場合、この上乗せがありません。差の埋め方は「フリーランスの年金」で扱っています。

出典

※金額は公表されている料率から機械的に計算した概算です。 実際の手取り・保険料・税額は住んでいる市区町村、世帯構成、加入している制度、個別の控除で変わります。 断定的な税務判断は行っていません。正確な金額は市区町村の窓口、税務署、税理士等の専門家にご確認ください。