iDeCoの年末調整の書き方|小規模企業共済等掛金控除の欄・証明書はいつ届く・給与天引きなら書かない・忘れたら確定申告

会社に勤めている方向けの解説です。給与から掛金が引かれている(事業主払込)なら、年末調整の申告書に書く必要はありません。本人名義の口座から引き落とされている(個人払込)場合は、国民年金基金連合会が10月に送る「小規模企業共済等掛金払込証明書」の合計金額を、保険料控除申告書の「小規模企業共済等掛金控除」の欄に書いて証明書を添えます。令和8年分の証明書は、電子データが10月21日から順次、ハガキが10月23日発送予定と案内されています。この記事では、国税庁とiDeCo公式の原文で、欄の見方、届く時期と再発行、書き忘れたときの確定申告を整理します。

書く人と書かない人

iDeCoの掛金は、国税庁の分類では小規模企業共済等掛金控除の対象で、控除できる金額はその年に支払った掛金の全額です(No.1135)。年末調整で書くかどうかは、掛金の払い方で分かれます。

掛金の払い方申告書に書く?払込証明書
事業主払込(給与から天引き)書かない。給与から差し引かれた掛金は記載しない発行されない
個人払込(本人名義の口座から引き落とし)書く。証明書の合計金額を「個人型年金加入者掛金」の欄に毎年10月ごろ連合会から届く

出典:国税庁「令和8年分 各種控除について(給与所得者用)」記載例、国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」2-3、iDeCo公式(国民年金基金連合会)の「よくあるご質問」と控除証明書のページ、2026年10月2日確認。

事業主払込の場合、iDeCo公式は、事業主が給与計算の際に掛金を控除して源泉徴収税額を算出し、年末調整は毎月の源泉徴収で把握されている納付済掛金額に基づいて行うため、払込証明書の発行はされないと説明しています。この場合は、毎月の給与から差し引かれる分として控除が済んでいます。

自分がどちらか分からないときは、iDeCo公式の定義が目安になります。事業主の口座からの口座振替が事業主払込、加入者本人名義の口座からの口座振替が個人払込です。確実に知りたいときは、勤務先の給与担当部署か、加入手続をした運営管理機関にご確認ください。

保険料控除申告書の書き方全般(生命保険料・地震保険料・社会保険料の欄など)は、保険料控除申告書の書き方にまとめています。

申告書のどの欄に書くか

個人払込の方は、「給与所得者の保険料控除申告書」の「小規模企業共済等掛金控除」の欄に書きます。国税庁の記載例(令和8年分)で、この欄は次の行でできています。

欄の行iDeCoの場合書くこと
確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金iDeCoの掛金はここあなたが本年中に支払った掛金の金額
確定拠出年金法に規定する企業型年金加入者掛金企業型DCを本人が直接支払った分同上
独立行政法人中小企業基盤整備機構の共済契約の掛金小規模企業共済同上
合計(控除額)各行の合計各行の合計額

出典:国税庁「令和8年分 各種控除について(給与所得者用)」保険料控除申告書の記載例(pdf/307.pdf)、2026年10月2日に記載例の画像で確認。このほか「心身障害者扶養共済制度に関する契約の掛金」の行があります。記載例の欄は空欄で、金額の例はありません。

国税庁の記載例には、「iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金など、あなたが直接支払った小規模企業共済等掛金を記載します。給与から差し引かれた掛金は記載しません」とあります。また「給与所得者の保険料控除申告書」を提出する際は、証明書類の添付等が必要です。

書く金額は、iDeCo公式が証明書の見本に付けた案内のとおり、証明書に記載の「合計金額」です。生命保険料控除の欄(個人年金保険料を含む)とは別の欄で、同じ申告書の別のところに書きます。

掛金を払い込んだ分の節税額を確かめたいときは、iDeCoの節税額 年収別早見表が使えます。

払込証明書はいつ届く・再発行は

個人払込の方に、国民年金基金連合会が毎年10月に払込証明書(控除証明書)を送ります。iDeCo公式の2026年10月1日のお知らせでは、令和8年分の発行は次のとおりです。

形式令和8年分の予定備考
電子データ10月21日から順次発行予定別途申し込みが必要
ハガキ10月23日発送予定令和8年中に払込実績があった方が対象

出典:iDeCo公式(国民年金基金連合会)お知らせ「令和8年分 小規模企業共済等掛金払込証明書の発行について」(2026年10月1日掲載)、2026年10月2日確認。予定は変わることがあります。

10月に届く証明書の金額は、1月から9月に払い込んだ額に、10月から12月は払込予定の額を加えたものです。年の途中で始めた方など、初回の払込が10月以降の方や金額に変更が出た方には、例年11月下旬・12月下旬・翌年1月下旬に追加で発行されます。

iDeCo公式の事業主向けの案内は、年末調整に間に合わない場合は確定申告が必要としています。遅れた場合の扱いは勤務先によって異なることがあるので、先に勤務先の担当部署に確認してください。

再発行は、iDeCo公式が、住所変更や証明書の再発行を希望する場合は、加入手続をした際の受付金融機関(運営管理機関)に申し出るよう案内しています。電子データは、マイナポータルを使う「e-iDeCoサービス」の利用登録をすると受け取れ、勤務先が電子データの年末調整に対応している場合に使えます。マイナポータル連携のやり方は年末調整のマイナポータル連携とはにあります。

いくら節税になるか

iDeCoの掛金は、年額の全額が所得から引かれます。国税庁の「年末調整のしかた」は、本人が直接支払った掛金は、本人から提出された保険料控除申告書の金額に基づいて控除するとしています。個人払込の方が申告書に書かないと、その分は年末調整に反映されません。節税額は、年収別に次の目安になります。

年収(額面)月2万円(年24万円)月2.3万円(年27.6万円)
300万円36,252円41,690円
400万円36,252円41,690円
500万円36,252円41,690円
600万円48,504円55,780円
800万円73,008円83,959円

1年間の所得税と住民税の合計の目安です。独身・扶養なし・東京都・40歳未満の概算で、iDeCoの節税額 年収別早見表と同じ前提です。掛金の上限は、厚生労働省の案内で、企業年金等に加入していない会社員が月2.3万円、企業型DCや確定給付企業年金などに加入している会社員が月2万円です。

年収や家族構成、住んでいる自治体によって、実際の額は変わります。上限額の引き上げ予定などは、iDeCoの節税額 年収別早見表にまとめています。

書き忘れたら確定申告

個人払込なのに申告書に書かずに年末調整が終わった場合、国税庁のNo.1135は、この控除を受けるには確定申告書の小規模企業共済等掛金控除の欄に記入するとしています。支払った掛金の証明書を確定申告書に添付するか、提出するときに提示します。iDeCo公式も、証明書の合計金額を確定申告書の同じ欄に記入して、証明書と合わせて申告するよう案内しています。

  • 期限は、国税庁のNo.2030で、還付申告はその年の翌年1月1日から5年間提出できると説明されています(源泉徴収された所得税が計算した税額より多いとき)。
  • 令和8年分以後の確定申告書を令和9年1月1日以後に提出するときは、掛金の証明書の添付または提示に代えて、一定の事項の記載がある明細書を添付することもできます(No.1135)。
  • 年末調整が終わった後に気づいたときの訂正の扱いは、年末調整の間違いに気づいたらにまとめています。

確定申告のやり方は、国税庁の確定申告書等作成コーナーで画面の案内に沿って入力できます。

よくある質問

Q. 給与からiDeCoの掛金が引かれています。年末調整で何か書く必要はありますか?

A. 国税庁の記載例は、保険料控除申告書の小規模企業共済等掛金の欄には「あなたが直接支払った」掛金を記載し、給与から差し引かれた掛金は記載しないとしています。iDeCo公式(国民年金基金連合会)も、事業主払込(給与天引)の場合は給与から掛金を控除して源泉徴収が行われるため、個人での申告手続きは不要としています。

Q. 自分が事業主払込か個人払込か、どう見分ければよいですか?

A. iDeCo公式の説明では、事業主の口座からの口座振替で掛金を納付する方法が事業主払込、加入者本人名義の口座からの口座振替で納付する方法が個人払込です。事業主払込の場合は給与から掛金が控除されます。確実に知りたいときは、勤務先の給与担当部署か、加入手続をした運営管理機関に確認してください。

Q. 払込証明書が届く前に、会社の年末調整の提出期限が来そうです。

A. iDeCo公式の事業主向けの案内は、年末調整に間に合わない場合は確定申告が必要としています。令和8年分は電子データが10月21日から順次、ハガキが10月23日発送予定と案内されています。提出期限や、遅れた場合の扱いは勤務先によって異なることがあるので、先に勤務先の担当部署に確認してください。

Q. 払込証明書をなくしました。再発行できますか?

A. iDeCo公式は、住所変更や証明書の再発行を希望する場合は、加入手続をした際の受付金融機関(運営管理機関)に申し出るよう案内しています。連合会の様式には「小規模企業共済等掛金払込証明書再発行申請書(K-024A)」があります。

Q. iDeCoの掛金は、生命保険料控除の個人年金保険料の欄に書きますか?

A. いいえ。国税庁のNo.1135は、確定拠出年金法の個人型年金加入者掛金を小規模企業共済等掛金控除の対象としています。申告書では、生命保険料控除とは別の「小規模企業共済等掛金控除」の欄に書きます。

Q. 企業型DCの掛金も書きますか?

A. 国税庁の「年末調整のしかた」は、確定拠出年金法の企業型年金加入者掛金も小規模企業共済等掛金に含めています。毎月の給与から差し引かれるものは掛金を支払ったことの証明書類が必要なく、本人が直接支払ったものだけが申告書の金額に基づく控除になります。

Q. 年末調整で出し忘れたときは、どうすればよいですか?

A. 国税庁のNo.1135は、この控除を受ける場合は確定申告書の小規模企業共済等掛金控除の欄に記入するとしています。iDeCo公式も、証明書の合計金額を確定申告書の同じ欄に記入して証明書と合わせて申告するよう案内しています。還付申告は、国税庁のNo.2030で、その年の翌年1月1日から5年間提出できると説明されています。

Q. 払込証明書は電子データで出せますか?

A. iDeCo公式によると、電子データを受け取るには「e-iDeCoサービス」の利用登録が必要で、勤務先が電子データによる年末調整に対応している場合に使えます。国税庁のマイナポータル連携でも、小規模企業共済等掛金控除証明書は小規模企業共済掛金とiDeCoの掛金に限って対象です。

参考・出典

※国税庁とiDeCo公式に書かれている範囲の整理です。個別の掛金の払い方や、勤務先の年末調整の扱いは、勤務先の担当部署、加入した運営管理機関、税務署でご確認ください。節税額は概算です。

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