国民年金保険料の年末調整の書き方|社会保険料控除の欄・控除証明書はいつ届く・家族の分・転職した年・忘れたら確定申告

会社に勤めていて、国民年金保険料を自分で納めた年がある方向けの解説です。給与から天引きされている厚生年金は、年末調整の申告書に書く必要はありません。自分で納めた国民年金保険料は、保険料控除申告書の「社会保険料控除」の欄に、日本年金機構から届く控除証明書の合計額を書いて、証明書を添えます。家族の分を納めた場合も、納めた人がまとめて申告できます。この記事では、国税庁と日本年金機構の原文で、欄の見方、証明書が届く時期と再発行、転職した年の扱い、書き忘れたときの確定申告を整理します。

書く人と書かない人

国民年金保険料は、国税庁の分類では社会保険料控除の対象です。控除できる金額は、その年に実際に支払った金額の全額です(No.1130)。年末調整で書くかどうかは、保険料の払い方で分かれます。

保険料の払い方申告書に書く?控除証明書
厚生年金・健康保険(給与から天引き)書かない。給与から差し引かれた社会保険料は記載しない日本年金機構は作らない。勤務先が控除額を算出する
国民年金を自分で納付書く。控除証明書の合計額を納めた年に日本年金機構から届く。添付または提示が必要
国民健康保険料を自分で納付書く証明書類は要らない

出典:国税庁「令和8年分 各種控除について(給与所得者用)」記載例、国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」2-3、日本年金機構の年金Q&A(被用者年金の加入者に控除証明書は送られますか)、2026年10月2日確認。

国税庁の「年末調整のしかた」は、社会保険料を2つに分けています。健康保険や厚生年金保険、雇用保険などのように毎月の給与から差し引かれているものと、国民健康保険や国民年金などのように本人が直接支払っているものです。後者は、本人から提出された保険料控除申告書の金額に基づいて控除されます。

保険料控除申告書の書き方全般(生命保険料・地震保険料の欄など)は、保険料控除申告書の書き方にまとめています。

申告書のどの欄に書くか

「給与所得者の保険料控除申告書」の「社会保険料控除」の欄に書きます。国税庁の記載例(令和8年分)で、この欄は2行と合計でできていて、見出しは次の4つです。

欄の見出し国民年金の場合備考
社会保険の種類「国民年金」国民健康保険料も納めた年は、別の行に
保険料支払先の名称国税庁の記載例に書き方の例はない迷うときは勤務先の担当部署へ
保険料を負担することになっている人の氏名自分の分は自分、家族の分はその家族家族の分は次の章
あなたが本年中に支払った保険料の金額控除証明書の「③合計額」下の「いつ届く」の章

出典:国税庁「令和8年分 各種控除について(給与所得者用)」保険料控除申告書の記載例(pdf/307.pdf)、2026年10月2日に記載例の画像で確認。記載例の欄は空欄で、金額や名称の例はありません。

国税庁の記載例には、「国民年金保険料など、あなたが直接支払った社会保険料を記載します。給与から差し引かれた社会保険料は記載しません」とあり、「国民年金の保険料や国民年金基金の加入員として負担する掛金を記載する場合は、『給与所得者の保険料控除申告書』を提出する際、その証明書類の添付等が必要です」と注記されています。

支払先の名称の欄は、記載例に書き方の例がありません。国民年金保険料の控除証明書は日本年金機構が送りますが、証明するのは厚生労働省年金局事業管理課長(歳入徴収官)名義です。どう書くか迷う場合は、申告書を受け取る勤務先の年末調整の担当部署にご確認ください。

控除証明書はいつ届く・再発行は

日本年金機構は、国民年金保険料を納めた方(被保険者本人あて)に、毎年、控除証明書を送ります。令和8年分の発行ページは、2026年10月2日時点で日本年金機構のサイトに掲載がありませんでした。参考として、令和7年分の送付日は次のとおりでした。

形式保険料を納めた期間令和7年分の送付
電子データ1月〜9月10月16日から10月下旬にかけて順次
電子データ10月〜12月(上の対象を除く)翌年1月29日から順次
書面(郵送)1月〜9月10月24日から11月上旬にかけて順次
書面(郵送)10月〜12月(上の対象を除く)翌年2月9日

出典:日本年金機構「令和7年分社会保険料(国民年金保険料)控除証明書の発行について」(2026年10月2日確認)。電子データの送付対象の方には書面の郵送は行われません。令和8年分の日程は、決まり次第、日本年金機構のサイトで確認してください。

10月ごろに届く証明書には、①納付済額(1月1日から9月30日までに納付した額)のほか、②見込額(10月から12月に納付が見込まれる額)と③合計額が載ります。申告するのは「③合計額」で、記載がなければ「①納付済額」です。10月以降に、証明書の納付状況の内訳で「済」「見」と表示された月以外の保険料を納めたときは、証明書に加えて領収証書を添付して、合算して申告します。口座振替の11月分(早割の方は12月分)は、翌年の第1営業日が口座振替日のため翌年分の控除対象です。

再発行は、日本年金機構が「ねんきんネット」でオンライン申請できるとしています。マイナポータル経由で入ると、紙でも電子データでも申請できます。受付から発送まで1週間程度で、ねんきん自動音声送付受付サービス、ねんきん加入者ダイヤル、年金事務所でも受け付けています。電子データの受け取り方は年末調整のマイナポータル連携とはにあります。

家族の国民年金を払った場合

国税庁のNo.1130は、自分と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合も、その金額を自分の社会保険料控除にできるとしています。日本年金機構も、配偶者や家族の国民年金保険料を納めたときは、納めた方がご自身の保険料額とあわせて申告できるとしています。

場面控除の対象出典
生計を一にする家族の分を自分が納めた自分の分とあわせて自分の控除にNo.1130、機構Q&A
子の過去3年分をまとめて納めた本年中に支払ったものなら、過去の年分でも本年分にNo.1130 Q&A
途中で子と生計が別になり、その後も納めている生計を一にしていた期間に納めた分だけNo.1130 Q&A

出典:国税庁 No.1130 社会保険料控除とそのQ&A(令和8年4月1日現在法令等)、日本年金機構の年金Q&A(家族の国民年金保険料を納めた場合)、2026年10月2日確認。生計を一にするかどうかは、保険料を支払った時点で判定して差し支えないとされています。

控除証明書は被保険者本人あてに送られます。家族の分を納めた方は、納めたときの領収証書や、家族あての証明書を、自分の申告書に添付等する形になります。国税庁の「年末調整のしかた」は、証明書類を、厚生労働省または国民年金基金が発行した保険料の領収書や証明書などとしています。

転職した年・パートの場合

年の途中で転職した年は、書く分と書かない分が混ざります。

  • 前の会社の給与から天引きされた分:書きません。国税庁の「年末調整のしかた」は、本年中に転職してきた人について、前の勤務先で給与から差し引かれた社会保険料等も含めて集計するとしていて、前の勤務先から交付された源泉徴収票などで確認するとあります。集計するのは新しい勤務先です。
  • 退職してから次の入社までに、自分で国民年金を納めた分:書きます。日本年金機構は、厚生年金や共済組合に加入している方でも、その年に国民年金保険料を一度でも納めた場合は、国民年金保険料の控除証明書を送るとしています。
  • パートで勤務先の社会保険に入っていない場合:国民年金や国民健康保険を自分で納めているなら、その分が申告書に書く分です。

転職した年の年末調整全般(前職の源泉徴収票の出し方など)は転職した年の年末調整はどうする?に、パートの申告書はパートの年末調整の書き方にまとめています。国民年金に入る手続きや、空白の間の保険料の決まり方は転職で社会保険に空白ができたらで整理しています。

国民健康保険料も同じ欄

国民健康保険の保険料や国民健康保険税も、国税庁のNo.1130で社会保険料に含まれています。自分で納めた年は、国民年金と同じ「社会保険料控除」の欄の別の行に書きます。

違いは証明書類です。国税庁の「年末調整のしかた」は、国民年金の保険料と国民年金基金の掛金には支払ったことを証明する書類が必要で、それ以外の保険料には必要はないとしています。国民年金だけが、控除証明書か領収証書を添付または提示する扱いです。国民健康保険料の金額の確かめ方や、いつからいつまでの分かは国民健康保険料の年末調整の書き方にまとめています。

書き忘れたら確定申告

自分で納めた国民年金保険料を申告書に書かずに年末調整が終わった場合は、確定申告で社会保険料控除を受けられます。国税庁のNo.1130は、国民年金の保険料の控除は、証明書類を確定申告書に添付するか、提出するときに提示するとしています。申告先は所轄税務署です。

  • 期限は、国税庁のNo.2030で、還付申告はその年の翌年1月1日から5年間提出できると説明されています(源泉徴収された所得税が計算した税額より多いとき)。
  • 令和8年分以後の確定申告書を令和9年1月1日以後に提出するときは、国民年金の保険料の金額を証する書類の添付または提示に代えて、一定の事項の記載がある明細書を添付することもできます(No.1130)。
  • 年末調整が終わった後に気づいたときの訂正の扱いは、年末調整の間違いに気づいたらにまとめています。

確定申告のやり方は、国税庁の確定申告書等作成コーナーで画面の案内に沿って入力できます。

よくある質問

Q. 厚生年金に入っています。年末調整で国民年金の欄に何か書く必要はありますか?

A. 国税庁の記載例は、保険料控除申告書の社会保険料控除の欄には「国民年金保険料など、あなたが直接支払った社会保険料」を記載し、給与から差し引かれた社会保険料は記載しないとしています。毎月の給与から差し引かれる厚生年金保険や健康保険の保険料は、勤務先が集計します。

Q. 申告書に書く金額は、控除証明書のどの金額ですか?

A. 日本年金機構の令和7年10月のハガキ見本には、「③合計額」を申告し、「③合計額」に記載がない場合は「①納付済額」を申告するとあります。10月1日から12月31日までに、証明書の納付状況の内訳で「済」「見」と表示された月以外の保険料を納めた場合は、証明書に加えて領収証書を添付して合算して申告します。

Q. 控除証明書が届く前に、会社の年末調整の提出期限が来そうです。

A. 国税庁の「年末調整のしかた」は、証明書類の交付を請求中などで確認できない場合でも、翌年1月末日までに提出または提示することを条件に、社会保険料控除をしたところで年末調整を行ってもよいとしています。実際の提出期限や扱いは勤務先によって異なることがあるので、先に勤務先の担当部署に確認してください。

Q. 控除証明書をなくしました。再発行できますか?

A. 日本年金機構は、再発行を「ねんきんネット」でオンライン申請できるとしています。ユーザーIDとパスワードで入った場合は紙の証明書のみ、マイナポータル経由なら紙または電子データの再発行申請ができます。申請の受付から発送まで1週間程度とされています。ねんきんネットを使えない場合は、ねんきん自動音声送付受付サービス、ねんきん加入者ダイヤル、年金事務所でも受け付けています。

Q. スマホアプリや口座で納めたので、領収証書がありません。

A. 日本年金機構は、領収証書が手元にない方には、直近の納付実績を反映した控除証明書を再発行できるとしています。1月から9月末までに納付した方には、10月下旬から11月上旬にかけて控除証明書が送られる案内もあります。

Q. 国民年金保険料を2年分まとめて前納しました。

A. 国税庁のNo.1130のQ&Aは、2年前納した全額を、支払った年分の社会保険料控除の対象として差し支えないとしています。各年分に相当する額を各年に控除する方法も選べます。日本年金機構は、13カ月以上の前納の場合は、全額を納めた年に控除する方法と、各年に分ける方法のどちらかを選ぶよう案内していて、各年に分ける場合は証明書の該当する年の分を切り離して添付するとしています。

Q. 国民年金基金の掛金も同じ欄に書きますか?

A. 国税庁のNo.1130は、国民年金基金の加入員として負担する掛金も社会保険料に含めています。国民年金の保険料と同じく、保険料控除申告書に証明書類を添付または提示する必要があるとされています。

Q. 国民年金の控除証明書は、電子データで受け取れますか?

A. 日本年金機構は、電子データの控除証明書を送っているとしています。受け取った電子データは、国税庁のe-Taxでの確定申告などに利用できます。年末調整での使い方は、マイナポータル連携の記事にまとめています。

参考・出典

※国税庁と日本年金機構に書かれている範囲の整理です。個別の事情や、勤務先の年末調整の扱いは、勤務先の担当部署、税務署、年金事務所でご確認ください。令和8年分の控除証明書の日程は、2026年10月2日時点で日本年金機構のサイトに載っていなかったため、令和7年分の実績を書いています。

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