iDeCoの手数料はいくら?加入時・毎月・給付時・移換時の費用、国民年金基金連合会の分と金融機関ごとに違う分、掛金が少ないと手数料負けするか

iDeCoの手数料のうち、国民年金基金連合会の分は決まった額です。加入時(初回のみ)が税込2,829円、掛金を納めるたびに税込105円。これに、運営管理機関と事務委託先金融機関(信託銀行)の分が毎月かかり、額は機関ごとに違います。掛金が少ないと、1回あたりの手数料が同じ額なので、割合が重くなります。投資信託の信託報酬は別の費用です。手数料の額と費目を、iDeCo公式と個人型年金規約の原文で整理します。

iDeCoの手数料は、いつ・誰に・いくら払うのか

iDeCo公式のよくあるご質問は、手数料を国民年金基金連合会・運営管理機関・事務委託先金融機関の3つに分けています。連合会は加入資格の取得や掛金の引き落としなどの事務、運営管理機関は口座管理や運用の事務、事務委託先金融機関(信託銀行)は積立金の管理と給付に係る事務を担います。

いつ誰に払う額
加入するとき・他の制度から資産を移すとき(初回のみ)国民年金基金連合会税込2,829円
掛金を納めるたび(加入者)国民年金基金連合会税込105円
毎月(口座の管理)運営管理機関・事務委託先金融機関機関ごとに異なる
給付を受けるとき事務委託先金融機関など機関ごとに異なる
掛金の還付が起きたとき国民年金基金連合会(ほか機関)連合会の分は税込1,048円

※出典:iDeCo公式「よくあるご質問」の手数料の項、個人型年金規約(令和8年10月更新)第141条〜第145条、運営管理機関一覧の機関別PDF(2026年10月3日確認)。連合会の手数料は掛金から差し引かれます。

給付を受けるときの手数料は、規約が定める連合会の手数料(第142条)には項目がありません。確認した機関のPDFでは、給付事務の手数料が事務委託先金融機関の欄に、給付1回あたりの額で載っています。

連合会の分は、2027年(令和9年)1月1日以後に納付する掛金から変わる予定です。規約(令和8年10月更新)は、掛金を拠出するときの手数料を「120円に拠出期間の月数を乗じた額」と定めており、現在の掛金1回につき105円の方式に替わります。毎月納める人なら月120円の計算です(規約は、税込かどうかを書いていません)。

公式のよくあるご質問は、掛金の還付が起きたときも連合会の手数料が1,048円としています。規約第142条第3号の1,048円は、企業型年金の資産管理機関から移換を受け入れたときの額として書かれています。自動移換のときの手数料は、転職の記事に表でまとめています(iDeCoは転職したらどうなる)。解約や運用指図者の手続きはiDeCoは解約できるに任せます。

金融機関ごとに違う手数料は、どこまで違うのか

運営管理機関と事務委託先金融機関の分は、iDeCo公式のよくあるご質問が「機関により異なりますので、運営管理機関にお問い合わせください」と案内しており、金額は公式のページ本文には載っていません。金額が載っているのは、運営管理機関一覧から開く機関別のPDFです。2026年10月3日に、一覧に載る144件のPDFの先頭の表を確かめました(合計額を読み取れた133件を集計)。

費目確認した範囲誰の分
毎月の口座管理手数料(加入者)合計で月66円〜545円(66円を超える表の中央値は376円)事務委託先金融機関+運営管理機関
うち運営管理機関の欄が「-」の表74機関(合計が月66円で、事務委託先金融機関の分だけ)運営管理機関の分は書かれていない
給付1回あたりの事務手数料440円が大半(読み取れた106件中101件)。385円・396円・550円の表もある事務委託先金融機関など

※出典:iDeCo公式「運営管理機関一覧」から開く機関別の手数料PDF(2026年10月3日に144件中133件の先頭の表を集計)。PDFごとに最終更新日が異なり(2019年〜2026年)、複数の表があるPDFは先頭の表だけを数えています。最新の額は、各機関のPDFか窓口で確かめてください。

「運営管理機関の手数料が0円の機関もあるか」と言えば、PDFの表で運営管理機関の欄が「-」になっている機関があります。ただし、その表でも事務委託先金融機関の分(月66円など)はかかるので、口座管理の手数料が完全に0円というわけではありません。ここでは金融機関の名前を挙げません。

iDeCo公式は、金融機関を選ぶ着眼点として「毎月の管理手数料なども、金融機関によって異なります。サービス内容と併せて検討してみましょう」と書いています。手数料の安さだけでなく、運用商品の種類やサービスと併せて見る、という案内です。運営管理機関の変更は可能ですが、書類提出後2〜3か月ほどかかり、機関によって手数料の負担があります。

運用指図者になっても、手数料はかかるのか

運用指図者は、掛金を出さずに積み立てた資産の運用だけを続ける人です。国民年金基金連合会の分は、規約第142条が定める手数料のうち、掛金を拠出するときの手数料(第2号)が掛金を出す加入者にだけかかり、運用指図者向けの毎月の項目はありません(連合会が毎月40円を取るのは、自動移換された連合会移換者です)。

一方、運営管理機関と事務委託先金融機関の分は、規約第144条・第145条が、加入者等の個人別管理資産から手数料を徴収できると定めています。確認した機関のPDFにも、運用指図者の毎月の口座管理手数料の欄があり、事務委託先金融機関と運営管理機関の分が載っています。運用指図者でも口座管理の手数料はかかる場合があり、額は機関ごとに違います。

掛金が少ないと手数料負けするか:月5,000円と月2万円の例

手数料は、掛金が多くても少なくても1回あたり同じ額です。そのため、掛金が少ないほど手数料の割合が重くなります。毎月掛金を納める場合の、1年間の手数料と、年間の掛金に対する割合です(当サイト試算)。

  • 国民年金基金連合会の分は、公式のよくあるご質問の税込105円(掛金の納付1回ごと)、年12回としています。加入時の2,829円は含めていません。
  • 運営管理機関・事務委託先金融機関の分は、上の機関別PDFの毎月の口座管理手数料の最小値(月66円)と、66円を超える表の中央値(月376円)を使います。特定の金融機関の額ではありません。
  • 信託報酬、運用益・損失、掛金の所得控除による節税は含めていません。
掛金と前提年間の手数料年間の掛金に対する割合
月5,000円、他機関の分は月66円 2,052円 約3.4%
月5,000円、他機関の分は月376円 5,772円 約9.6%
月20,000円、他機関の分は月66円 2,052円 約0.9%
月20,000円、他機関の分は月376円 5,772円 約2.4%

※当サイト試算。手数料=(105円+他機関の月額)×12か月、割合=手数料÷(月額掛金×12か月)。2027年1月から連合会の分を月120円とすると、他機関の分が月66円の場合の年間の手数料は2,232円です。年収別の節税額はiDeCoの節税額(年収別)で確かめられます。

他機関の分が最小の月66円なら、月5,000円でも割合は約3.4%です。月376円の表では、月5,000円の掛金に対し年間の手数料が約9.6%と、掛金のおよそ1割にあたる計算になります。月2万円なら約2.4%です。これは手数料の割合を数えた結果で、掛金の額や金融機関を勧めるものではありません。掛金を出した年は所得控除で税が減る一方、運用の増減や受け取るときの税もかかるため、手数料の割合だけでは損得は決まりません。

信託報酬は、手数料とは別の費用

ここまでの手数料は、口座や制度の運営にかかる費用です。iDeCo公式のよくあるご質問は、これとは別に「運用商品によっては、信託報酬等の手数料がかかります」と書いています。信託報酬は、投資信託などの運用商品を保有している間、商品ごとにかかる費用で、掛金の額や口座の手数料とは別に商品の説明で確かめられます。

iDeCoの運用は、運営管理機関が提示する商品の中から加入者自身が選び、運用の損失の補てんはありません(iDeCo公式)。掛金の拠出や運用商品、金融機関の選択を勧めるものではありません。

よくある質問

Q. iDeCoの手数料は、いくらかかりますか?

A. iDeCo公式のよくあるご質問は、手数料を3つの機関に分けています。国民年金基金連合会は、新規に加入者の資格を取得したとき、または資産を移換したときに税込2,829円(初回のみ)、加入者は掛金を納付するたびに税込105円、掛金の還付が起きたときは税込1,048円です。運営管理機関と事務委託先金融機関(信託銀行)は、機関によって額が異なり、公式は運営管理機関への問い合わせを案内しています。運用商品によっては、これとは別に信託報酬等がかかります(2026年10月3日確認)。

Q. 運営管理機関の手数料は、どこで調べられますか?

A. iDeCo公式の「運営管理機関一覧」から、機関ごとの手数料のPDFが開けます。PDFには、加入時、掛金を納めるとき、毎月の口座管理手数料、給付のとき、還付のときが、国民年金基金連合会・事務委託先金融機関・運営管理機関の3つの欄に分けて載り、最後の行が合計額です。PDFごとに更新日が違うため、申し込む前に、その機関の最新のPDFか窓口で確かめてください。

Q. 運用指図者になると、手数料はかかりますか?

A. 掛金を出さない運用指図者でも、手数料がかかる場合があります。確認した機関のPDFでは、運用指図者の毎月の口座管理手数料の欄に、事務委託先金融機関と運営管理機関の分が載っています。個人型年金規約は、運営管理機関と事務委託先金融機関が加入者等から手数料を徴収できると定めています(第144条・第145条)。額は機関ごとに違うので、運営管理機関に確かめてください。

Q. 手数料は、どうやって支払うのですか?

A. 国民年金基金連合会の手数料は、掛金から差し引かれます(iDeCo公式)。運営管理機関と事務委託先金融機関の手数料は、運営管理機関に確かめるよう案内されています。確認した機関のPDFには、口座管理手数料を毎月の掛金から徴収すると書かれていました。

Q. 掛金が少ないと、手数料の割合は高くなりますか?

A. 手数料は掛金の額に関わらず1回あたり同じ額なので、掛金が少ないほど割合は重くなります。当サイトの試算では、国民年金基金連合会の分(105円)と他機関の分が月66円の場合、年間の手数料の割合は月5,000円の掛金で約3.4%、月2万円で約0.9%です。他機関の分が月376円なら、月5,000円で約9.6%、月2万円で約2.4%です。運用で増減する分や税の効果は含めていません。

Q. 運営管理機関を変えると、手数料はかかりますか?

A. iDeCo公式は、運営管理機関の変更に伴って手数料を負担する場合があるとしています。変更の手続きでは、変更先から加入者等運営管理機関変更届(K-004)を取り寄せ、資産の移換が終わるまで書類提出後2〜3か月ほどかかります。機関PDFにも「運営管理機関変更時手数料」の欄がありますが、記入がない機関もあります。

Q. 信託報酬は、手数料に含まれますか?

A. 含まれません。信託報酬は、投資信託などの運用商品ごとにかかる費用で、iDeCo公式のよくあるご質問も「運用商品によっては、信託報酬等がかかります」と、口座の手数料とは別に挙げています。運用商品ごとの信託報酬は、運営管理機関が示す商品説明で確かめられます。

参考・出典

※手数料の額は、2026年10月3日現在にiDeCo公式サイトと機関別PDFで確認した額で、変わることがあります。2027年1月1日以後の連合会の手数料は規約の定めで、現在は未施行です。掛金の拠出や運用商品、金融機関の選択を勧めるものではなく、投資の勧誘でもありません。申し込む前に、各運営管理機関の最新の手数料表をご確認ください。

運

会社員の計算帳 運営事務局

本サイトは個人が運営する情報提供サイトです。労働・税金・社会保険について、厚生労働省・国税庁・金融庁などの公開情報をもとに記事を編集・公開しています。お問い合わせは お問い合わせフォーム よりお願いします。