共済の年末調整の書き方|県民共済・JA共済・こくみん共済は生命保険料控除か地震保険料控除か・新制度と旧制度・証明書をなくしたとき
会社に勤めていて、県民共済・JA共済・こくみん共済などの共済に入っている方向けの解説です。共済の掛金も、対象になる部分は保険料控除申告書に書けます。生命共済や医療共済は「生命保険料控除」、火災共済や自然災害共済の地震等損害部分は「地震保険料控除」の欄です。書く金額は、団体から届く共済掛金払込証明書の太枠内の金額で、新制度か旧制度かも証明書に書かれたとおりに写します。この記事では、国税庁と各共済団体の公式の案内で、どの共済がどの控除になるか、証明書の見方、なくしたときの再発行を整理します。
共済の掛金は、どの控除になるか
国税庁のNo.1141は、生命保険料控除の対象となる契約に、農業協同組合と締結した生命共済契約その他これに類する共済に係る契約のうち、生存または死亡で一定額の保険金等が支払われるものを挙げています。地震保険料控除は、No.1146が、農業協同組合の建物更生共済・火災共済や、消費生活協同組合連合会の火災共済・自然災害共済などの契約を対象としています。
| 共済から給付される場面 | 申告書の控除 | 国税庁の原文 |
|---|---|---|
| 死亡・生存で一定額が支払われる | 生命保険料控除(一般の生命保険料) | No.1141 |
| 入院・手術など医療費の支払いで給付される | 生命保険料控除(介護医療保険料)。平成24年1月1日以後の契約 | No.1141、所得税法76条 |
| 年金を給付する定めがあり、一定の要件を満たす | 生命保険料控除(個人年金保険料) | No.1141 |
| 火災共済・建物更生共済の地震等損害部分 | 地震保険料控除 | No.1146、所得税法77条 |
| 傷害保険契約、保険期間5年未満の貯蓄共済 | 対象外 | No.1141(注) |
出典:国税庁 No.1140・1141・1145・1146(令和8年4月1日現在法令等)、e-Gov 所得税法76条・77条、2026年10月2日確認。個人年金保険料は、年金の受取人が本人または配偶者、10年以上の定期払込など、No.1141の要件を満たす契約です。
どの共済のどの部分が、どの控除の対象になるかは、団体が契約内容ごとに判断して証明書に書きます。国税庁のNo.1141も、対象になるかどうかは保険会社などから送られてくる証明書で確認できるとしています。
控除を受けるには、掛金を払った人が本人であること、保険金等の受取人がすべて本人または配偶者や親族であることも条件です(国税庁「年末調整のしかた」)。保険料控除申告書の書き方全般と控除額の計算は、保険料控除申告書の書き方にまとめています。
県民共済・JA共済・こくみん共済の案内
各団体の公式サイトに書かれている範囲を、事実として並べます。商品や加入時期で扱いは変わるので、実際の判断は手元の証明書に従ってください。
| 団体 | 生命保険料控除 | 地震保険料控除 |
|---|---|---|
| 県民共済(全国生協連・都道府県民共済グループ) | 一般の生命保険料(新保険料等)と介護医療保険料。個人年金保険料控除の対象になる共済は取り扱いなし | 火災共済の地震特約に入っている期間のみ |
| JA共済 | 生命共済の共済掛金。新制度か旧制度かは証明書に記載 | 建物更生共済の掛金のうち、地震保険料控除対象掛金 |
| こくみん共済 coop(全労済) | こくみん共済、総合医療共済、せいめい共済、いきいき応援、ねんきん共済 | 自然災害共済の地震等損害部分に相当する掛金のみ |
出典:全国生協連(都道府県民共済グループ)「生命保険料控除について」「地震保険料控除について」、JA共済連「よくあるご質問 税金に関する質問」Q4〜Q6、こくみん共済 coop「保険料控除に関するご案内」、2026年10月2日確認。こくみん共済 coop のページには、ねんきん共済の税制適格タイプは個人年金保険料控除の対象とあります。
こくみん共済 coop の控除のページは「平成24年1月1日現在施行中の税法にもとづく取り扱い」と注記された案内で、控除額の表が古い基準です。この記事では、控除額については国税庁の令和8年4月1日現在の原文を使っています。
県民共済は都道府県ごとの生協で、全国生協連が共通の案内を出しています。千葉県民共済・北海道の道民共済・大阪府の府民共済の公式サイトでも、共済掛金払込証明書の再発行の案内は全国生協連と同じ文面で載っています(2026年10月2日確認)。埼玉県民共済は独自の案内を2026年10月2日付で出していて、保険会社等の名称の欄は、共済の種類により「埼玉県民共済生協」または「全国生協連」と書き分けるとしています。
新制度と旧制度は、証明書の表記を写す
国税庁は、平成24年1月1日以後に締結した契約等を新制度、平成23年12月31日以前に締結した契約等を旧制度としています(No.1140)。「年末調整のしかた」は、新生命保険料を旧生命保険料に含めたり、新個人年金保険料を介護医療保険料に含めたりするなど、支払った保険料の区分を他の区分に振り替えることはできないとしています。
| 証明書の表記 | 書く欄 | 新・旧 |
|---|---|---|
| 一般の生命保険料(新保険料等) | 一般の生命保険料 | 「新」 |
| 介護医療保険料 | 介護医療保険料 | 新制度のみ |
| 個人年金保険料 | 個人年金保険料 | 証明書のとおり |
| 「旧制度」と書かれた契約 | 旧保険料等の欄 | 「旧」 |
出典:国税庁「令和8年分 各種控除について(給与所得者用)」保険料控除申告書の記載例(pdf/307.pdf)、「年末調整のしかた」2-3。記載例は「『新・旧の区分』には、生命保険料控除証明書に記載されている適用制度の新旧区分を記載します」としています。2026年10月2日に記載例の画像で確認。
- 県民共済(全国生協連):毎年4月1日に自動更新される定期生命共済のため、新制度のみです。「保険会社等の名称」は「全国生協連」、「保険等の種類」は「定期生命共済」、「保険期間」は「1年」と書き、「新・旧の区分」は「新」を○で囲むとされています。電子申告で契約年月日を入力するとき、契約日が平成23年12月31日以前の場合は、平成24年4月1日を入力するとされています。
- こくみん共済 coop:「保険会社等の名称」は「こくみん共済 coop」または「全労済」。「保険等の種類」は、証明書の共済の種類を見て、たとえば「こくみん共済」は「こくみん共済」、終身は「終身生命共済」、総合医療・せいめい・いきいき応援は「個人長期生命共済」または「終身生命共済」と書くとされています。「新・旧の区分」は、証明書の「生命保険料控除適用制度」欄を見て、「新」か「旧」に○をつけます。
- JA共済:証明書に「旧制度」または「新制度」と記載されているので確認するよう案内されています。申告書の記入例は、2026年10月2日時点で確認できなかったため、ここには書いていません。
令和8年分から、23歳未満の扶養親族がいる場合は、新生命保険料の控除額の計算が変わります。申告書の欄の書き方は保険料控除申告書の書き方にあります。
書く金額は、割戻金を引いたあと
共済は、割戻金(配当)が出る場合があります。国税庁の「年末調整のしかた」は、その年に支払った保険料の合計額から、受けた割戻金を差し引いた残額が控除の対象になるとしています。申告書に書くのは、証明書の太枠内に印字された、この差し引き後の金額です。
- 県民共済(全国生協連):証明書の「(1)保険料」は1月から12月までの掛金払込予定額、「(2)割戻金」は割戻金として振り込んだ額と出資金として預かった額(割戻対象掛金の5%相当分)の合計、「(3)本年中の払込掛金予定金額」は(1)から(2)を差し引いた金額です。申告書には、太枠内の「(新)一般の生命保険料」と「介護医療保険料」の金額を書きます。
- こくみん共済 coop:申告書の「あなたが本年中に支払った保険料等の金額」には、証明書の「差引本年度控除対象予定額」を書くとされています。共済掛金の未払いが発生した場合は、実際に払い込まれた金額を書くとされています。
- JA共済:保険料控除は、実際に共済掛金を払い込んだ年に適用されると案内されています。その年に発生した割戻金が、年間の払込共済掛金の合計を超える場合は、共済掛金払込証明書は作成されません(地震保険料控除用は作成)。
証明書は、国税庁の「年末調整のしかた」で、旧生命保険料の9,000円以下の契約を除き、金額にかかわらず申告書に添付または提示する扱いです。県民共済(全国生協連)の案内も、一般の生命保険料と介護医療保険料の申告には金額にかかわらず証明書の添付が必要としています。
火災共済・自然災害共済は地震保険料控除
火災共済や自然災害共済の掛金のうち、控除の対象になるのは地震等による損害の部分だけです。国税庁のNo.1145は、地震保険料控除の額を、その年に支払った地震保険料が5万円以下ならその全額、5万円を超えるなら5万円としています。対象になるのは、自分または生計を一にする配偶者その他の親族が所有し、常時住んでいる家屋や、生活に通常必要な家具などを目的とする契約です(No.1146)。
- 県民共済(全国生協連):火災共済の地震特約に入っている期間の掛金が対象で、地震特約がない場合は損害保険料のため対象外です。自家と借家は対象、貸家は対象外(生計を一にする親族に貸している場合は対象)、店舗等併用住宅は、居住用部分の割合で按分されます。申告書には、「保険会社等の名称」に「全国生協連」、「保険等の種類(目的)」に「火災共済 住宅・家財」、「保険期間」に「1年」と書き、「地震保険料又は旧長期損害保険料区分」は「地震」を○で囲みます。
- こくみん共済 coop:自然災害共済の地震等損害部分に相当する掛金のみが対象で、貸家契約は対象になりません。申告書には、「保険等の種類」に「自然災害共済」、「保険期間」に「1年」と書き、区分は「地震」に○をつけるとされています。
- JA共済:自宅や家財を対象とする建物更生共済は、共済掛金のうち地震保険料控除対象掛金が地震保険料控除の対象です。平成18年12月31日までに締結した共済期間10年以上の建物更生共済は、経過措置により旧長期損害保険料控除を選べる場合があり、平成19年1月1日以後に掛金の増減を伴う変更などがあった年からは適用できなくなると案内されています。
国税庁の記載例では、「地震保険料又は旧長期損害保険料区分」の欄に、地震保険料控除証明書等に記載されている適用制度の区分を○で示します。地震保険料控除も、県民共済(全国生協連)の案内では、金額にかかわらず証明書の添付が必要です。いくら戻るかは地震保険料控除でいくら戻る、生命保険料控除は生命保険料控除でいくら戻るで計算できます。
証明書はいつ届く・なくしたときは
| 団体 | 届く時期・電子 | 再発行 |
|---|---|---|
| 県民共済(全国生協連) | 電子データは10月上旬以降に取得(9月は入れ替え作業のため不可)。埼玉県民共済は10月中旬頃までに到着するよう順次発送 | マイページは10月1日から翌年8月31日(本人分のみ)、再発行受付専用ダイヤルは翌年3月31日まで |
| JA共済 | 10月上旬から順次配付。10月上旬までに払込みのない契約は、払込み後に配付 | 契約先のJAで受け付け |
| こくみん共済 coop | 毎年10月頃発行 | マイページに登録すると再発行を申請できる |
出典:全国生協連「共済掛金払込証明書の再発行と電子交付について」(2026年10月1日付)・「保険料控除証明書の電子交付について」、埼玉県民共済「保険料控除申告書のご記入に際して」(2026年10月2日付)、JA共済連「よくあるご質問 税金に関する質問」Q2・Q3、こくみん共済 coop「保険料控除に関するご案内」、2026年10月2日確認。
県民共済(全国生協連)の再発行受付専用ダイヤルは、ガイダンスに従ってご加入者番号等を入力する方式で、郵便事情により手元に届くまで1週間程度かかる場合があるとされています。JA共済は、年払いで証明額を記載した「共済掛金証明予定額案内書」を希望する場合は、契約先のJAに問い合わせるよう案内しています。こくみん共済 coop の案内では、職場の労働組合や社員会などを通じて加入した団体生命共済などは、所属団体の窓口に問い合わせます。
電子データは、県民共済(全国生協連)がマイページとマイナポータル連携の2通りを案内していて、マイナポータル上の名称は「都道府県民共済グループ」です。JA共済は、Webマイページから電子申告に使える控除証明データをダウンロードできるとしています。こくみん共済 coop は、マイナンバーカードを使って「マイナ手続きポータル」「電子交付サービス」と「e-私書箱」を連携する方法です。年末調整での使い方は年末調整のマイナポータル連携とはにまとめています。
なくしたまま会社の締め切りが来そうなときは、国税庁の「年末調整のしかた」にある、翌年1月末日までに提出または提示することを条件とした扱いを、勤務先の担当部署に確認してください。
よくある質問
Q. 火災共済だけに入っています。年末調整で書けますか?
A. 国税庁のNo.1146は、地震保険料控除の対象を、地震等による損害をてん補する共済金が支払われる契約のうち、地震等損害部分の掛金としています。県民共済(全国生協連)の案内では、火災共済の地震特約に入っている期間の掛金が対象で、地震特約がない場合は対象外(損害保険料)です。こくみん共済 coop の案内では、自然災害共済の地震等損害部分に相当する掛金だけが対象です。届いた証明書に地震保険料控除用の金額があるかで確認してください。
Q. 傷害共済に入っています。生命保険料控除に書けますか?
A. 国税庁のNo.1141は、傷害保険契約は生命保険料控除の対象に該当しないとしています。県民共済(全国生協連)の案内も、傷害保障型共済と傷害共済は保険料控除の対象外のため、控除証明書(共済掛金払込証明書)は発行していないとしています。
Q. 家族の名前で入っている共済の分を、自分の申告書に書けますか?
A. 国税庁の「年末調整のしかた」は、控除の対象を所得者本人が支払ったものに限り、保険金等の受取人が本人または配偶者や親族であることを条件としています。県民共済(全国生協連)の案内も、生命保険料控除は共済掛金を実際に負担した方が申告できるとしています。契約者の欄に誰の名前を書くかは、証明書の記載と各団体の記入例に従ってください。
Q. 会社の提出期限までに証明書が届きません。
A. 国税庁の「年末調整のしかた」は、証明書類の交付を請求中などで確認できない場合でも、翌年1月末日までに提出または提示することを条件に、控除したうえで年末調整を行ってもよいとしています。実際の締め切りや扱いは勤務先によって異なるので、先に勤務先の担当部署に確認してください。
Q. 新制度か旧制度か分かりません。
A. 国税庁の記載例は、申告書の「新・旧の区分」に、証明書に記載されている適用制度の新旧区分を書くとしています。JA共済とこくみん共済 coop の案内は、証明書に「新制度」「旧制度」が記載されているのでご確認くださいという内容です。県民共済(全国生協連)の案内では、毎年4月1日に自動更新される定期生命共済のため新制度のみで、旧税制の生命保険料控除の対象となる共済は取り扱っていないとされています。
Q. 割戻金(配当)を受け取った年は、どの金額を書きますか?
A. 国税庁の「年末調整のしかた」は、剰余金の分配や割戻金を受けた場合、その年に支払った保険料の合計額から割戻金の合計額を差し引いた残額が控除の対象になるとしています。県民共済(全国生協連)の証明書では、「(1)保険料」から「(2)割戻金」を差し引いた「(3)本年中の払込掛金予定金額」が書かれていて、申告書には太枠内の金額を書くとされています。
参考・出典
- 国税庁 No.1140 生命保険料控除・No.1141 生命保険料控除の対象となる保険契約等・No.1145 地震保険料控除・No.1146 地震保険料控除の対象となる保険契約(令和8年4月1日現在法令等、2026年10月2日確認)
- 所得税法(e-Gov)第76条(生命保険料控除)・第77条(地震保険料控除)(2026年10月2日確認)
- 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」2-3 保険料控除申告書の受理と内容の確認(PDF、2026年10月2日確認)
- 国税庁「令和8年分 各種控除について(給与所得者用)」保険料控除申告書の記載例(PDF、2026年10月2日確認)
- 全国生協連(都道府県民共済グループ)生命保険料控除について・地震保険料控除について・共済掛金払込証明書の再発行と電子交付について・保険料控除証明書の電子交付について(2026年10月2日確認)
- 埼玉県民共済 保険料控除申告書のご記入に際して(2026年10月2日付、同日確認)
- JA共済連 よくあるご質問 税金に関する質問(2026年10月2日確認)
- こくみん共済 coop 保険料控除(年末調整・確定申告)について・共済掛金証明書(保険料控除証明書)の電子交付について(2026年10月2日確認)
※国税庁と各共済団体の公式サイトに書かれている範囲の整理です。共済の種類や加入時期で扱いは変わるため、個別の事情や、勤務先の年末調整の扱いは、届いた証明書、各団体、勤務先の担当部署、税務署でご確認ください。JA共済の申告書の記入例は2026年10月2日時点で確認できなかったため、書いていません。