年収500万円なら入院30日の自己負担は約14万円。医療保険は必要?

日本には高額療養費制度があり、治療費(保険適用分)の自己負担には年収に応じた上限額があります。年収500万円・総医療費100万円(10割)の入院30日なら、治療費の自己負担は92,940円で頭打ちになり、これに入院中の食事代(1食550円)を足した自己負担の目安は約14万円です。この金額を貯蓄でまかなえるかどうかが、医療保険の要否を分ける最初の判断材料になります。

年収別・入院30日の自己負担早見表

総医療費(保険適用分・10割)を100万円とした場合の、年収別・入院30日の自己負担額(治療費の高額療養費適用後の額+食事代)です。差額ベッド代は含みません。

年収所得区分30日の自己負担
300万円区分エ111,000円
400万円区分ウ142,440円
500万円区分ウ142,440円
600万円区分ウ142,440円
800万円区分イ232,630円

※標準報酬月額は年収÷12で概算。総医療費が100万円より高い・低い場合は、治療費の自己負担額が変わります(下の計算機で試算できます)。

高額療養費の自己負担上限額(70歳未満・5区分)

同一月内の医療費の自己負担限度額は、標準報酬月額(おおむね年収÷12の目安)に応じて次の式で決まります(令和8年8月〜令和9年7月の額)。直近12か月以内に3回以上上限に達すると、4か月目から「多数回該当」の額に下がります。

区分自己負担限度額(1か月)多数回該当
ア 83万円以上270,300円+(総医療費−901,000円)×1%140,100円
イ 53万〜79万円179,100円+(総医療費−597,000円)×1%93,000円
ウ 28万〜50万円85,800円+(総医療費−286,000円)×1%44,400円
エ 26万円以下61,500円44,400円
オ 低所得者※35,400円24,600円

※オは被保険者が住民税非課税で、区分ア・イに該当しない方。総医療費は保険適用される診察費用の総額(10割)。出典:全国健康保険協会(協会けんぽ)高額療養費。

自己負担額と貯蓄の比較 計算機

年収・総医療費・差額ベッド代(任意)・貯蓄額を入力すると、入院10日・30日・60日それぞれの自己負担の目安と、貯蓄でまかなえるかを計算します。

入力

手術・治療の内容で大きく変わります。分からない場合は初期値のままで構いません

入院30日の自己負担額(目安)

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入院日数治療費の自己負担食費込み合計
10日——
30日——
60日——

差額ベッド代を含めた合計と貯蓄の比較(60日の場合)

治療費の自己負担
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食費
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差額ベッド代
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合計
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高額療養費の対象外になるもの

高額療養費制度は治療費(保険適用分)の自己負担にしか上限を設けません。次のものは対象外で、実費または収入減としてそのまま家計にのしかかります。

  • 入院時の食事代:1食550円(令和8年6月1日からの一般所得者の額)。30日の入院なら食事代だけで約5万円かかります。
  • 差額ベッド代:個室等を希望した場合の費用。病院や部屋のタイプで金額の幅が大きく、長期入院ほど負担が積み上がります。
  • 先進医療の技術料:公的医療保険が適用されない治療・技術は全額自己負担です。
  • 入院中の収入の減少:健康保険から傷病手当金(標準報酬日額の3分の2、最長1年6か月)は出ますが、給与の満額は補填されません。詳しくは傷病手当金 計算機で試算できます。
  • 健康保険組合の付加給付:加入する健康保険組合によっては、自己負担限度額をさらに下げる付加給付がある場合があります。協会けんぽには付加給付はありません。

高齢の親や自分自身の70歳以降の自己負担については、高齢者向けの高額療養費 計算機で試算できます。

よくある質問

高額療養費制度を使えば、医療保険は本当に要りませんか?

高額療養費制度は「治療費(保険適用分)」の自己負担に上限を設ける制度です。入院時の食事代・差額ベッド代・先進医療の技術料・入院中の生活費(収入が減る分)はこの制度の対象外で、自己負担または収入減がそのまま生活を圧迫します。貯蓄でこれらをまかなえるなら医療保険は必須ではありませんが、貯蓄が少ない・差額ベッド代のかかる個室を希望する場合は、保険で備える意味があります。

差額ベッド代は必ずかかりますか?

本人が希望して個室等を選んだ場合にかかる費用で、治療上の必要から病院側の都合で個室になった場合は原則として請求されません。ただし希望する・しないに関わらず、結果的に空いている病室が個室しかないケースもあります。金額は病院により異なり、1日数千円〜数万円まで幅があります。

高額療養費の「多数回該当」とは何ですか?

直近12か月以内に3回以上、高額療養費の支給(自己負担限度額を超えた月)があった場合、4か月目からは自己負担限度額がさらに下がる仕組みです。長期の入院・通院が続く場合に負担が重くなりすぎないようにする軽減措置です。

傷病手当金や付加給付も考慮したほうがいいですか?

はい。会社員(健康保険加入者)が病気やケガで働けず給与が出ない場合、標準報酬日額の3分の2にあたる傷病手当金が最長1年6か月支給されます(詳しくは傷病手当金 計算機で試算できます)。また、健康保険組合によっては、高額療養費に上乗せして自己負担をさらに軽減する「付加給付」があります。付加給付の有無・上限額は加入する健康保険組合ごとに異なるため、健康保険証や組合のホームページで確認してください。

参考・出典

(2026年10月1日確認)※本ページの計算結果は概算です。実際の自己負担額は診療内容・入院日数の暦月への分かれ方・加入する健康保険組合の付加給付の有無によって異なります。正確な金額は加入する健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)にご確認ください。