介護休業給付金はいくらもらえる?支給額の計算と育休給付金との違い

家族の介護のために仕事を休む期間、収入はどうなるのか。介護休業は自分の意思で日数を無制限に選べる制度ではなく、育児・介護休業法と雇用保険法が対象家族の範囲・休業できる日数・給付金の額を定めています。あなたが介護休業を検討しているなら、まず確認すべきは対象家族の範囲と休業できる日数です。この記事では、介護休業給付金の支給額の計算方法・対象家族と分割取得の仕組み・育児休業給付金との違いを、ハローワークと厚生労働省の公表資料を基に整理します。

介護休業は誰の、何日分の休業なのか

介護休業は、負傷・疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態(要介護状態)にある「対象家族」を介護するための休業です。厚生労働省の介護休業制度特設サイトによると、対象家族の範囲は次のとおりです。

対象家族の範囲

配偶者(事実上の婚姻関係と同様の事情にある者を含む)、父母(養父母を含む)、子(養子を含む)、配偶者の父母(養父母を含む)、祖父母、兄弟姉妹、孫

取得できる日数には上限があります。

対象家族1人につき、通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる

93日は「1回の休業の上限」ではなく、同じ対象家族について生涯にわたって取得できる合計日数です。93日を3回に分けて取得することも、1回で使い切ることもできます。休業を取得するには、休業開始予定日の2週間前までに、書面等により事業主に申し出る必要があります。

介護休業給付金はいくらもらえるのか

介護休業給付金は、雇用保険の被保険者が要件を満たして介護休業を取得した場合に、休業中の収入を補うために雇用保険から支給される給付です。支給を受けるには、介護休業開始前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12か月以上あることなどの要件を満たす必要があります。

支給額の計算方法

支給額(1か月あたり) = 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%

※「賃金日額」は、原則として介護休業開始前6か月の賃金を180で除した額

ハローワークの案内によると、この計算には上限と下限があります。賃金日額に支給日数(30日)を乗じた「賃金月額」が546,600円を超える場合は546,600円として計算され、これに伴い支給対象期間(1か月)あたりの上限額は366,222円になります。逆に賃金月額が96,090円を下回る場合は96,090円として計算されます(これらの額は毎年8月1日に見直されます)。

休業中に賃金の支払いがあると減額・不支給になることがある

介護休業期間中に賃金の8割以上が支払われている月は、その月は支給対象になりません。賃金と給付金の合計が「賃金日額×支給日数」の80%を超える場合は超えた分が減額され、賃金だけで80%以上に達する場合は不支給になります。

育児休業とは何が違うのか

介護休業と育児休業は、どちらも「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(育児・介護休業法)を根拠とし、給付金はどちらも雇用保険から支給されます。給付率も67%で同じですが、対象・期間・分割回数は異なります。

区分介護休業給付金育児休業給付金
対象要介護状態の対象家族(配偶者・父母・子・祖父母・兄弟姉妹・孫・配偶者の父母)原則として子(1歳未満、延長で最長2歳まで)
休業日数の上限対象家族1人につき通算93日原則として子が1歳になるまで(延長あり)
分割取得3回まで2回まで(出生時育休は別枠でさらに2回)
給付率67%(休業期間を通じて一定)67%(180日経過後は50%に低下)

最も大きな違いは給付率の推移です。育児休業給付金は180日を過ぎると給付率が50%に下がりますが、介護休業給付金は93日の範囲内であれば67%のまま変わりません。育児休業給付金の支給額の計算方法・2025年の制度改正(出生後休業支援給付金による上乗せ)については、育児休業給付金の計算方法・受給条件と手続きの流れで詳しく解説しています。

申請の手続きはどう進むのか

介護休業給付金の支給申請は、育休給付金と同じく事業主を経由して行うのが原則です(本人が希望すれば本人が申請することもできます)。

  1. 事業主に介護休業の申出をする

    休業開始予定日の2週間前までに、書面等で事業主に申し出ます。

  2. 事業主が休業開始時賃金月額証明書をハローワークに提出する

    支給申請書を提出する日までに、賃金台帳・出勤簿などの証明書類とあわせて提出します。

  3. 介護休業終了後に支給申請を行う

    各介護休業終了日(3か月を超える休業は開始日から3か月経過した日)の翌日から起算して2か月を経過する日の属する月の末日までに、事業主経由で支給申請します。

参考・出典

運

会社員の計算帳 運営事務局

本サイトは個人が運営する情報提供サイトです。労働・税金・社会保険について、厚生労働省・国税庁・金融庁などの公開情報をもとに記事を編集・公開しています。お問い合わせは お問い合わせフォーム よりお願いします。