本記事はアフィリエイト広告(PR)を含みます。税の取扱いは、国税庁・各県の公式ページを2026年10月20日に確認した内容です。
移住支援金の確定申告は必要?一時所得の計算(50万円の特別控除)と書き方
移住支援金は一時所得にあたります。一時所得の金額は「受け取った額 − 収入を得るために支出した金額 − 特別控除額(最高50万円)」で、税額を出すときはその2分の1を給与など他の所得と合計します。支出が無いとして、単身の60万円なら一時所得は10万円、世帯の100万円なら50万円です。給与を1か所から受けて年末調整で済んでいる会社員は、給与・退職金以外の所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要です。
移住支援金は一時所得(根拠)
移住支援金を一時所得とする根拠は、国税庁の文書回答事例にあります。移住支援事業を所管する内閣府(地方創生推進事務局)が、課税関係を国税庁に照会し、平成31年4月10日に国税庁課税部審理室長が「ご照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありません」と回答しています。
照会では、移住支援金は「利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得のいずれにも該当」せず、支給対象から官公庁に新規就業した人が除かれていることから給与所得にも当たらず、「営利を目的とする継続的行為から生じたものではなく、労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質も認められないとともに、一時に支給されるものであるから、一時所得に該当すると考える」と整理されています。
沖縄県・鹿児島県・宮城県の移住支援金のページにも、「所得税法(昭和40年法律第33号)の第34条に規定される一時所得に該当」すると書かれています。ただし、国税庁は同じ回答に「個々の納税者が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあります」とも添えています。
一時所得の計算(50万円の特別控除と2分の1)
国税庁のタックスアンサー No.1490(令和8年4月1日現在法令等)は、一時所得を次のように計算するとしています。
- 一時所得の金額 = 総収入金額 − 収入を得るために支出した金額 − 特別控除額(最高50万円)
- 税額の計算では、その所得金額の2分の1に相当する金額を、給与所得などの他の所得の金額と合計して総所得金額を求めます
移住支援金の額は、福岡県の公式ページでは「単身での移住の場合60万円」「世帯での移住の場合100万円+子ども一人につき最大100万円」です(市町村で異なります)。支出した金額が無いとして計算すると、次のようになります。
| 受け取った額 | 特別控除(最高) | 一時所得の金額 | 2分の1 |
|---|---|---|---|
| 60万円(単身) | 50万円 | 10万円 | 5万円 |
| 100万円(世帯) | 50万円 | 50万円 | 25万円 |
| 200万円(世帯100万円+子ども1人分の加算が上限の100万円) | 50万円 | 150万円 | 75万円 |
※「支出した金額」を0円として計算した例です。同じ年に生命保険の満期返戻金など、ほかの一時所得がある場合は、合計して計算します(No.1490)。
会社員は確定申告が必要?
国税庁のタックスアンサー No.1900 では、給与を1か所から受けていて、その給与の全部が源泉徴収の対象になっている場合に、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円を超える人は確定申告が必要とされています(確定申告をすれば税金が還付される人を除く)。
| 受け取った額 | 一時所得の金額(2分の1にする前/後) | 20万円との関係 |
|---|---|---|
| 60万円(単身) | 10万円/5万円 | どちらで見ても20万円以下。ほかに給与・退職金以外の所得がなければ、No.1900 の確定申告が必要な人にあたりません |
| 100万円(世帯) | 50万円/25万円 | どちらで見ても20万円を超えます。確定申告が必要な側にあたります |
副業の所得や、ふるさと納税のワンストップ特例を使っている場合は事情が変わります。ワンストップ特例の扱いはふるさと納税ワンストップ特例の期限、給与以外の所得があるときの住民税の申告は副業が20万円以下でも住民税の申告は必要にまとめています。
申告の準備と書き方・必要書類
申告書に載せる数字は、次の順に用意します。
- 受け取った額:市町村から届いた交付決定の通知書や、振り込みの記録で確かめます(総収入金額になります)。
- 支出した金額:あれば、領収書などを手元に置きます。引けるのは、No.1490 の「直接要した金額に限ります」に当たるものです。
- 特別控除額:最高50万円(No.1490)。
- 給与の源泉徴収票:給与所得の入力に使います。一時所得の金額の2分の1と、給与所得などを合計して税額が計算されます。
確定申告書等作成コーナーでの入力の手順、マイナンバーカードとスマホで送る方法、マイナポータル連携で自動入力できるものは、スマホで確定申告(e-Tax)のやり方にまとめています。一時所得を入力する画面や欄は年分で変わるため、作成コーナーの案内に沿って入力してください。
どの年分の所得になるか(交付決定と振り込みが年をまたぐ場合など)や、支出に当たるかの判断は、税務署または税理士にご確認ください。申告期限を過ぎてしまったときは確定申告の期限を過ぎたらを参照してください。
よくある質問
移住支援金の確定申告で、必要経費は引けますか?
国税庁のタックスアンサー No.1490 では、一時所得から引けるのは「収入を得るために支出した金額」で、「その収入を生じた行為をするため、または、その収入を生じた原因の発生に伴い、直接要した金額に限ります」とされています。引っ越し費用などがこれに当たるかは、記載からは判断できません。税務署または税理士にご確認ください。
移住支援金に税金はかかりますか?
移住支援金は一時所得にあたるとされており(内閣府の照会に対する国税庁の文書回答、平成31年4月10日)、受け取った額から支出と特別控除(最高50万円)を引いた金額の2分の1が、給与など他の所得と合計されて税額が計算されます。特別控除の範囲に収まれば、一時所得の金額は0円です。
確定申告をし忘れたときはどうなりますか?
申告期限を過ぎたときの扱いは、国税庁の案内に沿って別の記事にまとめています。申告が必要だったかどうかは、このページの「会社員は確定申告が必要?」の基準で確認できます。
移住支援金は給与所得ではないのですか?
内閣府の照会(国税庁の文書回答事例)では、移住支援金は利子・配当・不動産・事業・退職・山林・譲渡の各所得に当たらず、支給対象から官公庁に新規就業した人が除かれていることから給与所得にも当たらず、営利を目的とする継続的行為から生じたものでも、労務や資産の譲渡の対価でもなく一時に支給されるものだから一時所得に当たる、と整理されています。国税庁は「貴見のとおりで差し支えありません」と回答しています。
確定申告をしないと、住民税の申告も要りませんか?
所得税と住民税は申告が要らなくなる基準が別です。給与以外の所得があるときの住民税の申告は、副業を例にした記事で、横浜市・大阪市の案内を整理しています。移住支援金の場合に申告が要るかは、住所地の市区町村にご確認ください。
参考・出典
- 国税庁 タックスアンサー No.1490 一時所得(令和8年4月1日現在法令等。2026年10月20日確認)
- 国税庁 タックスアンサー No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人(令和8年4月1日現在法令等。2026年10月20日確認)
- 国税庁 文書回答事例「地方公共団体の地方創生起業支援事業及び地方創生移住支援事業に基づき支給される各支援金の課税関係について」(平成31年4月10日回答。2026年10月20日確認)
- 同 別紙(内閣府の照会の内容)(2026年10月20日確認)
- 沖縄県 移住支援金(2026年10月20日確認)
- 鹿児島県 移住支援金(2026年10月20日確認)
- 宮城県 移住支援金(2026年10月20日確認)
- 福岡県 移住支援金(支給額。2026年10月20日確認)
※本ページの記載は一般的なケースを簡略化したものです。個々の納税者の事情によって課税関係が異なる場合があります。実際の申告内容は、最新の国税庁の案内、または税務署・税理士にご確認ください。