扶養控除等申告書の書き方【令和8年分】独身・配偶者あり・パート・学生のケース別
「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は、年末調整の最初に会社へ提出する書類です。自分が独身か、配偶者がいるか、パートか、学生のアルバイトかで、書く欄は大きく変わります。本記事ではケース別の記入欄と、令和7年度の税制改正で変わった点を解説します。
扶養控除等申告書と配偶者控除等申告書の違い
「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」で決まるのは、扶養控除・障害者控除・寡婦控除・ひとり親控除・勤労学生控除です。配偶者控除・配偶者特別控除は、この申告書ではなく別紙の「配偶者控除等申告書」(基礎控除申告書・特定親族特別控除申告書と兼用の様式)で申告します。扶養控除等申告書にも「源泉控除対象配偶者」欄がありますが、これは毎月の給与から天引きする所得税額(源泉徴収税額表の「甲欄」適用)を決めるための欄で、年末調整で配偶者控除を受けるには配偶者控除等申告書の提出が別途必要です。
【ケース別】書く欄・書かなくてよい欄
自分の状況に近いケースを確認してください。
| ケース | 書く欄 | 書かなくてよい欄 |
|---|---|---|
| 独身・扶養なし | 氏名・住所・マイナンバーなど本人情報欄 | 源泉控除対象配偶者欄/控除対象扶養親族欄/住民税に関する事項欄 |
| 配偶者あり(配偶者の給与収入が150万円以下) | 本人情報欄+「源泉控除対象配偶者」欄に配偶者の氏名・所得見積額 | 配偶者控除の金額欄(別紙の配偶者控除等申告書に記載するため) |
| パート(自分が扶養に入る側) | 主な勤務先1か所にだけ本人情報欄を提出 | 2か所目以降の勤務先への提出(提出すると乙欄扱いになり天引きが増える) |
| 学生のアルバイト | 自分の申告書は本人情報欄のみ。親の扶養に入る手続きは親の勤務先の申告書で行う | 自分の申告書に親を記載する欄はない |
※配偶者の給与収入150万円以下は「源泉控除対象配偶者」(合計所得見積額95万円以下・本人の合計所得900万円以下が条件)の目安です。学生のアルバイトで自分自身が勤労学生控除を受ける場合は、本人情報欄に加えて「勤労学生」欄への記載が必要です(合計所得89万円以下が目安)。
特定親族特別控除とは(令和7年度改正で新設)
特定親族特別控除は、令和7年度税制改正で新しく作られた控除です。所得者と生計を一にする19歳以上23歳未満の親族(配偶者を除く)で、合計所得金額が62万円超123万円以下(給与収入だけなら136万円超197万円以下。令和7年分は58万円超、給与収入123万円超188万円以下)の場合に、親族1人につき最大63万円を所得者本人の所得から控除できます。子の収入が増えて「特定扶養親族」(合計所得62万円以下。令和7年分は58万円以下)の対象から外れても、この控除で段差なく支援が続く仕組みです。適用を受けるには、扶養控除等申告書ではなく「特定親族特別控除申告書」(配偶者控除等申告書と同じ兼用様式)の提出が必要です。
基礎控除の見直し
令和7年度税制改正により、令和7年12月1日以後(令和7年分以後の所得税)から基礎控除額が引き上げられました。
| 合計所得金額 | 改正前 | 改正後(令和7年分) |
|---|---|---|
| 132万円以下 | 48万円 | 95万円 |
| 132万円超336万円以下 | 48万円 | 88万円 |
| 336万円超489万円以下 | 48万円 | 68万円 |
| 489万円超655万円以下 | 48万円 | 63万円 |
| 655万円超2,350万円以下 | 48万円 | 58万円 |
※合計所得489万円以下は、給与収入だけなら年収約665万円以下が目安です。なお令和8年分は、令和8年度税制改正により本則が58万円→62万円へ引き上げられ(施行は令和8年12月1日)、合計所得489万円以下の枠は104万円になります。
扶養親族の所得要件の変更
基礎控除の引き上げに合わせて、扶養親族・同一生計配偶者の所得要件も引き上げられました。
| 区分 | 改正前 | 改正後(令和7年分) |
|---|---|---|
| 扶養親族・同一生計配偶者 | 48万円以下(給与収入103万円以下) | 58万円以下(給与収入123万円以下) |
| 配偶者特別控除の対象配偶者 | 103万円超201.6万円以下 | 123万円超201.6万円以下 |
| 勤労学生 | 75万円以下(給与収入130万円以下) | 85万円以下(給与収入150万円以下) |
※令和8年分は58万円→62万円(給与収入123万円→136万円)へ引き上げられます(令和8年度税制改正。施行は令和8年12月1日)。年の途中で要件が変わるため、扶養控除等申告書を出した後に新たに要件を満たす親族ができた場合は、会社に異動申告をしてください。
参考・出典
- 国税庁「令和7年分 年末調整のしかた」Ⅰ 昨年と比べて変わった点(基礎控除の見直し等)(2026年10月確認)
- 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」Ⅰ 昨年と比べて変わった点(基礎控除の引上げ等)(2026年10月確認)
- 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」2 各種控除額の確認(各種申告書の配付・受理)(2026年10月確認)
- 国税庁
※本ページの記載は一般的なケースを簡略化したものです。実際の記入内容は勤務先の年末調整担当部署にご確認ください。