フリーランスの国民健康保険料はいくらか

事業所得別の早見表と、住む場所でどれだけ変わるかを、公表されている市町村標準保険料率から計算しました。 単身世帯・40歳未満・介護分なしの目安です。

事業所得別の早見表(単身世帯)

全国1,706保険者の市町村標準保険料率の中央値 (所得割 9.9% + 均等割・平等割 66,685円)で計算しています。 事業所得は売上から経費と青色申告特別控除を引いたあとの金額です。

事業所得旧ただし書所得年額の目安月あたり
100万円 570,000 123,115 10,260
200万円 1,570,000 222,115 18,510
300万円 2,570,000 321,115 26,760
400万円 3,570,000 420,115 35,010
500万円 4,570,000 519,115 43,260
600万円 5,570,000 618,115 51,510
700万円 6,570,000 717,115 59,760
800万円 7,570,000 816,115 68,010
900万円 8,570,000 915,115 76,260
1,000万円 9,570,000 930,000 77,500

単位:円。旧ただし書所得は事業所得から基礎控除430,000円を引いた額です。 事業所得1,000万円の行が計算どおりに伸びていないのは、賦課限度額930,000円で頭打ちになるためです。

同じ所得でも住む場所で25.5倍変わる

事業所得300万円を、全国1,706保険者それぞれの市町村標準保険料率に当てはめると次のようになります。

  • 最も高い:高知県大川村 年586,290円(月48,858円)
  • 中央値:年321,235円(月26,770円)
  • 最も低い:東京都青ヶ島村 年22,982円(月1,915円)

差は年563,308円、倍率にして25.5倍です。 最高と最低はどちらも人口の少ない自治体で、極端な値になりやすい点には注意が必要です。 都道府県ごとの中央値で見ると次のようになります。

順位都道府県県内中央値県内最高県内最低保険者数
1 大阪府 400,841 400,841 400,841 43
2 大分県 376,364 416,816 311,583 18
3 佐賀県 372,721 386,991 342,535 20
4 長崎県 369,660 424,511 320,050 21
5 北海道 359,070 442,400 204,249 154
6 熊本県 353,745 388,374 180,657 45
7 愛媛県 350,607 366,785 303,304 20
8 沖縄県 345,811 411,391 153,638 41
9 和歌山県 343,226 402,459 291,517 30
10 東京都 340,397 399,305 22,982 61
11 福岡県 336,546 379,463 303,231 60
12 奈良県 333,923 350,167 313,520 39
13 徳島県 330,093 364,928 261,580 24
14 京都府 329,679 396,150 163,418 26
15 宮崎県 329,133 372,251 288,265 26
16 山口県 328,551 353,729 297,761 19
17 茨城県 327,071 346,008 215,570 43
18 青森県 326,998 358,464 298,574 40
19 岡山県 326,608 357,842 289,533 27
20 広島県 325,933 332,484 298,195 23
21 香川県 323,567 351,436 287,562 17
22 静岡県 322,811 360,477 279,385 35
23 山梨県 318,963 348,909 284,965 27
24 群馬県 318,586 369,507 229,831 35
25 神奈川県 318,106 339,273 206,663 33
26 岐阜県 318,098 353,445 261,513 41
27 宮城県 318,042 348,408 266,511 35
28 鳥取県 316,601 382,691 251,792 19
29 石川県 315,818 345,282 259,085 19
30 滋賀県 315,472 326,903 305,955 19
31 鹿児島県 314,964 364,789 213,591 43
32 兵庫県 314,643 341,553 263,722 41
33 愛知県 313,615 384,152 219,365 54
34 千葉県 312,275 373,379 276,374 52
35 高知県 310,483 586,290 245,975 34
36 山形県 310,178 342,147 240,532 31
37 福井県 306,937 327,658 274,186 17
38 秋田県 301,605 364,310 265,485 25
39 三重県 301,339 335,446 252,391 29
40 埼玉県 300,102 324,859 273,128 63
41 長野県 292,393 335,520 182,739 77
42 新潟県 290,893 429,409 261,596 30
43 福島県 289,536 333,905 120,350 59
44 島根県 282,607 308,487 239,937 19
45 富山県 278,647 290,835 236,470 15
46 岩手県 270,463 354,252 113,534 32
47 栃木県 265,626 303,129 242,625 25

単位:円(年額)。事業所得300万円・単身世帯の場合。 自分の市区町村の数字は市区町村別の国民健康保険料で調べられます。 全国1,707市区町村を1ページずつ載せています。

法人にすれば国保料は下がるのか — 相談で何を聞かれて、どこから費用がかかるか

「高すぎる」と感じる理由は会社が半分払っていたから

会社員の健康保険料は労使折半で、給与明細に載っているのは半分だけです。 残りの半分は会社が払っていて、本人は目にしません。 国民健康保険にはこの仕組みがないので、これまで見えていなかった半分がそのまま自分の請求に乗ります。

もうひとつの理由は、国民健康保険料が前年の所得で決まることです。 会社を辞めた年の保険料は、給与を受け取っていた年の所得で計算されます。 収入が下がったタイミングで、収入が高かった年の保険料を払うことになるため、負担感がさらに大きくなります。

なお、国民健康保険には会社員の健康保険にある傷病手当金出産手当金が原則ありません。 保険料が同じくらいでも、受け取れる給付は同じではありません。

国民健康保険料を下げられる4つの経路

1. 青色申告特別控除65万円を使う

国民健康保険料の計算に使う所得は、青色申告特別控除を引いたあとの金額です。 そのため65万円の控除は、所得税と住民税だけでなく国民健康保険料も下げます。 売上500万円・経費ゼロの場合で比べると次のとおりです。

  • 白色申告(控除なし):国民健康保険料 年519,115円
  • 青色申告 55万円控除:年464,665円(白色より54,450円安い)
  • 青色申告 65万円控除:年454,765円(白色より64,350円安い)

所得税・住民税とあわせた総額の差は青色申告65万円控除で税と国保はいくら下がるかで計算しています。

2. 国民健康保険組合に入る

国民健康保険は市区町村が保険者になるものだけではありません。 国民健康保険法第13条により、同種の事業または業務に従事する人で組織する国民健康保険組合があります。 組合の保険料は所得に関係なく定額のことが多く、所得が高いほど市区町村の国民健康保険より有利になる場合があります。 入れるかどうかは業種と組合の地区で決まるため、自分の職種の組合があるかを確認するところから始まります。

3. 会社の健康保険を任意継続する(20日以内・最長2年)

退職前に継続して2か月以上被保険者だった人は、会社の健康保険を退職後も続けられます。 申出の期限は資格を喪失した日から20日以内(健康保険法第37条)、 続けられる期間は任意継続被保険者となった日から2年(同法第38条)です。

ただし在職中は労使折半だった保険料が、任意継続では全額自己負担になります。 国民健康保険と任意継続のどちらが安いかは、前年の所得と住んでいる市区町村の料率で入れ替わります。 期限が20日と短いので、退職前に両方の金額を確認しておく必要があります。

4. 法人化して健康保険に移る

法人を設立して役員報酬を受け取る形にすると、加入する制度が国民健康保険から健康保険・厚生年金に変わります。 保険料は労使折半になりますが、法人側の負担も自分の会社が払うため、実質的な総額で比べる必要があります。 有利になるかは所得の水準、家族構成、役員報酬の設定で変わります。

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よくある質問

フリーランスの国民健康保険料はどう決まりますか?

前年の所得から基礎控除430,000円を引いた「旧ただし書所得」に所得割の料率をかけた額と、世帯・人数ごとの定額(均等割・平等割)の合計です。料率も定額も市区町村が条例で決めるため、住む場所で変わります。

同じ所得でも市区町村でどのくらい違いますか?

事業所得300万円を全国1,706保険者の市町村標準保険料率に当てはめると、最も低い東京都青ヶ島村が年22,982円、最も高い高知県大川村が年586,290円で、25.5倍の開きがあります。中央値は年321,235円です。

青色申告特別控除を使うと国民健康保険料も下がりますか?

下がります。国民健康保険料は所得をもとに計算され、その所得は青色申告特別控除を引いた後の額だからです。売上500万円・経費ゼロの場合、白色申告なら年519,115円のところ、65万円控除を使うと年454,765円になり、64,350円下がります。

国民健康保険料に上限はありますか?

あります。国民健康保険法施行令で、医療分は67万円、後期高齢者支援金等分は26万円を超えられないと決まっています。40歳未満で介護分がかからない場合、合計930,000円が上限です。所得が高くなるほど、保険料の増え方は頭打ちになります。

出典

※市町村標準保険料率は都道府県が算定して公表する標準の料率で、実際に各市区町村が条例で定めている料率とは異なることがあります。 また介護分(40歳以上65歳未満)と、所得が低い世帯の軽減(7割・5割・2割)は反映していません。 実際の保険料は世帯の人数・年齢・資産でも変わります。正確な金額はお住まいの市区町村の窓口にご確認ください。