給与所得の源泉徴収税額表(月額表)【令和8年分】の見方と計算方法
毎月の給与から引かれる所得税は、「社会保険料等を引いた後の給与」と「扶養親族等の数」で月額表を引いて決まります。たとえば額面30万円(協会けんぽ東京支部・40歳未満)なら、社会保険料等控除後は255,930円で、扶養親族等0人の所得税は6,320円、2人なら3,090円です。この記事は、会社に勤めていて毎月給与をもらう方向けに、令和8年分の月額表の引き方をまとめました。
月額表の引き方と、甲欄・乙欄の違い
月額表は、月ごとに支払う給与の所得税を求める表です。「給与所得者の扶養控除等申告書」を出している人は甲欄、出していない人は乙欄を使います(No.2511)。甲欄の引き方は3つです。
- その月の給与等の金額から、社会保険料等(厚生年金保険料・健康保険料・雇用保険料など)を引く
- 月額表の「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」欄で、(1)の金額が含まれる行を探す(「以上」はその金額を含み、「未満」は含みません)
- その行と、甲欄の「扶養親族等の数」の列が交わるところの金額が、その月に源泉徴収する税額
国税庁の使用例は、給与等の支給額420,000円・社会保険料等63,400円・扶養親族等2人です。420,000円−63,400円=356,600円が含まれるのは「356,000円以上359,000円未満」の行で、甲欄の扶養親族等2人の列の7,020円が、その給与から源泉徴収する税額です。
決め手は額面ではなく、社会保険料等を引いた後の金額です。社会保険料が多い月ほど、引く行は金額の小さい行になります。
扶養親族等の数の数え方
甲欄の「扶養親族等の数」は、源泉控除対象配偶者と源泉控除対象親族の合計です。扶養控除等申告書に書いた内容にもとづいて数えます。国税庁の説明(令和8年分)は次のとおりです。
- 源泉控除対象配偶者:本人のその年の所得の見積額が900万円以下で、生計を一にする配偶者(その所得の見積額が95万円以下の人)
- 源泉控除対象親族:控除対象扶養親族(年齢16歳以上で、所得の見積額が58万円以下の親族)と、特定親族(年齢19歳以上23歳未満で、所得の見積額が58万円超123万円以下の親族)のうち所得の見積額が100万円以下の人。令和8年12月1日以後に支払う給与等からは、58万円が62万円に変わります(国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」。令和8年11月までの源泉徴収事務は変更なし)
- 本人が障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生に当てはまるときは、当てはまるごとに1人を加える
- 同一生計配偶者や扶養親族(16歳未満を含みます)に、障害者または同居特別障害者がいるときは、当てはまるごとに1人を加える
7人を超えるとき、夫婦の両方は使えない
扶養親族等が7人を超えるときは、7人の税額から、超える1人ごとに1,610円を引きます。また、夫婦の双方がお互いに源泉控除対象配偶者として申告することはできません(No.2511)。申告書の書き方は、扶養控除等申告書の書き方にまとめています。
令和8年分の月額表(15万〜50万円の抜粋)
甲欄の扶養親族等0人と1人の表です。単位は円で、「149,000〜151,000未満」は149,000円以上151,000円未満を表します。15万・20万・25万・30万・35万・40万・45万・50万円を含む行を抜き出しました。
| 社会保険料等控除後の給与 | 扶養0人 | 扶養1人 |
|---|---|---|
| 149,000〜151,000未満 | 2,420 | 810 |
| 199,000〜201,000未満 | 4,340 | 2,730 |
| 248,000〜251,000未満 | 6,110 | 4,490 |
| 299,000〜302,000未満 | 7,930 | 6,320 |
| 350,000〜353,000未満 | 11,730 | 8,500 |
| 398,000〜401,000未満 | 15,650 | 12,430 |
| 449,000〜452,000未満 | 19,860 | 16,590 |
| 500,000〜503,000未満 | 28,190 | 21,730 |
扶養親族等2人と3人の表です。
| 社会保険料等控除後の給与 | 扶養2人 | 扶養3人 |
|---|---|---|
| 149,000〜151,000未満 | 0 | 0 |
| 199,000〜201,000未満 | 1,100 | 0 |
| 248,000〜251,000未満 | 2,880 | 1,260 |
| 299,000〜302,000未満 | 4,700 | 3,080 |
| 350,000〜353,000未満 | 6,780 | 5,170 |
| 398,000〜401,000未満 | 9,190 | 7,130 |
| 449,000〜452,000未満 | 13,350 | 10,120 |
| 500,000〜503,000未満 | 17,520 | 14,280 |
出典:国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表」給与所得の源泉徴収税額表(月額表)の甲欄(2026年10月2日確認)。表は2,000〜3,000円刻みの行の一部です。全範囲と4人以上の列は、国税庁のPDF(1〜7ページ)、表計算ソフトで使うときはExcel版でご確認ください。
計算例:額面月給から所得税を引く
額面月給から社会保険料等を引き、その金額で月額表(甲欄)を引いた例です。社会保険料等は、協会けんぽ東京支部・40歳未満の健康保険・厚生年金・雇用保険の合計で、手取り計算機と同じ計算です。
| 額面月給(社会保険料等控除後) | 扶養0人の所得税 | 扶養2人の所得税 |
|---|---|---|
| 20万円(170,620円) | 3,270円 | 0円 |
| 25万円(211,856円) | 4,770円 | 1,530円 |
| 30万円(255,930円) | 6,320円 | 3,090円 |
| 40万円(339,821円) | 10,750円 | 6,290円 |
※所得税は、国税庁の令和8年分の月額表の甲欄から、社会保険料等控除後の金額が含まれる行を引いた額です。社会保険料等は、額面30万円なら44,070円です。
手取り計算機の所得税は、年末調整後の年税額を12で割った月平均の目安で、毎月の天引き額(月額表の税額)とは別の数字です。年間の手取りの目安を出したいときは、手取り計算ツールが使えます。給与明細の項目の意味は、給与明細の見方にまとめています。
高い給与・乙欄・日額表・賞与のとき
社会保険料等控除後が74万円を超えるとき
月額表には、740,000円の行の先に、金額が高い範囲の式が載っています。740,000円を超え790,000円に満たない金額は、740,000円の場合の税額に、740,000円を超える金額の20.42%を加算した金額です。甲欄の扶養親族等0人の740,000円の場合の税額は71,680円なので、社会保険料等控除後が760,000円なら、71,680円+20,000円×20.42%=75,764円です。790,000円以上は、同じ形の式で加算する率が段階的に上がります(国税庁のPDFの5〜7ページ)。
乙欄を使うとき
扶養控除等申告書を出していない人は乙欄を使います。乙欄は、扶養親族等の数では分かれません。主な行の乙欄の税額は次のとおりです。
| 社会保険料等控除後の給与 | 乙欄の税額 |
|---|---|
| 149,000〜151,000未満 | 8,300 |
| 199,000〜201,000未満 | 19,700 |
| 248,000〜251,000未満 | 35,500 |
| 299,000〜302,000未満 | 53,600 |
| 398,000〜401,000未満 | 88,700 |
| 500,000〜503,000未満 | 145,700 |
社会保険料等控除後が105,000円未満のときは、乙欄は「その金額の3.063%に相当する金額」です。国税庁の使用例では、80,750円×3.063%=2,473円(1円未満切り捨て)が税額です。
日額表と賞与
毎日・週ごと・日割で支払う給与は、月額表ではなく日額表(国税庁のPDFの8〜14ページ)を使います。引き方は月額表と同じ要領です。賞与は、前月の給与と扶養親族等の数で率を引く別の表を使います。賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表の見方にまとめています。
よくある質問
Q. 令和8年分の月額表は、どこで見られますか?
A. 国税庁の「令和8年分 源泉徴収税額表」のページに、月額表(1〜7ページ)のPDFとExcelが載っています。この記事の表は、そのPDFの甲欄から扶養親族等0〜3人の分を、15万〜50万円の範囲で抜粋したものです。全範囲と、4人以上の列は、PDFまたはExcelでご確認ください。
Q. 「社会保険料等控除後の給与等の金額」は、額面ですか?
A. 額面ではありません。その月の給与等の金額から、その給与等から控除される厚生年金保険料・健康保険料・雇用保険料などの社会保険料等を引いた金額です(No.2511)。
Q. 16歳未満の子どもは、扶養親族等の数に入りますか?
A. 入りません。国税庁の「給与所得の源泉徴収税額の求め方」の図では、扶養親族のうち年齢16歳未満の人は、扶養親族等の数には加算しないとされています。源泉控除対象親族には、控除対象扶養親族(16歳以上)と、一定の特定親族(19歳以上23歳未満)が入ります。ただし、扶養親族に障害者または同居特別障害者がいる旨を申告書に書いたときは、当てはまるごとに1人を加算します。
Q. 乙欄は、どんなときに使いますか?
A. 「給与所得者の扶養控除等申告書」を出していない人に支払う給与は、乙欄で求めます(No.2511)。「従たる給与についての扶養控除等申告書」を出している人も乙欄の扱いで、その申告書に書いた扶養親族等1人ごとに1,610円を、乙欄で求めた税額から引きます。
Q. 手取り計算機の所得税と、給与明細の所得税が違うのはなぜですか?
A. 手取り計算機の所得税は、年末調整後の年税額を12で割った月平均の目安です。毎月の給与から天引きされるのは月額表で引いた税額で、別の数字になります。年間の所得税は、年末調整で確定します。
Q. この表は、令和7年分以前や令和9年分以後にも使えますか?
A. 使えません。国税庁は、令和7年分以前の給与等の税額にはこの税額表を使わないよう案内しています。また、No.2511は、令和9年分以後は所得税、防衛特別所得税および復興特別所得税を源泉徴収するとしており、令和9年分以後の税額表は別になります。
参考・出典
- 国税庁 - 令和8年分 源泉徴収税額表(2026年10月2日確認)
- 国税庁 - 給与所得の源泉徴収税額表(月額表)(令和8年分、1〜7ページ)(2026年10月2日確認)
- 国税庁 - 給与所得の源泉徴収税額の求め方(令和8年分、19〜22ページ)(2026年10月2日確認)
- 国税庁 - No.2511 税額表の種類と使い方(2026年10月2日確認)
※税額や適用の判断は、個々の状況によって異なります。具体的な取り扱いは勤務先の給与担当、所轄の税務署または税理士等の専門家にご確認ください。